第106話 バッティングセンター
舞がアイドルになる前の日常。中学生の頃の話。
学校からの帰り道。
「公介、どっか寄ってく?」
「そうだな……バッティングセンターに行ってみないか」
「いいわね、じゃあ行きましょう」
バッティングセンター。
舞と交互にバッティングを楽しんだ。
「ふう、難しいけど打てると気持ちいいな」
「ええ、楽しかったわ」
舞がハンカチで俺の汗を拭いたあと、制服の乱れも直してくれる。
「ありがと」
「ちょっと休憩しましょうか」
「あっちのゲーム機ある方に行ってみようぜ」
ゲームのコーナーに行く。
「舞、これ一緒にやろうぜ」
「ええ、いいわよ。おもしろそうね」
舞と並んで座ってゲームする。
思ったより楽しくて、そのままゲームに熱中してしまう。
「うわ、死んだ。コンテニューだ。あ、100円玉がない」
「ほら、公介、100円玉よ。早くコンテニューして」
「サンキュー! うおー、よくもやったな〜」
結局、全ステージクリアしてしまった。
「舞、そろそろ帰ろうか」
「ふふ、バッティングセンターに来たのに、結局ゲームばっかりしてたわね」
「しょうがない、そこにゲームがあったんだから……」
帰宅。
舞と家の庭でキャッチボールする。
「いくぞ、舞、それっ」
「ナイスボール。ねえ、バッティングセンターでホームラン打てるように、そこにネット張ってバッティングの練習でもする?」
「いや、野球部じゃないんだから、そこまでしなくていいだろ」
「ふふ、冗談よ、それっ」
「ナイスボール」
しばらくキャッチボールしていたら、母さんが夜ご飯に呼びに来た。
「今日の夜ご飯はなんだろ?」
「ふふ、じゃあ私も家に戻るわ。夜に公介の部屋に行くから」
「おう」
美しすぎる幼馴染と、バッティングセンターで遊んだ……。