第104話 ロールプレイングゲーム
高校生の頃の話。舞は人気急上昇中の新人アイドル。
夜。
舞が裏口からこっそり遊びに来てくれた。
俺は裏口に舞を迎えに行く。
「こんばんは〜、公介」
「いらっしゃ〜い、舞」
舞を連れて俺の部屋に戻る。
「舞〜!」
俺は舞に抱きついて甘える。
「あはっ、よしよし、公介、落ち着いて」
「これが落ち着いてられるかー、うおー、舞〜!」
「あん、ふふ、しょうがないわね」
とりあえず舞とイチャイチャする……。
「舞、大好きだぞ」
「はふう……私もよ、公介」
「よし、それじゃあゲームしようか」
「何するの?」
「エンディング間近のゲームがあるんだけど、舞にも見せたいんだ」
舞は仕事で忙しいので、俺が一人でプレイしていたロールプレイングゲームが、あとはラスボスを倒すのみとなっていた。
「ああ、そのゲームも気になっていたのよね」
俺はここまでのストーリーを舞に説明する。
「ふむふむ、ストーリーもおもしろいわね」
「というわけで、今からラスボスだ!」
舞が見守るなか、ラスボスを倒した。
「よし、エンディングだ」
感動的なエンディングに、俺は涙を流す。
「うう……」
「公介、感動したのね」
舞が俺の涙を拭いてくれる。
「ありがとう、舞」
「私も最初からプレイしてたら泣いてたと思うわ。いいゲームね」
「よし、じゃあ次は一緒にやれるゲームをしようか」
「いいえ、今日はもうゲームはいいわ」
「ん? 何で?」
「公介の泣いてる顔見たら、なんか私も切なくなっちゃったから。今すぐ公介のこと可愛がってあげたいわ」
「そ、そうか……じゃあ、お願いしてもいいかな?」
「ええ、ほら、おいで、公介」
「舞〜!」
人気急上昇中の新人アイドルに、可愛がってもらった……。