現れし召喚獣
行く手を阻む魔物や犯罪者達を薙ぎ払いながら進む俺達は、犯罪者達のリーダーがいる港に着いた。
「あいつか、リーダーは?」
俺は犯罪者と魔物の中心にいる仮面を被った鬼人族の男が怪しむ。
「ガネン、クラカ。お前等は周りにいる犯罪者や魔物の相手を頼む」
「「分かった!」」
ガネンとクラカはそれぞれ左右に向かい、俺は正面へ向かった。
「ミクリス様、ここは我々が」
犯罪者達が俺に向かってきた。
「三下に用はねぇ!!」
俺は大剣で犯罪者達を薙ぎ倒しながら犯罪者達のリーダー、ミクリスの元へ走る。
「ふんっ」
ミクリスは杖から魔力弾を撃つと、俺は大剣で弾いた。
今度は魔力のバリアで俺の行く手を阻むが、俺は殴ってバリアを壊した。
「ムッ!?」
ミクリスは後ろに飛び退きながら何枚ものバリアを重ねるように張るが、俺は大剣で壊しながら突き進んだ。
「何!?」
俺はミクリスの目の前まで辿り着き、顔を思いっきり殴りつけてミクリスは倒れた。
すると魔扉の術で生まれた魔方陣が消え、魔物達も消えた。
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「魔物達が!?」
次々と消えていく魔物を見てセーユは驚く。
「どうやらガクラ達がリーダーを倒したみてぇだな」
エスティーの言葉で生徒達が喜ぶ中、メイトは何か腑に落ちない顔をしていた。
「どうしたメイト?」
「いや、リーダーが倒されたはずなのに、犯罪者達の勢いが全く止まってないから」
「確かに……言われてみりゃあ」
魔物は消えたが、未だに犯罪者達の勢いが弱まらない様子を見て、エスティー達は変に思った。
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犯罪者達を倒し終えたガネンとクラカが俺の元に駆け寄った。
「父さん。こっちは片付けた」
「おお、ご苦労さん」
「そっちも終わったみたいだね」
「ああ。そうなんだが……」
(なんかスッキリしねぇな)
「フフフフッ」
仰向けで倒れているミクリスが突然笑い出した。
「何が可笑しい?」
「私が全てを出し切ったと思ったか?」
「何を……っ!?」
突然、ミクリスの下に魔方陣が現れ、俺達は咄嗟に離れた。
「魔の扉よ。我、ここに捧げる!」
ミクリスが何か唱えると、魔方陣から光が上空に向かって放たれ、ミクリスはその光に包まれて消えていった。
すると、光の先から空に巨大な穴が出現した。
「何だありゃあ!?」
――――――――――――――――――――
「何ですか、あの光と穴は!?」
出現した光と巨大な穴に、生徒達は困惑する。
「あれは、代償召喚術!」
「何だそれは?」
「召喚術の中で強い魔物を一番召喚しやすい術だよ。術師自信が何かを失わないと発動しない。失うものが大きいほど、強い魔物が出やすい」
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穴が少しづつ広がっていくと、中から三本指の巨大な腕が出てきた。
すると一本、一本、また一本と四本の腕が出てくると、穴を掴んで無理やり広げ本体が現れた。
顔には目が無く、もう二本生えた三本指の腕に、鋭い牙が並んだ巨大な口。背中にはうねうねと蠢く大量の触手が生えている不気味な魔物が姿を現した。
「父さん。アレ、ヤバいんじゃないか?」
「ああ。強いのが肌にビンビン感じてくる」
穴から顔を出している魔物は、穴から飛び出した。
あまりの巨体に、俺達は後ろに大きく飛び退くと、魔物は大きな音と土煙と共に地面に下りた。
「近くで見ると結構デカいなぁ」
魔物は大体50メートルぐらいで界獣より大きい。
紫色のナメクジみたいな体に六本の三本指の手足。そして目のない顔と巨大な口に背中の大量の触手とホントに不気味というか気色悪い姿だ。
「父さ~ん。私アレに触りたくなーい」
「俺だってヤダよ」
魔物は左の手足を上げると、俺達はジャンプし魔物は地面を叩きつけた。
「おぉーやっぱ力も強……ん?」
魔物の右の手足が俺の横から来て俺を薙ぎ払って吹っ飛ばした。
「おわぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「「父さん!」」
俺は建物をいくつも貫通して、城の前まで吹き飛ばされた。
「おわぁぁぁぁぁぁぁ……っと!」
俺は地面を引きずりながら着地し、勢いがまだ強いから大剣を地面に刺して勢いが弱まってようやく止まった。
「痛ててててて」
「随分吹き飛ばされたなお前」
首を鳴らしている俺にエスティーが近づくと他の皆も俺の所に来る。
ガネンとクラカも屋根を飛んで俺の所に来た。
「ああ。あの魔物、もしかしたら魔王の幹部くらいの強さかもしれねぇな」
「魔王の幹部って確か一級の魔物より強かったんですよね?」
そうだな。本来の姿の俺達でも苦戦したほどだからなぁ。
「しっかし随分強い魔物を呼び寄せたもんだな。一体何を代償にしたんだ?」
「代償? 確かリーダーの男が魔方陣を出して、そこから出た光で自分ごと消えたぞ」
「となると代償は自分自身か。代償召喚術は腕一本でも一級クラスの魔物を呼び寄せるから、人一人だとやっぱあれぐらいの魔物は出るんだね」
メイトがそう解説する。
「じゃあさっさと倒した方が良いな」
俺は町を破壊しながらこっちに向かってくる魔物を見て言う。
「丁度良いメンバーが揃ってるし」
「確かにそうかもな」
今ここには世間が言う、光の兄弟の上位陣全員が揃っている。
「超闘祭の開催に支障も出ちまうし、さっさと終わらせるとするか」
『おお!』
俺達は本来の姿になると、空を飛んで魔物に向かった。
俺とガネンとクラカ。
そして他の皆、エスティー、アスレル、メイト、ウルファー、クレン、エンジェ、アールで魔物に立ち向かった。




