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超人種族の異世界英雄記  作者: 至田真一
予選と五千年前
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予選②

 ガクラのチームは、スインのチームを追い抜くために走っていた。


「思ったより差をつけられたな。まだ姿が見えねぇ」

「アイツ等も力を付けてきたって事だろうな」

「去年の様な実力主義って感じになってないことを願うか」


 ガクラが懐かしむように言うと、目の前に分かれ道があった。


「これどっちだ、メイト?」


 メイトは顎に手を当てて考える。


「予選のコースとこのあたりの地図で考えると……右だね」


 ガクラ達は右に進んで走り続けた。


「なぁ。このあたりってこんなゴツゴツしてたか?」


 ガクラはやけに岩が多い道に不思議に思った。


「確かに、こんなに岩はなかったはずなんだけど」


 ガクラ達は大きな岩乗り越えていくと、その岩は突然振るいだした。それに合わせて周囲の岩も振るいだした。


「なぁ。これって……」


――――――――――――――――――――


 現在スインのチーム、【ドラゴンナイトズ】がトップを独走している。

 このチーム名は、スインのパーティーは全員竜装というドラゴンの力が秘められた装備を身に着けているからだ。


「まだガクラさん達見えねぇな」


 スインは少し後ろを見ながら言う。

 ドラゴンナイトズはスインとログラス。白いローブを身に纏った人間の少女。赤いコートを着たエルフの青年。黒い鎧を身に付けたドワーフと鬼人族のハーフ、土鬼族の男の五人がメンバーだ。

 あと一人、竜人族の女性がいるが、彼女は控えメンバーということで、宿から予選を見ていた。


「ガクラ達のことだ。すぐに追いついてくる」

「だな。今のうちに距離を開けねぇと」


 スイン前を見て走り続けると、後ろから何か声の様なものが聞こえて振り向くと、その先にはガクラ達が凄まじい勢いで走って向かってきた。


「げっ。もう来た」


 スインは少し焦ると、仲間のエルフの青年が目を細める。


「少し様子が変じゃないか? 追いかけているというより、追われている感じだ」

「何?」


 スインも目を細めてよく見ると、ガクラ達の後ろに体が岩で出来たトカゲの魔物、ロックリザードの群れが追いかけていた。


「何してんだあんた等ぁ!?」

「いやーまさかロックリザードの群れがいるとは思わなくてなぁ」

「「俺等を巻き込むなぁ!!」」


 スイン達も全力で走った。


――――――――――――――――――――


『おおっと、チーム光の兄弟とドラゴンナイトズがロックリザードの群れに追いかけられています。トップ争いがまさかの形に』


 司会者の言葉に、予選を見ている宿の皆は少しハラハラしている。


「なんか凄いことになってるな」


 ガネンは魔物の群れに追いかけられているガクラ達を見て言う。


「ロックリザードは三級の魔物だから大したことはないだろうけど、ロープが切れたらアウトの今の状況じゃあ戦うのは厳しいから逃げるしかないね」


 エンジェの解説に、ガネンとクラカ再び映像に目を向ける。


――――――――――――――――――――


「うおぉぉぉぉぉぉぉ!!」


 俺達はロックリザードの群れから必死に逃げていた。


「何で俺達まで巻き込むんだよ!?」

「うるせぇ! コース外に出るわけにもいかねぇだろ!」


 スインに文句を言われながらも俺達は走っている。

 このまま追いかけられ続けられると予選に集中出来ないが、戦ってロープが切れる恐れがあるから下手に戦えねぇ。

 どうしようかと考えていると、左側が崖になっている道に差し掛かった。


「あそこなら。おいお前等。ちょっとスイン達と距離が出来ちまうが良いか?」

「何とかするっつーんなら多少は構わねぇ」

「そうね」

「僕も同じ意見」

「同意」


 皆が賛成すると、俺達は立ち止まって、大剣に土の属性力を纏わせ地面に刺すと、ロックリザードの群れの足元の地面を盛りあがらせて崖に落とした。


「よし、急いで巻き返すぞ!」


――――――――――――――――――――


「おいおい。属性力であんなこと出来たっけか?」

「普通は出来ないな。だがガクラだぞ」

「確かに。ガクラさんだからな」


 スインの言葉に他のメンバーも頷いて納得した。


「やっぱり一筋縄じゃあ行かねぇよな、あの人等は」


――――――――――――――――――――


 ロックリザードの群れを撃退した俺達は再び走った。

 今はコースの三分の二ぐらいの場所だ。

 ゴールには近づいているが、まだスイン達とは距離がある。

 下手に攻撃するとこっちのロープが危ういしな。特に俺とエスティーのロープが。

 そんな中。メイトが何かを見つけて剣を抜いた。


「どうした?」

「もしかしたら、形勢逆転できるかもよ?」


 メイトは剣を振って斬撃を左前方へ向かって飛ばした。

 斬撃は崖に命中しそのまま落下すると、その先は丁度スイン達がいてぶつかりそうになる。


「うおっ!?」


 スイン達は気付くと、立ち止まってエルフの青年と人間の少女の魔法で崖を壊した。


「ガクラ。今のうちに属性力で足止めを」

「なるほどな」


 俺は大剣に氷の属性力を纏わせて地面に刺すと、スイン達の足元に氷が張った。


「何!?」


 流石のスイン達も氷に足を取られて滑り転ぶ。


「今だ!」


 俺達は走り出すと、一斉にジャンプしてスイン達の頭上を越えた。


「くそぉ……っ!」


 スインは上を見上げると、俺達が頭上を飛び越えたのが視界に入った。

 そして俺達はゴールに向かって走った。


「抜かれたな」

「ああ。早く体制を整えよう」


――――――――――――――――――――


 スイン達を抜かしてしばらく走ると、遠くにリューロン王国の王都が見えた。

 正門には、ゴールテープを持った二人の運営が待っていた。

 俺達はゴールテープに向かって全力で走り、そして。


『ゴール!! チーム光の兄弟。予選一位通過!!』


 俺達はゴールテープを切ると、その直後に俺とエスティーのロープがプチンと切れた。


「おおぉ。ロープ危なかったな」


 しばらくして、スイン達ドラゴンナイトズがゴールして予選二位通過した。


「あ~せめて予選では一位になりたかったなぁ」

「二位でもいい方だと思うぞ」


 その後もどんどんゴールして予選を通過したチームが出て来て、そして最後の八組目のチームがゴールした。


『予選終了! 明日からの本戦に参戦する八組のチームが決まりました! 参加選手の皆さん、頑張ってください!』

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