表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
超人種族の異世界英雄記  作者: 至田真一
超闘祭 前編
66/244

超闘祭、一日目④

 俺は他の選手に目も向けないサンドホーンに追いかけられていた。


「おい運営、やっぱおかしいぞ!! コイツ俺しか攻撃してこねぇぞ!! 聞こえてんのか!? おーい!!」


 俺は呼びかけるが返事はない。っていうか聞こえてんのか?

 サンドホーンは前足で地面を掘ると、地面に潜った。


「あんにゃろ、また潜りやがった」


 サンドホーンの前足は土竜みてぇだから穴を掘るのが得意なんだよな。

 地面を掘り進んでいるサンドホーンは俺を追い抜くと、俺の周りを回り始めた。


「あぁぁぁぁぁぁぁ!! 何で俺ばっか狙うんだこの野郎!!」


 俺は大剣に土の属性力を纏わせると、地面に思いっきり叩きつけた。

 衝撃波が周囲に広がり、俺の周りを回っていたサンドホーンに命中すると、上半身が地面の中から出てきた。


「くらえ、この野郎!!」


 俺は再び土の属性力を纏わせて、サンドホーンの頭を叩きつけると、サンドホーンは地面に倒れた。


「はぁ~、しつけぇ奴だった。やっぱ運営なんか間違えただろ。……で、ゴールどっちだけ?」


 ヤバい。他の奴等も見当たらないし。どっちだゴール。


――――――――――――――――――――


 サンドホーンが現れてから数十分後。

 他の選手はゴールに向かって進み続けた。


「何でガクラだけ狙われてたんだ? ……まっ、お陰で一位になれたから良いか」


 ソルラは一位を維持したままゴールへ向かって走っていると、前方に異空間の穴が開いていた。


「あれは……ゴールか?」


 ソルラは穴に入ると、コロシアムの前に出てきた。


「ゴールはフィールドか」


 他の選手も出て来て、コロシアムに入って進んで行くと、フィールドが見えて来て、真ん中にゴールテープが見えた。


『おーっと! アルティメットのソルラがトップでフィールドに入ってきた。続けて続々と選手達が入ってきた! さぁ一体どうなる……おっ?』

「うおぉぉぉぉぉぉぉ!!」


 サンドホーンを倒し終えたガクラが砂漠の異空間を出て、凄い勢いで走ってきて、次々と選手を抜いて行く。


「邪魔ぁ!!」

「ぐあぁぁぁ!!」


 ガクラは前にいたウォーカを殴り飛ばすと、そのまま一位のソルラに向かって走っていった。


「うわっ、速ぇ!?」


 ソルラも走るスピードを上げるが、ガクラの方が速く距離を縮められてしまう。


「「うおぉぉぉぉぉぉぉ!!」」


 ガクラとソルラは手を伸ばして、ほぼ同時にゴールテープに跳びかかった。


『同時にゴールですね。マジックビジョンで確認してみましょう』


 大きなマジックビジョンが出て、そこにはガクラとソルラがゴールしようとしている瞬間がスローモーションで映されていた。

 ゴールの線に二人の指が近づき、先にゴールしたのは……。


『一位はソルラ、アルティメットだ! 二位はギリギリで惜しくも光の兄弟だ』


 他の選手も次々とゴールしていき、順位とポイントが決まった。

 一位 ソルラ  10ポイント

 二位 ガクラ  八ポイント

 三位 ルーフー 七ポイント

 四位 リフェア 五ポイント

 五位 グランタ 三ポイント

 六位 ヒビィ  二ポイント

 七位 ユキル  一ポイント

 八位 ウォーカ 〇ポイント

 一日目が終了し、最初の結果が決まった。

 一位 光の兄弟     16ポイント

 二位 アルティメット  13ポイント

 三位 ドラゴンナイトズ 12ポイント

 四位 チームソード   九ポイント

 五位 エテア      五ポイント

 五位 戦乙女      五ポイント

 七位 ゴールドスマイル 四ポイント

 八位 ファイヤーズ   一ポイント


『以上で、超闘祭初日を終了いたします。皆さん明日もお楽しみください』


――――――――――――――――――――


 超闘祭初日が終わって、俺達は宿に戻ってきた。


「ガクラ。お前、あそこは追い抜くところだろうが」

「うるせぇな。あのサンドホーンが俺だけ狙わなけりゃあ一位になってたんだよ。っつーか何で俺だけ狙われたんだよ?」

「多分ドラスナー王の仕業だと思うよ。大方、盛り上がるかもしれないとかだと思うよ」

「確かに……性格上やりそうだな」


 俺が頬杖を突いている近くで、見事砂漠の道で一位になったソルラはブラークに褒められていた。


「よくやったぜソルラ! ガハハハッ!」

「おぅサンキュー。痛でででで」


 ブラークはバンバンとソルラの背中を叩いている。


「点数は早いうちに稼がねぇとな。優勝は…難しそうだが、準優勝はしてぇもんな。賞金も結構あるし」

「でもお前等の場合賞金は山分けだろ? いいのか?」

「本音を言えば全部貰いてぇが、組んでる以上仕方ねぇさ」


 超闘祭では優勝すると三百万ゴルド、準優勝は百万ゴルド、三位は50万ゴルドがもらえる。冒険者からしたらとてもいい値段だ。


「そうね。でも私としてはガクラ達にも頑張ってもらいたいわ。早く借金返してもらいたいし」

「「え?」」


 マルナの言葉にガネンとクラカが目を丸くして俺達の方を見ると、俺達は目を逸らした。


「……おい。借金なんて聞いてねぇぞ」

「どゆこと?」


 二人の視線が痛い。


「……お前達は知らなくていい事だ」

「「ふざけんな!!」」

「ブフッ!!」


 二人の飛び蹴りが俺の顔に命中し、俺は吹き飛ばされた。


「なぁ。借金って何なんだ?」


 ガネンがマルナに聞くと、マルナは説明した。


「実はね、貴方達がこの世界に住み始める一月前に、ガクラ達はある商人の護衛依頼を受けていたの。途中で、二級の魔物が襲ってきて退治したんだけど、魔物を吹っ飛ばした時に荷物を潰しちゃったのよ。しかもそれが王族に届ける大事な荷物だったのよ」

「「……」」

「で、その被害費をウチから借りたのよ」


 マルナの家はこの世界で有数の貿易商。つまり金持ちだ。だから借りた。


「「ふざけんなアホ親父!!」」

「うるせぇ!! 俺だけに文句言うんじゃねぇクソガキ共!!」


 俺とガネンとクラカは取っ組み合いの喧嘩を始めたが、冒険者側は勿論、生徒の誰一人も気にかけなかった。


「賑やかな親子だね」

「ほっとけばいいのよ」


 ユールが微笑しながら言うと、アスレルが素っ気なく言ってグラスのジュースを飲んだ。

 すると、喧嘩してる三人の方から樽が飛んできてアスレルの後頭部に直撃した。


『あっ』

「「「え?」」」


 近くにいた者達はササッと離れると、アスレルは震えながらグラスを割った。

 しばらくして、アスレルは手をパンパンと叩きながら戻ってきた。

 その後ろでは、ガクラは壁に、ガネンは樽に埋もれていて、クラカは地面にうつぶせで倒れていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ