第100話 赤ちゃん
夜。
俺はリビングのソファーで、舞とイチャイチャしていた。
「公介、今日は赤ちゃんになってみない?」
「赤ちゃん?」
「そう、私は公介のママになるから」
「赤ちゃんプレイか……まあ、いいけど」
「ありがと。それじゃあ赤ちゃんになって、ママに甘えてちょうだい」
「オーケー、やってみますか!」
「マ、ママ〜」
いざ言ってみると恥ずかしいな。
「は〜い、ママですよ〜、公介ちゃん」
舞は楽しそうだ。
「ほら、抱っこしてあげるから、おいで、公介ちゃん」
「うん」
舞に抱っこしてもらう。
「よーしよし、いい子ですね、公介ちゃん」
舞がなでなでしてくれる。
「あう〜、ママ〜」
「うふふ、可愛いわ、私の公介ちゃん」
「ママ……大好き」
「ああ……公介ちゃん、ママも大好きよ!」
舞と赤ちゃんプレイを楽しんだ……。
「あう〜」
俺は床をハイハイする。
「あらあら、どうしたの? 遊びたくなったの?」
「ばぶ〜」
俺はゆっくり立ち上がる。
「まあっ! 公介ちゃん、立てるようになったの?」
俺はゆっくり歩く。
「すごいわ、公介ちゃん。さあ、おいで」
「ママ〜」
頑張って歩いた俺を、舞が抱きしめてくれる。
「偉いわ〜、公介ちゃん。いっぱいよしよししてあげるからね」
「えへへ」
今度は逆に舞を困らせてやろうと、泣き真似をする。
「ふえ〜ん」
「あらあら、どうしたの? お腹すいたの?」
「うえ〜ん」
「違うの? どうしようかしら……」
舞はまた俺を抱っこすると、自分の大ヒットソングをメドレーで歌ってくれた。
「ああ、舞……」
俺は思わず赤ちゃんであることを忘れて感動してしまった。
「ふふ、舞じゃなくて、ママでしょ」
「ごめんなさい、ママ。ねえママ、ぼく……」
「ん? どうしたの?」
「ぼく、ママのミルク、飲みたい」
「うふふ、いいわよ。ママのミルクいっぱい飲んで、大きくなりましょうね〜」
「ああ、舞、じゃなくて、ママ〜!」
ママになってくれた国民的アイドルに、お世話してもらった……。