耽美を求めて
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
寒い日の朝方の事である。私は何重にも衣類を着込み、古書街をブラブラと散歩をしていた。ギラギラとした喧騒の土地とはまた違う、肌によく馴染む古き茶色の空気。それを実際に肌で感じながら、大型書店に入り込んだ。
本当ならば、本当であるならば、爛れた夕陽の灯る街で、たこ焼きを貪る予定であったのだ。何なら昨日のうちに目星を付けていた。けれども何だかどうにも気が変わり、降り立ってしまったのが古書街だった。まぁ、人生において、目的が形を変えてしまうなんて事は良くある話である。
私は併設された喫茶店に一瞥をくれた後、文庫本を求めて二階へと上がった。そこは雑誌と理学書、それから美術書が立ち並ぶ本の森であった。天井にまで届く本棚から、背表紙が私の事を見下ろしている。
ふむ。初めて来る書店ではあるが、結構気に入った。何より照明が良い。目を刺すような白金の光ではなく、もっとぼかした光。目に優しい。思えば気に入りの本屋は何時も夕暮れから夜をテーマにした光を齎していたような。
私はそんな狭い路地を掻い潜りながら、またも古書街を散歩するように徘徊を行っていた。目的はない。ただ奇想で奇妙な出会いを求めて。そうして目線だけを走らせていると、ある一つの運命的な出会いをした。
耽美な画集。線が余りにも細かく描かれた画集。髪の一つ一つ、唇の柔らかさまで脳裏に刺激を与え続ける一冊。吸い寄せられる様に手を取ると、紙から漂う甘いインキの匂いに魅了させられた。興奮した気持を落ち着ける為、舌なめずりをする。
綺麗なもの、美しいものと出会うと、人間は甘い痺れに襲われる。女の細い指先で、背筋をつっとなぞられた様な快感。あぁ、此処に来て良かった。
私は立ち読みを決め込んで、パラパラと頁を捲り始めた。画集と言うだけあって、メインはその耽美で繊細な絵ばかりである。しかしそれだけに在らず。横に添えられた詩集がこの世界観を丁寧に表していた。
んん。素晴らしい。私はそっと背表紙を撫でると、そっと元あった場所にその本を戻した。耳を通じて流れ込んで来るのは、かの有名な幻想即興曲。今の気持を表すのに相応しい。
はてさて。素晴らしき世界観を見た事であるし、次回は仄暗い蜜を煮詰めた様な恋愛小説にしよう。恋をした乙女に、夜な夜な夜這いを掛ける吸血鬼の話がなんか如何かな?
主人公、最初は女性にしてました。
けども途中から中性的な男性に見えてきました。
多分、女性に見まごう程に中性的。(私が大好き)
好きになってしまったので、設定でも。
緑川胡蝶(名前決めました☆)
中性的な容姿の男性。
すれ違う人達からは女性と間違えられそう。
職業は多分作家。エログロナンセンス。でも耽美。
そんなものを沢山書いてそう。
古書街放浪してたら、江戸川乱歩の白昼夢が読みたくなって、本屋に立ち寄った。
(名前出して大丈夫でしょうか……。ヤンデレ好きには刺さります。私にはぶっ刺さりです)
でもあまりにも綺麗な画集に浮気した。
気が多いタイプだと思う。でも口説く時はきちんと話しそう。
「貴方を抱き締めながら、他の女性を考えてしまう人だよ?」
って事をとんでもない笑顔で言いそう。
人外であってくれ……!!
使い回しそうな程好きです。