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超人種族の異世界英雄記  作者: 至田真一
新たな日常
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転入初日の教室

「お疲れさまでした皆さん。ところで随分ギリギリに着きましたがどうしたんですか?」

「あ~実はな、家を出ようとしたときは余裕があったんだが……」


 俺は皆の方を振り向くと、続きをメイトが説明した。


「僕等がこの島に来てるのが広まってるみたいで、家の前に沢山の人がいたんだ」

「……それで遅れてしまったと?」


 俺達は頷いた。


「島の新聞記者までいたからな。相手にすると間違いなく遅れると思って裏口から出て遠回りして来たんだ」

「それは災難でしたね。……では皆さん。今日の予定をお伝えしますね」


 ジュリエは今日の予定を伝えた。


「今日は登校が再開のため授業は無く、先ほど行った朝礼と教室でこれからの予定などを伝えるだけとなっております」

「おい。授業ねぇーんじゃあ俺等何やんだよ」

「今日は生徒に紹介するのが主なメインなので、明日から冒険者コースの教官としてお願いします」


 ……これ実質依頼明日じゃねぇか?


「それでは皆さんは教員室へ、ガネンさんとクラカさんは伝えた教室へお願いします」


 そう言われて俺達は教員室。ガネンとクラカは教室に向かった。


――――――――――――――――――――


 集まる視線に、俺とクラカは少し緊張している。


「あー今日からこのクラスに転入することになった、ガネンとクラカだ。皆仲良くするように」


 魚人族の担任教師が紹介しているが、皆俺達に注目しているから聞いてるのかどうか分からない。


「二人の席は真ん中の一番後ろな」

「あっ、はい」

「はーい」


 俺とクラカは言われた席に移動した。

 移動している間も凄い視線を食らっている。


「それじゃあこれからの予定言うぞ。今日は授業が無く話が終わり次第解散。明日から本格的に授業が始まる。行事などは決まり次第伝える。それじゃあ解散」


 言い終えると、担任は教室を出た。


「はぁ……とうとう始まったな」

「そうだねー」


 俺達は肩の力を抜いていると。


「なあなあ」

「ん? うぉ!?」


 声を掛けられて振り向くと、そこにはクラスメイト達が集まっていて思わずビクッとした。


「二人も光族なんだよな。やっぱ強いの?」

「いや~強いかどうかは分かんないけど、光の兄弟の中では俺等は弱い方だけど……」

「光の兄弟って普段どんな風に生活してるの?」

「えっとー……」

「なぁなぁ光族って……」


 凄い質問攻めに全く答える暇がない。


「ねぇガネン。なんか廊下の方にも凄いいるんだけど」


 クラカに言われて廊下の方を見ると、クラカの言う通りすごい人数の生徒が俺達の方を見ている。

 これじゃああんま身動きが出来ない。そう思っていると。


「ちょっとそこ!!」


 突然の大声に生徒達は静かになった。


「そんなに集まったら迷惑でしょう!」


 声の主は二つ結びをした赤紫色の髪の魚人族の女子生徒だ。

 皆が静かになったおかげで、何とか席から移動できた。

 席から立った俺とクラカは、その女子生徒の所に向かった。


「いやー助かったよ」

「あのままじゃ席から動けなかったもん」

「大丈夫よ気にしないで。これぐらいじゃお礼にならないと思うけど」


 お礼って何のこと?


「ねぇガネン。そろそろ行こう」

「あぁそうだな。多分向こうも紹介だけだと思うし」


 話が聞こえてる女子生徒は首を傾げる。


「誰かの所に行くの?」

「あぁ、父さん達の所」


 俺がそう言うと周囲がざわつき始めた。


――――――――――――――――――――


「それでは改めまして、こちらが一年特別教師をしていただく光の兄弟です」

「うーっす」

「こちらが我がセシュイン学園の教員達です」

「よろしく頼む」

「皆さんはあちらの席をご利用下さい。それでは皆さん、明日からの準備をお願いします」

『はい』


 教員室で教員達への紹介を終え、ジュリエは教員室を出て教員達は仕事に取り掛かると、俺達は用意された席に座る。


「何で紹介だけでこんなに疲れんだ?」

「これから一年も通うんだ。そのせいじゃねぇのか?」


 なるほど。一年も通うからめんどくさいと思ってるからか。


「でも、学園長が僕等に依頼を頼んだ理由が分かった気がする」

「は? 何でだ?」


 メイトの言葉に俺は何でか聞いた。


「生徒の数に対して、教員の数が足りない気がするんだ」

「あ~、言われてみりゃあ」


 確かここの生徒は全員で五クラス合わせて百人ぐらいだったはずだ。

 対して教員は10人もいなかった気がする。


「教員の数が足りないからやってくれ……そう言う事か」

「だろうな」


 俺は立つと首を鳴らした。


「今日は俺達やることないし、帰るか」


 俺達は教員室を出て廊下に出ると、すぐそこでガネンとクラカが立っていた。


「おっ、どうしたお前ら?」

「いやーこっちも終わったから」

「だから待ってた」


 今日はやることねぇし、別に良いか。


「そうか……ところで、あの集団は何だ?」


 離れた所に生徒達が集まってジッとこっちを見ている。


「なんか父さん達に会いづらいと言うか話しかけづらいみたい」

「なんだよそりゃあ」


 俺達が魔王を倒したからって緊張してんのか?

 ……。


「おーい。そんな離れたとこにいねぇ―で、もっと近くに来ていいんだぞ!」


 俺がそう叫ぶと、生徒達は本当に良いのかと困惑している。

 すると一人の魚人族の女子生徒が意を決した顔で来た。

 少し遅れて人間の女子生徒も来た。


「えっと……こんに、ちは」

「そんなガチガチにならなくても。普通に話しかけていいんだぞ」

「いや……でも……」


 こんなに緊張されながら話しかけられるの初めてだな。

 話しかけてない後ろの奴はなんか視線そらしてるし。


(……気のせいかこの二人、なんか見たことある気がする)

「あれ? もしかしてこの間、チンピラに絡まれてた……」


 ガネンが何かに気付いて話しかけた。


「え? あっ、そう。そうです。あの時助けてもらった」

「あ~、あの時のか」


 なんか見たことあると思ったら、チンピラに絡まれてたあの二人か。


「あの時は本当にありがとうございました」


 魚人族の女子生徒は頭を下げると、続いて人間の女子生徒も頭を下げた。


「なーに、気にすんな」


 少し緊張が解けたっぽいな。

 他の生徒達も緊張が解けてきたのか少しづつ近づいてきた。


「まさか学園で会えるとは思いませんでした、ガクラさん……様?」

「様はやめろ。さん呼びで良い。ほら! お前等も遠慮せずに話しかけていいぞ」


 他の生徒達に手招きすると、生徒達は近づいてきた。

 その後、俺達は生徒達と色々と話をした。

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