6話 不純な動機(1)
休憩を終えた僕達は2階層へと進んだ。
ニイさんがスケルトンを見せたいというから見に行く事になった。
2階層ではスケルトン、つまり武装した人型の骨のモンスターが徘徊している。
1階層を進んでしまうと簡単に2階層に行けてしまうので気をつけるように言われた。
僕は大ネズミを楽に倒せるようになっていたので、2階層に行ってみようかと思っていたのを見透かされていたのかもしれない。
通路から何かが現れた。
スケルトンだ!
ニイさんとスケルトンと戦闘を開始した。
前もって2階層では戦闘に参加しないようにと僕達は言われていた。
「スケルトンはこのように単純な行動しかしてこない。
だから基本的な戦い方はスケルトンで学ぶと良いよ。
打ち込み、突き、払い、受け、返し切りの練習になる。
骨しかないから動きも見易いしね」
と言いながらニイさんは色々な斬り方を見せてくれた。
「鍔迫り合いの時は、相手が押し込んできたら左前方に進みながら返し切りをし右足のアキレス腱の場所を切る。
そうすると相手の体勢が崩れるのでそのまま下段にある刀を切り上げて首を刎ねる」
ニイさんは鍔迫り合いの状態から八双飛びをし飛んだ足が接地すると同時にスケルトンの右足に刀で切っていた。
右足がなくなったスケルトンはバランスを崩し頭の位置が低くなった。
それに、向かってニイさんは刀を切り上げた。
右足を砕かれたスケルトンの首が飛んだ。
奥から別のスケルトンが二体やってきた。
「じゃあ逆に相手が押し込んで来なかったらどうするか。
その場合はこちらが押し込んで相手の刀をかち上げる。
刀が上がれば胴が開くのでそのまま刀を滑らして腹下から脇腹へと水平に切り脇腹から脇に向かって切り上げる。
...スケルトンには意味ないけどね。腹から臓物が溢れ出てくるからそれで相手の身体は屈んでしまう。
それを今度は上から下に振り下ろして頭を刎ねよう。
首を刎ねるまでは生きていると思った方がいい」
ニイさんは一体のスケルトンの首を刎ねた。
「では最後に、相手が鍔迫り合いの状態から切り掛かってきたらどうするか」
僕に尋ねてきたが僕は分からなかった。
「よろしい。その場合はその場で相手が切り掛かってくるのに合わせて刀を反転させて差し込めばいい。
こんな風にね」
鍔迫り合いから一向に動かないニイさんに耐えかねてかスケルトンは返し切りを仕掛けてきた。
動き始めと同時にニイさんはその場で少し沈み込みその沈んだ分のスペースを生かして刀を反転させスケルトンが返し切りをし終える前にスケルトンの胸骨付近を刺していた。
刺されたスケルトンはそのまま上に切り上げられて胸から頭にかけて両断された。
「ま、こんな感じだねぇ。
1階層で棍棒でレベルを上げて息苦しくなくなったら2階層に行ってスケルトンに剣の稽古をつけてもらうのが最短かな」
説明し終えて満足したのかニイさんは帰ろうかといい1階層へと向かい出した。
その後ろを僕達はゼエゼエ言いながらついていった。
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冒険者ギルドに戻ってきた僕達は今日の成果の山分けをしていた。
「はい、今日は1人五千円だね」
換金から戻ってきたニイさんが僕達にお金を渡してきた。
大変な思いをしてこれだけなのか。
「一緒にダンジョンに潜ってみたけど感想はどうだったかな?
橘くんが良ければ是非ともクランに入って欲しいのだけど」
ニイさんは断られるかもしれないという思いもあるのかやや弱気な口調で語りかけてきた。
「えーまだ悩んでいるんですか?
一緒にクランやりましょうよー」
マヤさんが明るく誘ってきた。
マヤさんは今日見た限りじゃ冒険者の腕前はダメだけど、とにかく可愛いんだよなぁ。本当に可愛い。ダンジョンの中でも実は思っていた。クランに入ったらもっと仲良くなれたりしないだろうか。
腕前と可愛さで天秤にかけたら可愛さがプラスになる。
可愛いは正義ってやつだ。
「僕なんかで良ければクランに入れてください」
僕はニイさんのクランに入る事に決めた。可愛さに釣られたような感じだが気のせいだろう。
「本当かい!ありがとう。
こんなにすんなり決まるとは。
マヤを勧誘担当にした方がいいかもしれないな」
ハハハっとニイさんは嬉しそうに笑っていた。
僕の下心な気持ちが読まれているようでなんだか嫌だった。




