35話 楽しい食事
お久しぶりです。半年ぶりに投稿です。
食堂
僕たちは昼食を取る為、食堂にやって来た。
僕以外はラフな格好をしている。ワンピースというヒラヒラした服だったか、イチゴは赤色、セツナは薄い青色で、マヤさんはTシャツに短パンというスタイルだ。
券売機で食券を買い、空いている4人掛けのテーブル席を探した。
空いていた席を確保し、しばらく待っていると出来上がりのアナウンスが聞こえたので受け取りカウンターへ向かった。
僕が注文したものは、日替わりランチAセットだ。
今日はハンバーグのようだ。何の肉なのかは記載が無いので分からなかった。
各人がトレーを受け取り席に戻ってきた。
イチゴは唐揚げ定食、セツナはラーメン炒飯セット、マヤさんは麻婆丼を頼んでいた。
「いただきます」
僕は食事を食べ始める時の挨拶をした。孤児院ではもっと長い挨拶を教えられ、するように言われていたけれど、人前ではこの挨拶をするようにしていた。
それに対してイチゴは何も言わずガツガツと唐揚げを食べ始め、セツナはいただきますと言い、マヤさんは顔の前で十字を切り長い挨拶をしていた。
おや? と思い僕がマヤさんを見ているとイチゴが気づいたのかこちらを向いた。
「何?あんた、ボケッとして、さっさと食べなさいよ。
時は金なりよ。あれが珍しいの?」
唐揚げを頬張りながら話すイチゴはまるでハムスターのようだった。
「マヤさんって孤児院育ちなんですか?」
僕はイチゴを無視してマヤさんにそう尋ねていた。
あの長い挨拶は孤児院で習うものだったのでマヤさんは孤児院育ちなのかと思い至った。
「ええっと、その、私教会関係者なので、、」
マヤさんはどうも歯切れが悪い反応だ。
同じ孤児院育ちと出会えて僕は嬉しかったのだけど、どうやらマヤさんは違うらしい。
「教会関係者っていうか聖女候補でしょ。思いっきり中の人でしょ」
「あぅあんまりそれは言わないで貰えたら、、」
イチゴが何やら知っているようなので僕はイチゴを無言で見つめて続きを促した。
イチゴはジト目で無言を貫き見つめ返してくる。どうやら言う気は無いようだ。口はモグモグと動いている。
それでも僕は気になったのでしばらく見つめてみる。
無言の間が続きイチゴと見つめ合っていた僕の目の前にセツナが身を乗り出して遮って来た。
「二人の世界に入らないでください。知りたいのなら私が言います」
セツナがマヤさんの生い立ちを説明し出した。
マヤさんは教会の聖女候補生の一人だと言う。
聖女とは信仰を力に変え、巨悪を討ち、信者には奇跡を与える存在だと言う。
それでマヤさんは聖女選抜の為夜な夜な集会をしているそうだ。
信仰を集めることがそのまま力に直結するので集会というものは大事らしい。
どうも毎朝眠そうにしていたのは集会に参加していたからだった。
「それで逆転の発想で力があれば信仰も増えるのでは?とかいうふざけた考えで私のクランに加入申請してきたのよね。
まぁ縁がなかったから断ったんだけど」
イチゴが思い出しながら些細なことのように言う。加入申請して来た相手に言うのは結構気まずくないか?
「ええそれで困っていたらニィニィに誘われてクランに入ったんです。
あの時はとても困っていたのでとてもとても助かりました」
マヤさんはイチゴを見て当時を思い返していた。
しばらく沈黙が続く。
なんか気まずくないか?
時は金なりだ、さっさと昼食を終えてしまおう。
僕は慌ててガツガツと食べ出した。
マヤさんも僕が食べ始めるのを見て食べ始めた。
ーーーー
僕がそろそろ食べ終わりかけていた頃、イチゴは既に食べ終えて暇そうにしていた。
「あ、言い忘れる前に言っておくけど、私弁護士になるからしばらく休むわ」
イチゴは急にそんなことを言い出した。
弁護士? 僕は肉体年齢12歳の幼女を見て何言ってんだこいつ?という感想しか出てこなかった。ほんと何言ってんだ?
TIPS:【聖女】
魔を祓い奇跡を起こす。信仰を力に変換できる。信仰といっても相手を想う気持ちがあれば良いので友情パワーでも力に変換できる。
もっとも聖女選抜という友情破壊ゲーをしている聖女候補生たちにとっては無縁な話ではあるが。
そういう事もありマヤは教会の寮から離れて冒険者もしてクランルームに寝泊まりしているのかもしれない。




