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超人種族の異世界英雄記  作者: 至田真一
予選と五千年前
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集まる冒険者達

 合宿当日。

 オールブ島の光の兄弟の家からリューロン王国の王都の宿まで、光の兄弟とセシュイン学園の教師が生徒を誘導している。


「本当に大きい宿ですね」


 集合場所の宿泊場所の宿に着いたセーユは宿を外から眺めていると、エスティーが声を掛ける。


「王都で一番デカい宿だからな」

「こんな宿に泊まらせてくれるなんて、ドラスナー王様って心が広いですね」

「そういう人だからな」


 その後しばらく時間を過ごし、集合時間の九時になると生徒の集まり状況を確認した。


「学園長。一組全員集まっています」

「はい。分かりました」


 セーユがジュリエに報告すると、今度はクカナが報告に来た。


「三組だけど、まだ二人来てないよ」

「おや? そうですか?」

「その二人ってもしかしてですけど……。さっきからあの人も見当たらないし」

「お前の想像通りだ。あのバカ三人は昨夜遅くまで特訓してたせいで寝坊だ」


 予想通りでセーユはため息を吐いて頭に手を当てる。


「あっ、来たよ」


 クカナが指差すと、その先にはあの三人が全速力でこっちに走ってきて滑り込んでようやく合流した。


「セーフッ!!」

「アウトです。もう集合時間五分過ぎてます」


 セーユの言葉にガクラはショックを受ける。


「全速力で来たんだから許せ」

「ダメです」

「ともかく、これで全員揃いましたね」


――――――――――――――――――――


 全員集合した後、生徒達は荷物を置くため、それぞれ部屋に向かった。

 超闘祭は、今日は予選で明日から本戦が始まる。

 一応超闘祭の間はオールブ島に帰れない様に転移魔方陣は使えない様にしている。そうしないと合宿にならないしな。


「去年出た奴等全員出ると良いな」

「ああ。確かに」


 エスティーの言葉に俺は賛成した。

 盛り上がるんなら去年の奴等全員出てほしい。


「おっ、やっぱりガクラじゃん」

「ん?」


 声を掛けられ振り向くと、そこには二つのパーティーがいた。

 一つは銀髪のツンツン髪の魚人族の少年ソルラがリーダーのドワーフの少年と小人族の少女と竜人族の少女のパーティー。

 もう一つは長い水色の髪の魚人族の少女マルナがリーダーのエルフの少年と小人族の老人と鬼人族の男のパーティーだ。


「お前等もやっぱ来たか」

「おう! 勿論!」

「私も折角だからね」


 コイツ等は俺達がこの世界で知り合った冒険者だ。去年の超闘祭にもソルラとマルナが一応出ていた。


「元気そうだな少年少女共」


 すると今度は、ブラークのパーティーがやって来た。


「ブラーク! やっぱり出るんだな」

「そりゃあそうだろ。……さて、ガクラ」

「何だ?」


 ブラークが真剣な目で俺を見ている。


「実はな、俺達最近全然良い依頼が無くて金に困ってんだよ」

「……で?」

「俺等もこの宿に泊まらせて下さい!」


 ブラーク達は土下座してきた。


「あっガクラ、ついでに俺達も」

「私達も宿取ってないのよ」

「オメー等なぁ~」


 まぁまだ部屋はあるか。

 さてはコイツ等、泊まらせてくれると思ってあらかじめ宿取ってないだろ。


「分かったよ。別にいいぞ」


 俺達はブラーク、ソルラ、マルナの三パーティーと話していると、部屋に荷物を置きに行った生徒達が戻ってきた。


「おっ、戻ってき……あれ?」


 生徒達の中に、何故かこの間来た時に再会したキルカとパーティーメンバー数名がいた。


「何でキルカ達がいるんだ?」

「どうやらキルカさん達もこの宿に泊まっているようです」


 セーユが代わりに説明した。


「宿の人から団体の客が来るから部屋を移してくださいって言われたけど、ガクラ達だったか」


 キルカがそう話すと、ブラークが入ってきた。


「お前、SSランクだな? 前に新聞で見たぞ」

「有名なあんたに知られているとは、ちょっと意外だな」

「SSランクは少ねぇからな。超闘祭に出てなかった奴も知ってるぜ」


 確かにSSランクは少ねぇからな。

 そう言えば、『あの二人』もSSランクに昇格したってこの間新聞に載ってたな。


「あ~、やっぱりガクラだ」

「なんかゆる~い声が聞こえると思ったらやっぱりお前か」


 そこにいたのは、白い長髪にちょっとゆるい顔の人間の少年と彼のパーティーメンバー四人がいた。


「やっぱお前かユール」


 ゆるい顔をしているが、戦闘になるととても頼もしくなるSSランクの冒険者だ。


「ここガクラ達が泊まってる宿?」

「そうだが……まさか」

「僕等も泊めて」


 やっぱりか。

 予想通りの答えだ。ブラーク達も何笑ってんだよ。


――――――――――――――――――――


「あ~お前等。予選まで時間あるから、それまで王都を自由に見て回ってくれ。町からは出るなよ」

『はい!』


 生徒達は返事をすると、町を見に回った。


「なんかガクラ達が教師ってやっぱり変だな」

「そうよね」

「やかましいわお前等」


 ソルラとマルナが腹立つことを言うからイラっとすると、生徒達がなんか騒いでる。


「何だ? ……あっ!」


 騒いだ理由は、ある冒険者パーティがいたからだ。


「よぉガクラさん。久しぶりだな」

「おぉ、久しぶりだなスイン」


 そこにいたのは、去年の超闘祭で二位になった冒険者パーティーだ。


「ホントに久しぶりだな、ログラスも」


 エスティーの会話に入ってきた。


「この間新聞で見たぞ、お前等SSランクに上がったって」


 金髪の魚人族のスインと少し長い黒髪の鬼人族のログラスは、去年はSランクだったが、この間の新聞でSSランクに昇格したと載っていた。


「今年は勝つぜ絶対」

「こっちだって負けねぇぞ」


――――――――――――――――――――


「時間だ」


 11時半になり、予選の受付が始まった。

 次々と参加する冒険者パーティーが受付を終わらせていく。


「それではこちらの紙にチーム名と参加メンバーを書いてください」


 俺達光の兄弟からは、俺、エスティー、アスレル、メイト、ウルファーの五人が参加する。


「チーム名は『光の兄弟』っと……なぁ、なんかリーダーって枠があるんだが?」


 一番上の枠の端っこに『リーダー』と書かれている事に気付く。


「今年はリーダーを決めてもらいますので」

「「じゃあ俺が……あっ!?」」


 俺とエスティーはギロッとお互いを睨みつける。


「テメェなんかに任せてられるか!!」

「こっちのセリフじゃあ!!」

「お並びの冒険者の皆さんはこちらへどうぞ」


 喧嘩している俺とエスティーを尻目に、並んでいた冒険者が受付を済ませる。


「どっちでもいいから早く決めろぉ!!」


 アスレルの怒号が聞こえ、じゃんけんの結果リーダーは俺になった。

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