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超人種族の異世界英雄記  作者: 至田真一
激闘、光族VS滅光団
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二度目の受勲式

 王都が完全に修復した次の日。

 ガネンとクラカに大勲位を授与する授与式の為、俺達は城の一室で待機していた。


「面倒だな~。まさか授与式をまたやるとはな」

「確かに。今回は俺とクラカが貰うから、父さん達は別にいいかもしれないな」

「そうだね~。待ってるの退屈だし~」


 面倒くさがっている俺に、一応今回のメインであるガネンとクラカも乗り気ではない。他の皆も気怠そうに待っているし。

 しかも俺達の方は、前に魔王を倒した時に貰った大勲位を着けて来いって言われたから、わざわざ屋敷から持ってきて着けている。

 正直邪魔なんだよなぁ、これ。

 胸に着けている大勲位を見てそんなことを思っていると、ドアがノックされて城の兵士が入ってきた。


「失礼します。光の兄弟の皆さん。お時間ですので会場の方へお願いします」

「あいよ~」


 俺達は部屋を出て会場に向かった。


――――――――――――――――――――


 授与式の会場となっている玉座の間では、王都にいる貴族や冒険者、そしてセシュイン学園の教師と生徒達が集まり待っていた。


「あのマルナさん。やっぱり私達って場違いだと思うんですけど」

「大丈夫よ。ドラスナー王様が参加しても良いと言ってくれてたでしょ?」


 とても緊張した様子のセーユをマルナは落ち着かせようとする。

 城から用意されたタキシードやドレスでオシャレな着こなしになっている生徒達は皆緊張していた。

 授与式というのもあるが一番の理由は、部屋の奥にドラスナー王を含めた全ての王が座っているからだ。


「そういやぁ、あんたはホントに貰わなくて良かったのか?」


 マルナの隣にいるソルラが、近くにいるクカナに言った。


「私は戦ったわけじゃないし、勲章を貰うような事はしてないから」


 遠慮しがちにクカナが言うと、リューロン王国のラゴム騎士団長がマイクで声を放った。


『会場の皆様、お待たせいたしました。この度、このアスタラードを再び救った英雄、光の兄弟がご入場致します』


 玉座の間のドアが開くと、光の兄弟が入ってきて、会場の人達は拍手で出迎えた。

 気怠そうな表情の光の兄弟は王達の前に進み、王達の前に並んだ。

 普通なら跪くところだが、光の兄弟は立っていた。


「この度、アスタラードを再び救ってくれたそなた等に感謝の意と新たな英雄、ガネンとクラカに大勲位を授与する」


 立ち上がったドラスナー王が言うと、人間のオグラース王と、魚人族のデュレー女王が、代表でガネンとクラカの胸に大勲位を着けると、会場から拍手が鳴り響いた。

 ガネンとクラカは少し照れ臭そうだった。

 授与式が終わり、大広間のパーティー会場に移動して、そこで皆は豪勢な食事を楽しんだ。


「なんかこの大勲位って意外と重いね」

「無駄に装飾付けてるからな。俺も正直コレ邪魔で早く取りてぇのによぉ、パーティーが終わるまで取るなって言われてんだよ」


 俺は肉を食べながら言う。


「まぁこの世界の奴等なりの感謝だからな、受け取っておけ」

「そっか……」

「じゃあしょうがないね~」


 ガネンとクラカは料理を食べ始めた。

 しばらくパーティーを楽しんで、酒で酔いが回ってきた頃に、困り顔のガラートが俺達の所に来た。


「すみません。ちょっとセーユとシフールが大変なので助けて下さい」

「あぁ? 何がだ?」


 俺達はガラートについて行くと、テーブルに伏せているセーユがいた。


「何してんだお前?」

「うぐっ……うぅぅ……ふぇ~ん」

「……何でコイツはこんなに泣いてんだ?」

「ワインを飲んだら急にこんな状態になって『怖かったよ~』とか『死ぬかと思ったよ~』とか言い出しまして」


 泣き上戸かよ。


「生徒長の状態は分かった。副生徒長は?」


 ガラートが指差すと、その先にはシフールを押さえているクラスメイトがいた。


「アイツは何があった?」

「何度も服を脱ごうとしていたのでクラスの皆が押さえているんです」


 今度は脱ぎ癖かよ。


「水でも飲ませとけ。全く、ガキが酒なんか飲むからだ……んっ!?」


 俺は口を押えてパーティー会場から急いで出た。


「ガクラさん?」

「多分吐きに行った。父さんだってあんまり酒強くないのに結構飲むからガッ!!」


 ガネンの頭に飛んできた酒瓶が命中してガネンは吹き飛ばされた。


「ガネン!?」


 クラカが驚いて酒瓶が飛んできた方を見ると……。


「アハハハハハハハハ!!」


 酔っぱらっているアスレルが酒瓶を振り回して暴れていた。

 アスレルの足元にはエスティーにエグラルとノクラー。さらにユールやブラーク達数名の冒険者が倒れていた。


「あれが一番酷い例だね」

「確かに……」


――――――――――――――――――――


「ねぇガラート……。私達昨日のパーティー途中から記憶が無いんだけど……」

「何かあったんでしょうか……?」


 顔色が悪いセーユとシフールがガラートに訊ねると、ガラートは視線を逸らして答えた。


「多分知らない方が二人の為になると思う」


 二人は首を傾げる。


「皆さん集まっていますか?」


 翌日、宿の一階に集まった生徒達にジュリエが声を掛ける。


「全クラス集まっているようです」

「そうですか。ではこれより、オールブ島へ帰宅致します。ではガクラさん、一言お願いします」

「頭痛ぇ……」


 二日酔いの俺は立ち上がって生徒の方を見た。


「あ~予定より二日遅れになっちまったが……オールブ島に帰るぞ」

『はい!』


 こうして、色々あった合宿は終わり、俺達は帰路についた。

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