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超人種族の異世界英雄記  作者: 至田真一
激闘、光族VS滅光団
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怒りの怪物

 光の兄弟は、滅光団の本拠地に降り立った。


「ここがアイツ等の本拠地か」


 周りを見渡すと、沢山の建造物の様なものが建ってるが、人が住む建物には見えない。


「異世界人は少ないみたいだな。殆どは界獣と機械か。それより……」


 デイザーを探そうと気配を探っていると、後ろの方から感じた。


「後ろだ!」


 皆が振り向くと同時に奥から無数の光弾が飛んできて、皆は飛び退いて回避した。


「ふん。ここまで来たか」


 奥からデイザーが歩いてやって来ると、ファミリティは指差す。


「今度こそ……お前を倒す!」

「ほざけ! 二度と復活出来ない様にしてやる」


 デイザーが向かってくると、光の兄弟も立ち向かった。


――――――――――――――――――――


 吹き飛んだ城下町では、駆け付けたゼウロ達光族がヘルガノイド軍団と戦い、コロシアム前の広場では、冒険者と城の騎士が滅光団の異世界人と機械兵と戦っていた。

 コロシアムの入り口前では、数名の兵士と生徒がいた。

 その中にいるクカナは手を握り合わせていた。


「情けない」

「クカナさん?」


 クカナが呟いた一言にセーユが首を傾げる。


「光族の皆は戦っているのに、見ているだけの自分が情けない」


 クカナは戦う術を持たない自分を悔やんでいた。


「でもクカナさん、戦闘訓練とかしてないんですよね? なら仕方がないんじゃあ」

「それでも……皆の力になりたい」


 悔やむクカナはどうすればいいのか考えた。どうすれば皆の力になれるのか。


「力……そうだ」


 クカナはある事を思いつくと、本来の姿になった。

 周りにいた生徒達は驚くと、クカナは体から光の粒子を放ち、滅光団の本拠地に向かって飛ばすと、クカナは人間の姿に戻り崩れるように倒れると、セーユ達が受け止めた。


「クカナさん、大丈夫ですか!? 一体何を?」

「……私のエネルギーの殆どをガクラに向かって送ったの。少しでも、力になれるように」


 クカナは送った自分のエネルギーを見届けると、ガクラ達の勝利を願った。


――――――――――――――――――――


「うおらぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 エスティーは光を纏わせた双剣でデイザーを斬りつけると、光弾を撃とうとしたデイザーの手をアスレルが鞭で巻き付けて阻止し、その隙にメイトが剣で斬りつけ、続けてウルファーがツメで斬りつけた。

 デイザーは鞭を掴んでアスレルを投げ飛ばすと、アールが空から光弾を放ちデイザーに当て、アールに向かって電撃を放つと、アールは瞬間移動で避けた。

 続けてクレンが背後からブーメランでデイザーを切りつけると、デイザーの振り向き様にエンジェの弓での一撃が命中した。


「うあぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 デイザーは大声を上げると、クレンとエンジェに向かって大量の光弾を放つが、フォクサーが銃で全て撃ち落とすと、エグラルの拳とシュラルの飛び蹴りが当たり吹き飛ばした。

 よろめいた隙にファルクの手を広げて放った斬撃とノクラーの棍からの衝撃波、レイルの巨大な光のリングが命中した。

 デイザーはイラつき首を鳴らすと、ファミリティが光の拳で吹き飛ばし、胸の三つのクリスタルの内、外側の二つから光の球が出て左右の手で掴むと、ガネンとクラカの剣に変化してデイザーを斬りつけていき、真ん中のクリスタルから出た光の球がガクラの剣に変わり、剣からエレメントバーストを放ち、直撃したデイザーはよろめいた。


「うううう~。雑魚が……図に乗るなぁぁぁぁ!!」


 デイザーは角から電撃を大きく放ち、皆は吹き飛ばされてしまう。


「くそ。こんなに攻撃してもまだこんなに力が残ってんのか」


 ファミリティ(ガクラ)が拳を握りしめると、何処からか光の粒子が飛んできて、ファミリティの中に入っていく。


「これは……クカナ!?」


 光の粒子から感じた力。これはアスタラードにいるクカナのものだ。


「母さんが俺等に?」

「そうなんじゃないの?」

「クカナ……」


 ファミリティは立ち上がり、貰ったエネルギーで力が上がると、飛んでデイザーを掴み、遠くへ飛んで行った。


――――――――――――――――――――


 コロシアムの前の広場では、滅光団との戦いが続いていたが、終わりを迎えようとしていた。


「ふんッ!」


 ブレン人がユールに向けて剣を振り下ろすと、ユールは盾で受け流し、ブレン人が入っている人型の機械に雷の属性力を纏わせた剣を突き刺した。


「ギャァァァァァァァ!!」


 機械に電気が流れると、バチバチと火花が出て爆発した。


「ふぅー」


 ユールは息を吐くと、周囲を見渡して他に敵がいないか見た。


「今ユールが倒した奴で最後だぜ」


 剣を肩に乗せているソルラの言葉に、ユールはホッと息を吐いた。


「じゃあ後はヘルガノイドだね」

「ま、そっちも終わりそうだけどな」


――――――――――――――――――――


「こいつで……最後だ!!」


 ゼウロは頭のトサカでヘルガノイドを一刀両断すると、ヘルガノイドは倒れて爆発した。


「ここは片付いたか。アスタラードの連中も滅光団を倒したようだし、後はアイツ等が……ん?」


 ゼウロは気配を感じて遠くを見つめると、遠くの空で爆発が起きて、そこからファミリティとデイザーが飛び出した。

 二人は移動しながら空中で戦いを繰り広げていき、リューロン王国の王都の上空にまで来た。

 二人は距離を取ると、ファミリティは胸のクリスタルから赤、青、黄色の三色の光線を。デイザーは額の赤い結晶から赤い光線を放ち、お互いの光線がぶつかり大きな爆発が起こった。

 爆発の煙が晴れると、ファミリティは右手に、デイザーは左手に力を込めて向かって行くと、お互いの拳がぶつかり再び大きな爆発が起き、二人は地面に転がり落ちた。

 ファミリティの元に光族達が駆け寄る。


「大丈夫か? ファミリティよ」

「「「はい」」」


 三人の声で返事して頷くと、ファミリティは立ち上がりデイザーに顔を向けた。

 デイザーも顔を上げて光族に顔を向けると、デイザーの頭の中に、五千年前の光闇戦争で多数の光族が立ち向かってきた光景が浮かんだ。


「……本当にお前等を見ると、あの時の、あの日の事を思い出して……怒りが抑えきれねぇ!!」


 デイザーは光族に向かって叫ぶと、今度は上を向いて再び叫んだ。


「超魔石ィィィ!! もっと俺に、俺に力を寄こせ!!」


 すると、デイザーの角が黒く光り、デイザーの体も黒い光で包まれて行くと、体が膨れ上がっていき巨大化していった。

 口も開くようになり、鋭利な牙が生え、足も大きくなり三本指に変化し、更に尻尾まで生えてきた。

 巨大化するデイザーを、光族やアスタラードの住民は見上げていき、巨大化した光族の六倍程まで大きくなったデイザーの姿は、まるで怪獣の様な怪物になっていた。


「何だよあの姿。まるで怪物じゃねぇか」


 驚愕するソルラに、ブラークが口角を上げて口を開く。


「いや。怪物なんて表現すらかわいく思える。あれは……化け物だ」

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