2話 冒険者登録をした話
僕は新規冒険者登録と掲げられたカウンターの前についた。
カウンターには40代過ぎの女性職員がいて僕が冒険者の登録をしたいと告げるとカウンターの奥の棚からいくつかの書類を出してきた。
「こちらの書類に必要事項をお書きください。ペンはこちらです」
どうも、と会釈し書類とペンを受け取りカウンターから離れて記入用であろう机に向かい書類を埋めていった。
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新しい家の住所を覚えていなかったりと悪戦苦闘しつつも書類をなんとか埋めて再びカウンターへと行き同じ職員に書類を提出した。引っ越したばかりでうろ覚えに書いてしまったので住所が合ってないかもしれないけど大丈夫だろうか。注意されたら家に戻って住所を確認しに行かないといけないという最悪な事態を想像していたけど、その職員は書類を一瞥し文字が埋まっているのを確認したのみで特に注意をしてくることはないようだ。良かった。
僕からでも見て分かるやる気のなさそうな職員の説明が始まった。
冒険者ギルドの規則からギルド施設の説明、売店の説明や冒険者の等級の話、クランの話などを淡々と話している。話しているというか言葉を発しているというか僕に教えようという気持ちなんて微塵もなくて機械的に決められたフレーズを繰り返している。まるでロボットのようだ。
ロボットはダンジョン化が起こる前からいたらしいけどダンジョンが起こってからはダンジョン攻略の目的で研究が進んでいる。僕はそんなロボットを実際に見たことがないがいるらしい。冒険者をしていると出会えるかな?と思考がロボットにまつわるダンジョン技術の豆知識ネタに飛んでいると職員の説明が終わったようだった。
「以上で説明を終わります。先程の説明はお渡しする小冊子にも記載されていますのでご活用ください」
と、小冊子と胸ポケットに入る大きさの手帳と冒険者認識票、それらを入れるための「冒険者ギルド」とかっこよく?書かれたロゴが目立つ手提げカバンを貰った。手ぶらだったので有り難い。
会釈して、カウンターを離れつつ冒険者認識票を首からぶら下げて歩き出した。
これから、僕の冒険者としての生活が始まるのだ。
チェーンで首にぶら下がっている冒険者認識票がその証だ。冒険者の等級はアルファベットで表現されており。下の等級から順にG、F、E、D、C、B、A、Sと続く。
僕は当然1番下のG級だ。
等級を上げるには、モンスターを倒して素材の納品をするとポイントが貯まっていくのでそれが一定ラインまで達すると昇格試験を受けることが出来、それに合格すれば上がることが出来る。
等級が上がる恩恵の中で僕が一番気になっているものがあり、クランを設立することができるようになる点だ。
クランでは冒険者ギルド内のクランルームを借りることができる。クランルームは24時間使用することができるのでクランルームさえ手に入れればあの治安が悪いと噂される怖い安アパートから離れられるのではないかと考えていた。その他の利点にはダンジョン探索用の装備を毎回ダンジョンまで持っていくのは大変なので冒険者ギルド内に貸しロッカーが置かれており、それの代わりにクランルームに装備を置いておけるので、貸しロッカー代を考えてもクランは設立しておきたいのだった。ちなみに冒険者ギルドの建物の横がダンジョンの入り口になっている。
ダンジョンの数は多いので冒険者ギルドが併設していない場合もあるが大抵近くに建てられているらしい。行きしに見た素材を運んでいたトラックはそんなダンジョンからやって来てたのだろう。
クランが設立出来るのはE級以上からだ。よし、とりあえずはE級になることを目標にしよう。
貸しロッカー代が勿体無いからね。
と、まずは装備を見てみるかと思い売店に向かおうとしていると、男の人から声を掛けられた。
「こんにちは。今クランメンバーを募集中なんだけど、クランに興味ないかな?」
声を掛けられた方を見ると爽やかそうな冒険者の格好をした男が僕に声を掛けていた。




