超闘祭、一日目①
『続きまして、今大会の説明となります。まず、内容の説明ですが、今日初日と明日の二日目は競技。三日目と四日目には一対一のバトル。そして一日休みを挿んだ最終日には五人全員参加の内容となります。次に競技についてですが、今大会では競技に魔物を導入致します』
その説明に観客は騒めきだす。
『魔物と言いましても、本物ではなく魔法で生み出した具現体。偽物なので観客の皆さんはご安心下さい。ただし導入する魔物は殆ど二級の魔物ですので、選手の皆さんは油断しないで下さい。そして最後に、競技やバトルに参加する選手ですが、去年、競技はチームで、バトルは運営が決めていましたが、今年は完全抽選制。私の所にある箱から一枚紙を引いてそこに書かれている人が参加となります。そして競技、バトルの結果でポイントを付けさせてもらい、最終的に一番ポイントが高いチームが優勝となります。今大会の説明は以上となります。これにて開会式を終わります。選手の皆さん、頑張ってください』
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『只今より、第二回超闘祭一日目、競技午前の部を始めます。午前の競技名は、<ナイトタウン>です。ルールは、それぞれのチーム代表一名が、異空間内にある夜の町を舞台に戦ってもらいます。相手にダメージを与えると一ポイント入ります。ダメージを受けた人はランダムで何処かに転移します。制限時間は一時間。競技中に手に入れたポイントがそのままチームのポイントになります。ちなみに、30分経過しますと魔物を一体導入します。魔物から攻撃を受けると転移されますが、倒してもポイントは入りませんし五分後に再び出現します。ちなみにどんな魔物かは教えられません。それでは、抽選を開始致します』
クランクは八つの箱から一枚ずつ紙を取り出して、選手の名前を上げていった。
ファイヤーズ ノバル
ゴールドスマイル レェーン
戦乙女 ヤラ
アルティメット マルナ
チームソード ユアーナ
エテア ヨルナ
ドラゴンナイトズ ログラス
『最後に、光の兄弟からは……アスレルだ』
歓声が上がると、選ばれた選手はフィールドの真ん中に集まり、他の選手は観覧席に移動した。
『これより、選手の皆さんを、宮廷魔導士の皆さんが舞台である異空間へ送ります』
集まった選手の元に、数名の宮廷魔導士が集まると、詠唱を唱え、選手達を異空間へと送った。
「うわ、暗っ」
舞台となる異空間に着いたアスレルは、光が街灯と月明かりしかない町に到着した。
『それでは、ナイトタウン……始め!』
ゴングが鳴ると、空に60:00と表示されて、一秒ずつ減っていく。
「じゃあ、ちゃっちゃとポイント手に入れますか」
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コロシアムのフィールドの上に競技の様子が映されているマジックビジョンが投影されており、他の選手や観客は見ていた。
「思ったより暗いですね」
「流石競技名がナイトタウン、夜の町だけあるわね」
映像越しでも暗さは伝わるため、シフールとセーユは少し見づらそうに見る。
「視界が悪い中、一体どんな戦いが繰り広げられるのでしょうか」
ジュリエは楽しみそうにしている。
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異空間内にある夜の町。
そこにランダムで転移された選手達は町を散策し、相手を探していた。
頭に青いバンダナを巻いたファイヤーズのノバルが、建物の角を曲がろうとすると素早く身を隠した。
何故ならその先には、相手を探しているアスレルがいたからだ。
(よし。俺に気付いてねぇな)
ノバルは短剣を手に持って角から飛び出すが、アスレルはその場にいなかった。
「あれ? いな、ぐぼぉっ!!?」
後ろに回り込んでいたアスレルの裏拳を食らったノバルは、建物の壁に顔をめり込まれて何処かに転移された。
「一ポイントゲットー」
アスレルはピースした。
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ログラスとヨルナの両者のツメがぶつかって金属音が響いた。
「流石ユールの仲間だけあるな」
「あんたもSSランクに上がっただけあんじゃん」
二人のツメがぶつかり合うと、ログラスは自分の竜装、黒竜のツメの力で闇属性の斬撃を放つ。
ヨルナはジャンプして避けると回転してその勢いでかかと落としをする。
ログラスはかかと落としをツメでガードして吹き飛ばす。
吹き飛ばされたヨルナは着地したと同時に地面を蹴って突っ込んだ。
ヨルナが間近まで迫りツメを振るうと、ログラスの姿がゆらっと揺らめいて攻撃が外れた。
「っ!?」
ヨルナが驚いていると、後ろからログラスに蹴り飛ばされた。
「うぐっ!」
ダメージを受けたヨルナは何処かに転移された。
「今のは少し危なかったな」
ログラスは黒竜のツメの素早さを上げる力で反撃に成功した。
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「あー、クソ。やられちゃったか」
転移されてしまったヨルナは街道で悔しがると。
「はぁぁぁっ!!」
「うおっと!?」
突然放たれたユアーナの突きをヨルナは受け流した。
二人は構えてジッと睨み合った。
すると、突然地面が凍り出して二人は滑ってバランスを崩す。
氷が伸びてきた方向から、靴底に刃を付けてスケートの様に滑ってきたマルナが魔法の氷の刃を放ってきた。
二人は踏ん張りながら何とか避ける。
「得意の氷のフィールドか」
「戦いにくいわね」
「やっぱそう簡単にいかないわよね」
マルナが加わり三人の戦いになる……と思ったその時、上から建物が飛んできて三人は飛び退くと、建物は地面に激突し氷が割れた。
「ありゃー、一人も当たらなかったか」
建物が激突した場所からアスレルが頭を掻きながら出てきた。
「今のアスレルかよ」
「ホントに滅茶苦茶ね」
「え~」
ヨルナとユアーナは額に汗が流れ、マルナは顔が青ざめる。




