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超人種族の異世界英雄記  作者: 至田真一
進撃の犯罪者
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襲撃の犯罪者

 リューロン王国の王都は陸と海に面している。そのため陸路でも船でも来ることが出来る。

 その王都の港に大勢の犯罪者が乗った大きな船が突っ込んできた。

 船の先端には仮面をつけた鬼人族の男が立っていた。


「同志達よ、計画を実行する。リューロン王の首を取り、我々の強さを他の王に知らしめるのだ!」

『おおーっ!!』


 犯罪者達が声を上げると、甲板の二つの魔法大砲から魔法弾が撃ちだされた。

 大砲から撃ちだされた二つの魔法弾が城に向かって飛ぶと、魔法弾に向かってジャンプしたガクラが大剣で魔法弾を斬った。


「いきなり城を狙うとは、ずいぶん本気ってことだな」


――――――――――――――――――――


「あれは……ガクラです! 光の兄弟のガクラがこの町に来ています!」


 報告を聞いて男は顎に手を当てる。


「大英雄が来ているとはな。これは心していかねばならんな」


 男は船から降りると、手にしている杖から二つの紫色の魔方陣を出現させた。


「行け、魔物達」


 すると魔方陣から大量の魔物があふれ出た。


「お前たちも行け!」

『うおぉぉぉぉぉぉぉ!!』


 犯罪者達は武器を手に次々と船から降りて魔物と共に向かって行った。


――――――――――――――――――――


「魔扉の術か。面倒なのを使うなぁ」


 魔扉の術は弱めの魔物しか呼び出せない代わりに無限に呼び出すことが出来る召喚術の一つだ。

 一体一体が弱いのはいいんだが数がなぁ。犯罪者もいるし。


「とにかく、ドラスナー王は早く城に戻った方が良い」

「ああ、そうだな。王都にいる冒険者に協力してくれるよう冒険者ギルドに連絡を」

「はっ!」


 ドラスナー王は兵士に指示をした後、城の中に戻っていった。


「さて、魔物と犯罪者。相手はかなりの数だ」


 一応、奴等のアジトを調べていたクレン達が急いでこっちに向かってるけど。


「早く来ねぇと、俺が全部終わらせちまうぞ」


 俺は二ッと笑う。


「ガクラ。俺達は町で暴れる魔物と犯罪者の相手をする」

「頼んだ。俺は奴等のリーダー格をぶっ飛ばしてくる」


 キルカ達に町を任せ、俺は犯罪者達のリーダー格の所に行く前にセーユ達を指さした。


「お前等は城の前を守っている兵士達に協力しろ。あの数を相手にするのは無理だからな」

「わ、分かりました」


 生徒達は緊張した顔で頷いた。


(兵士と一緒の方が安全だろうしな)

「よし。ガネン、クラカ!」


 俺は二人を呼ぶと、俺の横に立った。


「行くぞ!」

「「おぉ!」」


 俺達はリーダー格がいる港へ走ると、大量の魔物と犯罪者が向かってきた。


「邪魔だぁぁぁ!!」


 俺は大剣を地面に叩きつけて、魔物と犯罪者達を宙に吹き飛ばすと港に向かって走った。

 リューロン王国の王都は城が王都の奥にある。城から町の入り口と港の距離は大体同じ。だから流石にちょっと距離がある。


「父さ~ん。港まだ~?」

「うるせーぞクラカ。まだ半分の距離も走ってねーよ」

「やっぱ王都って広いんだね。結構走ってるはずなのにまだ半分も行ってないなんてね」


 俺達は走っていると、三人の犯罪者が立ち塞がった。


「ここから先は通さんぞ、大英雄」


 立ち塞がったのは大剣を持った人間の男とガントレットを腕に付けたドワーフの男、短剣を手にした魚人族の女だ。

 人間の男は俺、ドワーフの男はガネン、魚人族の女はクラカに向かってきた。

 三人はそれぞれの武器を俺達に向かって振るうと、俺はしゃがんで、ガネンは体を捻らせて、クラカは仰け反らせて躱した。


「テメー等、邪魔だ!!」


 俺は男の顔を殴って地面に叩きつけ、ガネンは体を捻らせた勢いの回し蹴りをドワーフの男の顔に、クラカは女の顎を蹴り上げてそれぞれ突破した。

 今の三人は幹部っぽかったがいちいちそんなのを相手にしている時間はないから俺達はサッと終わらせられた。

 俺達はそのまま進んで角を曲がると、遠くに港が見えた。


「港だ。行くぞ!」

「ああ!」

「よっしゃー!」


 港が近いだけあって、魔物と犯罪者の数が他より多いが、俺達は構わず進んだ。


――――――――――――――――――――


「はぁぁぁ!」


 キルカは剣でゴブリンを斬ると、ゴブリンは塵となって消えた。

 召喚術で現れた魔物は倒されると今の様に塵となるため倒したかどうかがすぐに分かる。


「無限にあふれ出るだけあって数が凄いな」

「そうね。一体一体が弱くても、流石に疲れるわ」


 キルカはレイピアを手にしているユアーナと背中合わせで戦っていると、空から烏の魔物、大烏が襲ってきた。

 が、大烏はコユによって瞬く間に倒せれ塵となった。


「陸だけじゃなくて空からも来るよ」

「ああ。分かってる」


 キルカは二体の大烏を倒すと、高台から弓で狙っている仲間の猫の獣人族の少女が叫んだ。


「キルカ! ガクラ達がもうすぐ港に着きそうよ!」

「分かった。となると、そろそろ終わりそうだな」

「ガクラが来ているときに来るなんて、犯罪者達は運が悪いね」

「ああ。同情しそうだよ」


 キルカ達はそう言いながら笑うと、次々と魔物達を倒していく。


――――――――――――――――――――


 ガクラに言われて城の前を守っている生徒達は、兵士の後ろで緊張しながら武器を構えていた。


「ガクラさんに言われたものの、こんな重要な役割私達が受けて大丈夫なのかしら?」

「今は兵士の方々が相手をしているお陰で私達の所には犯罪者も魔物も来ていないので大丈夫ですよ」

「それにガクラさん達や冒険者の人達が戦ってるから、兵士の人達が戦ってる相手も少ないから平気よ」

「そうよね。うん、大丈夫」


 シフールとガラートの言葉で、セーユは少し緊張が解れた。


「安心しろ。君達を戦わせるようなことは絶対させない」


 そう生徒達に言ったのは、黒い髭を生やしたリューロン王国騎士団長のラゴムだ。


「ガクラ殿が頼む程だから実力はある方かもしれんが、流石に学生を戦わせるわけにはいかないからな」

「ありがとうございます、騎士団長さん」


 ラゴム騎士団長は頷くと、兵士達の元へ向かった。

 騎士団長と兵士達が向かってくる魔物と犯罪者を相手にしている中、奥にいるローブを着た犯罪者が何やら呪文を唱えると、地面に魔方陣が現れ、二体のワイバーンが現れた。


「召喚術師か!?」


 二体のワイバーンが飛び上がると、兵士達に向かって火の玉を吐き、兵士達は吹き飛ばされた。

 ワイバーンはその隙に兵士達の上を飛んで城へ向かった。


「くっ! しまった!?」


 城に向かったワイバーンは城の前にいる生徒達に目を付けた。


「こっち見ましたね」


 ワイバーンの視線に気づいたフウケが目を細めて汗を流す。


「ちょっ……二体なんて無理よ!!」


 ワイバーンは口を開けて、生徒達に向かって真っすぐ飛んでいった。


『うわぁぁぁぁ!!』


 生徒達が叫ぶ。すると、何処からか二つのブーメランが飛んできてワイバーンの首を斬り落とすと、ワイバーンは塵になって消えた。


「今のブーメランは……」


 二つのブーメランは不規則な動きをすると、召喚術師に向かって飛んでいき命中した。


「ぐはっ!」


 召喚術師は倒れると、今度は空を飛んでいる魔物の群れを次々と倒し、ブーメランは飛んできた方向に戻っていった。

 ブーメランが戻ると、そこから七体の翼竜が飛んできて、生徒達の上を通ると翼竜の背中から七人の人影が飛び下りてきた。


「お前等、怪我は無いか?」

「エスティーさん!?」


 下りてきたのは犯罪者のアジトを調べていたエスティー達だ。


「やっぱりさっきのブーメランはクレンさんの」

「ああ。急いで向かったんだが、もうあのアホ親子共が終わらせそうだ」


――――――――――――――――――――


「父さん、この気配」

「ああ。エスティー達が来たみてぇだな。港はもうすぐそこだ!」


 ガクラ達が港に近づくと、犯罪者達のリーダーが新しい召喚術を使ってゴーレムを呼び出して向かわせた。


「うらぁぁぁ!!」


 ガクラはゴーレムに向かって飛び蹴りをするとゴーレムを貫通した。


「やはりこの程度の魔物では足止めにもならぬか。やはり……『アレ』を使うしかないか」


 犯罪者達のリーダーは静かにそう呟く。

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