表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

8/38

8話 ソロダンジョン

 僕は朝起きたら身体の状態を確認した。

 レベルアップの影響で全身が痛かったので心配になったためだ。

 特に目立った変化が見つからないので昨日出来なかった引越しの荷解きをし始めた。

 荷解きを終えた僕は今日もダンジョンへと潜るべく冒険者ギルドに向かった。


 クランルームに入るとまだマヤさんは寝ていた。ソファーの上でブランケットに包まって寝ているようだ。

 起こさないように静かに装備を出していると気配に気づいたのかマヤさんは声を掛けてきた。


「ん? おはよう... 朝早いね。橘くん... 」

「おはようございます。もう9時ですよ。起きなきゃダメですよ」


 ブランケットに包まったままマヤさんは動こうとしない。


「もう少し寝ておくよー...」

「ニイさんとぼんちゃんて今日来るんですかね?マヤさんは知ってます?」

「んぁ?... ニィニィは今日は来ないねー...

 ぼんちゃんは確か今日明日はバイトのシフトだから来ないと思うよー...

 コンビニでバイトしてるんだよ...」


 マヤさんは寝ぼけているのかそのまま反応が無くなってしまった。

 今日は誰も来ないのか。仕方ないパーティの募集でも見てみるかな。

 クランルームを静かに出ようとした時マヤさんはブランケットから片手を出してプラプラさせていた。

 手をプラプラしているマヤさんも可愛いな。朝はなるべくクランルームに来るようにしよう。

 


ーーーー



 「火竜討伐前衛@1募集です!」「王宮探索、盗賊@1募集です!」と言った募集の呼びかけで溢れ冒険者ギルドのクエスト掲示板の前の広間は喧騒に包まれていた。

 クエスト掲示板、これは冒険者ギルドが依頼者から受けた依頼(クエスト)を集めて貼っている掲示板であり、そこには討伐して欲しいモンスターや欲しいものなどが記されている。それを見て討伐したり納品するものを探してきたりする。

 これらは冒険者ギルドが設ける常設の依頼(クエスト)よりも報酬や加算されるクランポイントが良いのでよく選ばれていた、特定の個人に依頼するものもあるがそういうのはもっと級が上の立場での話なので僕には早いことだ。

 

 どれどれ、何かいいものはあるかなと人波をかけ分けて掲示板を覗いてみるもどうやら僕の等級(ランク)では大ネズミの肉や大ニワトリの肉の納品ぐらいしか出来そうなものがなかった。大ネズミの肉の納品で一体1000円か。それに対して大ニワトリの肉の納品が一羽3000円である。こういった低等級(ランク)の依頼は常駐依頼として置かれており受注しなくても肉を持っていけばいつでも納品として受け取ってくれる。これは事務手続きで一々低等級(ランク)の相手をしてられないということなのだろう。パーティは高ランクの募集ばかりなので待ってても出会えそうになさそうだと判断してソロでダンジョンに行く事にした。



ーーーー



 ダンジョン探索の申請を出し何点か書き方の指摘を受けそれを出し直したら許可が貰えた。

 冒険者ギルドに隣接しているダンジョンの入り口へと向かう。

 

 入り口には武装した職員が3人いて先程貰った許可証をそのうちの1人に見せると頑張れよと言われ中に入れてもらえた。頑張ろう。



 ダンジョンの中は薄暗く壁に光る苔があって僅かに先を目視できる程度の明るさしかなかった。レベルが上がるとこの暗さでも昼間の太陽の下のように見えるようになり、周囲何十m先にいるモンスターの気配も気付けるようになるらしい。前回4人で来た時はもう少し明るかったような気がしたが、ニィさん曰く明るさの違いは光る苔の近くを通るモンスターや冒険者が纏う魔素に反応しているため人数が多いと光る苔の光量が上がるそうだ。その光る苔の光量の変化で何かが現れたことが分かり、斥候職が素早く敵を判定し戦闘開始となる。

 ソロであれば光る苔の光量も少なくなるのでこちらに気づくモンスターが減ることにより、必然的にソロの冒険者は少数のモンスターとの戦闘になりがちであった。といっても大勢に囲まれることもあるのだが。

 とにかく人間離れしないとダンジョンでは生きられないようだ。


 何はともあれレベルアップして行くしかないか。僕が人間離れになるにはどれぐらいかかるんだろうか。


 通路の先で影が動いた。

 

 通路に何かが現れた。


 見えない為徐々に間合いを詰めていく。


 ジリジリ


 大ネズミ一体だ!


 僕は大ネズミの判定に成功した。

 僕はひとまず安心して盾と棍棒を構え戦闘態勢を取る。

 同じく僕に気づいた大ネズミが突進してきた。

 左手の盾で突進を受け、僕は<脳天割り>を放った。


 クリティカルだ!


 わずか数秒で戦闘は終わった。

 ひどく緊張したが緒戦でこれは上々だろう。


 今回は大ネズミの肉の納品を目指しているので大ネズミを背負い鞄の横にくくりつけた。

 血抜きをした方が良いとニィさんから教わっていたがそもそも刃物を持っていないのと背負える量が頑張っても2体なので大ネズミをあと1体倒したら品質は落ちるがそのまま冒険者ギルドに持ち込もうと考えていた。




ーーーー




 その後大ネズミと遭遇し撃破し、冒険者ギルドとダンジョンを1往復した。

 時刻が3時になり今日の探索を終了する事にした。


 査定するから待つように言われたので僕は食堂で遅めの昼食を取って時間を潰してから換金所に行き報酬を受け取った。本日の成果は大ネズミの肉3個納品したので3000円だった。

 なかなか大ネズミと遭遇しなかったのだ。遭遇できても複数でいたり大ニワトリと一緒だったり、他の冒険者が戦っていたり、となかなか思うようにいかなかった。魔法鞄(マジックバック)も<収納空間(アイテムボックス)>のスキルもない為所持量制限もキツかった。しかも刃物も持ってきていないので魔石も取り出せずそのままの納品となってしまったのも痛かった。魔石が取り出せていれば魔石分だけ手取りが増えていたのに。

 昨日は複数でも戦えたし、他の冒険者は僕達のパーティを見たら何故かどこかへ行ってくれてたからモンスターの遭遇率が良かった。


 ソロでダンジョン潜るのは厳しいかもしれないな。


 僕は明日からの探索をどうしようかと悩んだ。

 クランは出席率が悪い。野良パーティはこんな低ランクではマッチングしない。


 僕は困り果てていた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ