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13話 殺人衝動小動物

 クランルームに戻ってきた。マヤさんはいないようだった。


「それにしても殺されなくて良かったね。ギルド内では理性を抑えているから無事だったけど、ダンジョン内で遭遇したら普通に殺されてたよ」


「え、そんなにヤバいんですか彼女」


「前に吸血スキルの使い手の話したじゃない、それがあの女、ストロベリーウィッチのリーダー雨宮イチゴさ。

 吸血スキルは血の狂気に取り込まれてギルド内で殺傷事件を起こして投獄されるのが大半だから理性を残して使いこなせてるのは稀だね。

 前に戦ってなんとかバフが乗り切る前に殺したけど万全の状態なら五分五分かな」


 さらりと怖いことを言うニィさんだったが、上位の冒険者はみんな蘇生チケットを持っているから殺してもチケットが尽きるまで復活してくるという。


 その後、リーダーのイチゴがニィニィ呼びさせられていることにキレた一部の冒険者を返り討ちにしてその冒険者らにもニィニィ呼びをさせているのを教えてくれた。


 ニィさんの目標は冒険者ギルド内全ての人間をニィニィ呼びさせることだと言う。

 全員にそんなことしようとするから嫌われるんじゃ?と思う僕だった。


「どういうわけか橘くんを殺すことを目標にしてしまったみたいだから気をつけてね。

 とにかく好戦的で容赦をしない性格だから雨宮イチゴと遭遇したらすぐ<帰還の巻物(スクロール)>を使って脱出するように。ギルド内にいれば殺してくることはないだろうから」


 僕は言葉を失って頷くことしか出来なかった。いきなり命の危険になるとは。その理由ってニィさんのせいで僕は巻き込まれただけじゃ?理不尽では?何とも言い難い気持ちになった。


 「他にも1階、2階をメインに初心者狩りをしてる冒険者も徘徊してるから勝てそうにないならその時にも使うようにね」


 ニィさんがさらっと恐ろしい情報を言う。


 「初心者狩りなんているんですか?」


 「そりゃいるさ。モンスター狩るより初心者狩った方が効率いいし。

 もし殺されたら誰に殺されたかどんな特徴だったか覚えておいてね。

 報復するから」


 僕が殺された時も蘇生してくれるんだろうか。

 もっとも報復されるのを理解してるからか初心者狩りも馬鹿ではなく僕がソロで潜ってても襲われなかったのだろうというのはニィさんの分析だった。


「まぁ雨宮イチゴに襲われない方法を考えておくよ」


 ニィさんは何やら思案していた。



ーーーー



 しばらくすると、マヤさんがクランルームに入ってきた。


「ただいまー。売店で鍛冶屋チケットの交換してきたよー」


 マヤさんを出迎えた。


「何が出たの?」


「えっとね、無属性のレイピアが出たよー」


 銀色に光るレイピアをマヤさんが取り出した。レイピアとは先端が鋭く尖った刺突用の片手剣だ。


「無属性か。やや当たりってとこだね。何か属性がついてれば良かったんだけど」


 ニィさんはマヤさんのレイピアを眺めながら感想を述べた。


「あのすみません。鍛冶屋チケットってなんですか?」


2人で盛り上がっているところ申し訳ないが鍛冶屋チケットなるものが初耳だった。

新規登録の時に説明があっただろうか。僕は思わず談笑の邪魔をし質問してしまった。


「鍛冶屋チケットはクランポイントの報酬で貰えるチケットで、そのチケットを売店に渡すと鍛冶屋が作った武器をどれか貰えるんだ。

 貰える武器はこちらじゃ選べないから完全な運だね。

 冒険者ギルドが鍛冶屋の売れ残りの在庫を体よく処分するためにやってることだね」


「じゃあ僕も武器貰えるんですか?」


「報酬来てるし貰えるよー」


とマヤさんがクランルームの中に置かれたダンボールをレイピアの先端で示しながら言った。


 半開きのダンボールを開けるといくつか封筒が入っており、その中から僕宛の封筒を見つけた。

 取り出して封筒の中を見てみると、明細書にクランポイントの達成報酬として10万円と鍛冶屋チケットを送ると書かれていた。明細書の裏に10万円とお札と同じサイズの鍛冶屋チケットが入っていた。


「じゃあ<帰還の巻物(スクロール)>を買いに売店に行こうか。

 橘くんは鍛冶屋チケットをすぐ使うの?」


「と言いますと?」


「鍛冶屋チケットで交換に出てくる武器はボックス毎にある程度決まってて1つのボックスを出し終えると次のボックスへと移っていくんだ。

 だからマヤさんが貰ってた無属性のレイピアよりもっと珍しい武器が欲しかったら、鍛冶屋チケットを貯めて一気に交換する方法もあるよ」


 確かに珍しくない武器を貰っても嬉しくはないが今僕が使っているのはただの棍棒なわけで、何が貰えても現状よりプラスではないだろうか、そう考えた僕は答えた。


「すぐ交換しますよ」


 僕達は売店へと向かった。



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