核兵器を使用しなくてもロシアが優位になるシナリオ (常識は非常識だと国が考える非道蛮行の予測)
核兵器を使用しなくてもロシアが優位になるシナリオ
(常識は非常識だと国が考える非道蛮行の予測)
1 専門家と言われる方々のタブー
今年二月にウクライナ侵攻が起こってから、地球規模の危機が迫っている。そういう視点はロシアの民族性を知らない日本人には理解できないことです。しかし、日本のロシア研究の専門家はだれもこのことを公にしないのは、ロシアと関りがあるからで、面と向かって批判できないからです。ところが、この戦争でロシアが注目され出すと、あと出しジャンケンのように問題の国民性の説明を余儀なくされています。
日本にとっては二つの利点がありましたが、先ずその話から・・・
➀ 近くても関係性は北方領土問題とエネルギー開発、漁業協定だけである。
つまり、ウクライナのように同じ地域の住人同士の複雑な民族問題が無い。さらに、戦後処理は日本の不利益に対して要求されている。仮に、北方四島とサハリンを日本に返還するということが具体化すると、地元は大歓迎です。しかし、クレムリンは他の地域での同様の動きを封じ込めようと圧力をかける。なぜなら、その地の主権は当面自治区となって、日本の一部として法律が適用され、経済発展と民主化が急速に進むモデル地域となるからである。
② ヨーロッパの様に陸続きではない。
エネルギーや製造業、農水産業の依存度はヨーロッパほどではない。そして、軍事的脅威も今のところは少ない。おそらく生活権を保障し、自治のための軍備や警察権を地元の人が担うことを前提に、平和的に住民投票を行うとなれば、北方領土の住民は日本の一部となることを望むのではないかと思われる。
次に、まったく日本と国民性が異なることを専門家や政治家がハッキリと言わないので、この場を借りて紹介します。
①もしかしたらアメリカ以上に人種差別が強烈な国
全人口の8割のロシア人(スラブ系)に2割180の少数民族。過去の支配や侵略統治の歴史観は継続している。ロシア人以外は、下級民族と見られ未だに様々な差別を受け、一つの国家にありながら教育や貧富の差が激しい。
②ロシア人の中での差別
出身地、居住地、血筋、経済力、縁故などで差別を受けるのが当たり前の国。
③法治より権力統治に依存する国民性
法律はときの権力によって破られ、その横暴に加担すれば富を得る。逆らえば財産没収、強制収容、へき地抑留・暗殺など、闇社会が諜報局を頂点に今でも存在する。裏金や賄賂は公然の周知。一割の権力者たちに従わないと誰も自分を守ってくれないと刷り込まれた九割の国民である。
2 裏社会の中堅幹部の意見
もし、戦争に負けて普通に民主化が進んだ場合の三つのジレンマが、クリミア併合のときに言われていたのを思い出しました。これは、クリミアに事前に送り込まれた裏社会の人間が錦糸町で飲みながら言っていたことです。
①上役の罪がバレないように口封じされるのではないかという不安
②過去の自分の不正が暴かれてその罪が問われ、家族もろとも殺される不安
③身の安全が約束されても周りから差別や嫌がらせを受ける心配
彼の意見は、
このジレンマがあるから、おれや他の仲間もプーチンには逆らえない。それが今のロシアだし旧ソ連からのやり方で、西側みたいに自由が手に入っても誰かが権力の座に座れば同じことを繰り返す。どうすれば自由で平和な生活が普通におくれるか、誰も教えられていない。人をまともに信じればバカを見ると殆どのロシア人は思っている。
● 日常に戻って
朝の通勤時間帯。ちょうど通勤快速が遅れ、各駅停車の私はホームに停車中の電車の中で接続を待っていました。快速は車内急病人の発生で遅れていて、ホームの駅係員(助役)が事情を説明し、発車予定時刻の遅れを謝っていました。その後、快速が先に出発して、その後に私たちの電車が出発すると、また、女性の車掌が車内放送で謝りました。
だいたい、なにか些細な変化を感じると脳裏に映像が浮き出るので、そのイメージを書き留めることが私の日課になっています。
私は、職場の駅まで携帯電話でボイスドラマの台詞を打ち込むつもりでしたが、そのイメージを途中から邪魔する映像が浮んだので、なんの意識もせずに書き留めることにしました。それが、冒頭の1と2の二つの事です。
それから約8分遅れの電車が次の駅に止まり、わたしたち乗客は、何事も無かったかのように出発しました。これが世界一の鉄道の日常です。でも、この日常は日本の国民性だから実現に出来ているのであって、自分が直接原因を撒き散らしても謝らない文化の国ではあり得ません。
わたしは、ふと気づきました。日本人の穏やかで几帳面な国民性は、海外からどのように思われているのだろうと。わたしは特定の思想や宗教に興味を抱くものではありませんが、もしかしたら日本という独自の文化や思想を常としている国民性は、独特の思想や価値観で他の国を見ているのではないかと思いました。これって、みんなが気になっているのか!?
ウクライナへのロシア侵攻があってからというもの、ようやくロシア連邦という国の情勢がマスコミ等で取り上げられるようになりました。中国もロシアも隣国ですが、多くの日本人が何故かロシアをあまり意識していなかったと思います。特に、マスコミがあまり知らない国でもあります。しかし、まだ知られざるロシアはその一角を顕にしただけです。彼らが過去に行ってきた数々の非違は、ロシアの数奇な国の成り立ちが分かると、幾度となく血を流した国民性が理解できるようになります。或いは過去の日本との関わりが明らかになるにつれ、どうして今まで隣国ロシアを知ろうとしなかったのか、それがよく解ります。
わたしがまだ30代前半に、自治省(現総務省)に派遣されていたとき、外務省とロシアの関係を耳にしました。当時は未だソ連と言っていたころです。
当時、中国には田中角栄総理が出向いて日中の友好関係を構築されましたが、当時のソ連では田中総理のことを、あんな学歴も低く見た目もヒットラーみたいなチョビ髭親父を、国交正常化に来させても誰も相手にするわけがないと噂が流れたということです。その噂は、日本に対して逆の意図でもあり、日本が跪けば話を聞かないわけではないと言う情報戦でした。
では、もし当時、ソ連と中国のどちらを選ぶのかと考えて、断られるのを承知でソ連にお伺いを立ててから、ソ連に断られたので中国に期待したと言っても、中国は田中角栄を受け入れたのではないかと思ったのです。なによりも、中国残留孤児の問題はショッキングでしたが、あの発端は旧ソ連が満州に攻め込んで蛮行を繰り返したことで発生したものです。
その後、ソ連は武器開発とその売り込みを加速させ、アフガン侵攻に失敗し崩壊していくこととなりました。そして、よどんだ政権移行によって、元KGBの基盤層が国を支配する今に続く独特の国家として経済発展が遅れ、周辺国をふたたび力で押さえ付けようとするのです。
一方中国は、共産党を中心に華々しい経済発展を遂げたのでした。この歴史的ターニングポイントがロシアと中国の歴史の違いと国民性であることは確かであると思っていました。中国は歴史的に内政に問題を抱え、内から滅びる国であり、一方のロシアは隣国を敵に回し、その非道蛮行が国内外に知れ渡ると独裁統治が崩れ、それに合わせて諸外国が潰しに掛かるという歴史です。
話は変わり、ちょうどペレストロイカの時期に、わたしの郷里の新潟にソ連のハバロフスクとの定期便があり、友人がロシア人の女性をお嫁にもらったなどという話がありました。お祝いの話が盛り上がり直接話を聞くと、急に彼がロシアに行って来たという情報が耳に入りました。結果的に彼は結婚式をロシアで挙げ、花嫁を無事に日本に連れて帰ることができたのでしたが、結果的にかかった費用は当時のお金で5百万円だと聞いて驚きました。その半分が現地のご両親に、そして残りが結婚斡旋ブローカに渡ったのではないかと聞きましたが、彼は『ロシア人は小さな嘘はつかないが、大きな嘘は平気でつくし、百回の嘘は真実に変わる』と言っていました。
●核使用のイメージが二つ浮びました
一つは、国籍不明の飛翔体が海底から打ち上げられ、ロシア国内を飛行して迎撃されて核弾頭が見付かった。そのため、ロシアがウクライナに核ミサイルの発射を決定したと声明を発表する。
もう一つは、ウクライナの原子力発電所がメルトダウンを起こし爆発炎上するが、原因は不明。その間に国籍不明のドローンが首都キエフに核廃棄物を飛散させる。
ロシアは、ウクライナからの避難を呼びかけ、軍も併せて撤退する。
結果として、多くのウクライナ住民は国境を越えてロシアに避難し、ロシアは人道的にこれを受け入れるとして人質化を図る。その段階で、停戦交渉が開始されロシア有利に占領地が決定する。
ウクライナは首都キエフの機能を失い、多くの住民がロシアに避難したことで停戦に応じざるを得ない。被ばく地域はチェルノブイリと同じようにウクライナが莫大な費用をかけて除染対策を講じなければならなくなる。
●諜報活動
核の使用でなければ、通常兵器と同じように発射は軍の指揮権で可能であり、西側に計画がバレる危険性は少ない。潜水艦からのミサイルを国内でロシアが迎撃してから核搭載を仕込んでもバレることは無い。
メルトダウンは冷却装置を不能にすれば容易に行える。先ず、電源、水源、制御システムのどれかを機能停止させれば、10時間程度で爆発が起こり放射能漏れが発生する。この時点で住民避難と軍の避難を呼びかければ、大混乱に陥る。
核の脅威をゼレンスキーが痛感したところで、キエフにドローンによる核汚染の恐怖を与え、ロシア諜報員が核のゴミをあちこちに持ち込み拡散させる。
※これが、核兵器を実際に使わなくてもロシアが優位になるシナリオだとイメージされました。そして、その根拠となるのが現在の東部四州とクリミアの実態です。
●当事者の本音の話
ウクライナ東部四州と、クリミア半島のロシア系住民の実態は2割に満たないのです。ロシア軍や親ロ武装勢力に支配され、諜報局に監視された状態でロシア語が話せる住民をロシア系住民だとすると、その数が役4割に増える。さらにロシア統治に反対する者は財産没収や抑留となると言われると、全体の6割がロシア系だと認め、他の4割は命が助かればどこの国に統治されてもいいと言うのです。
この実態がバレないようにするためには、なるべく住んでいた住民が減った方がロシアにとっては都合がいいので、早期にロシア人を入植させてロシア化を進めようとしているのです。今年9月下旬の住民投票の結果を正当化できるようになるまでは、おそらくロシアは再び住民投票を行わせないでしょう。やれば、その結果は明らかであり圧力によって住民の意思が捻じ曲げられたという、致命的な実態が露呈するからです。。
もし、何らかの原因で放射能汚染がこの地域(東部四州とクリミア)に拡散していると言う情報が広まったとして、ロシアは人道的にウクライナ人も含めてロシア国内への避難を認め、避難民に手厚い支援を行うでしょう。そして、その避難民は人質となります。そして、住民投票は当面できなくなる。また、この地域からウクライナに避難しようとした人たちには自国からの不法脱国とスパイ容疑で射殺するとなれば、ロシアに避難するしかないと考えたのです。
最近トーンダウンした汚い爆弾とは、使った側の理念が正当化されることはありません。そのことを分からなかった者が、プーチンに吹き込んだ作戦だと考えられます。こんな汚い手を使ったことが明るみに出れば、歴史的にロシアが汚名を着せられ、巻き添えとなった自国民や親ロ勢力からも非難される。そもそも、東部四州とクリミアの住民はロシア国民と言い切っておきながら、ウクライナがこの地域で汚い爆弾を使う計画があると言ってしまった。これに対して、国連のグテーレスからすみやかに停戦を行い、この地域の核の脅威を排除してから仕切り直して、国連監視の下で住民投票を行うべきだと切り返されのが実態のようです。
グテーレスはこうも提案しています。この地域を非武装化して復興を進め、元の住民を帰還させてから国連監視の下で住民投票を行って、どちらの国に属すかを決める。その際に少数勢力の安全を維持するためにロシア国内法の適正な運用に基づき、公平で透明性のある選挙も行えばいいと皮肉ったのです。何故なら、ロシアの国内法は民主主義を謳っていますが、裏社会によってまともに守られていない実態があるからである。
●最終のシナリオ
歴史的独裁者は、捕まって裁判を受けることは無い。自殺か暗殺によって命を落としています。ロシアの場合、どこかの時点で連邦分裂により首都モスクワやサンプトペテルブルクなどの主要都市が機能不全になると、国として統治できなくなるのです。簡単に言うと、権力と政治経済などの中枢機能を大都市に集約し過ぎたため、仮にここに汚い爆弾を落とされるとウクライナ侵攻どころの話ではなくなると言うことが分り始めて、プーチンが予防線を張ったのです。ということは、ロシアは汚い爆弾を使うか、それと同等の攻撃を仕掛ける計画が進んでいたと言う見方ができる。それが、先ほどの東部四州とクリミアの話です。
ロシアの分裂は、軍の統制機能が維持できなくなる酷寒の冬に仕組まれる可能性が高いと考えられます。北方や極東などの地方部隊は、食料や弾薬が尽きて無駄な戦死を回避するために各隊が徐々に帰還するというシナリオです。おそらく、ロシア軍内部でも補給や備蓄施設の情報をウクライナサイドに提供して攻撃対象にさせておいて、戦闘継続不能をクレムリンに伝え撤退を求めると言う流れになると考えられます。
今年2月から行われている特別軍事作戦は、すでに国連の平和監視の条件が示されていれば、加盟国であり常任理事国でもあるロシアが、これ以上作戦を継続する必要が無いという理屈で、地方部隊の再投入は行われません。
そして、プーチン政権の去就ですが、ロシア諜報局は主要都市に基幹組織があり、ここを封じ込めた地方の軍が一時的に軍事政権を樹立しながら、国連や西側と連携して民主化を進めると言う流れが考えられます。この時点で、極東自治政権がロシアからの独立を宣言し、環太平洋経済圏の仲間に加われば、極東の平和維持も急速に推進することが見込まれるのです。その際、中国が味方に付いて中国主導の経済圏を作りたがることを織り込み済みで、平和のための経済活動を推進すると言う考えに帰着いたしました。
2020.10.22
文責:Kazu.Nagasawa