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超人種族の異世界英雄記  作者: 至田真一
進撃の犯罪者
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果たし状の対決

「両者、準備はよろしいですか?」


 翼竜に乗った審判の男が対峙している俺とコユに聞いてきた。


「良いぞ」

「僕も良いよ」


 俺達がそう言うと、審判が乗っている翼竜が高く飛んだ。


「それでは……試合開始!」


 試合開始のベルが鳴ると俺は大剣、コユは片手剣を構えた。

 俺達はすぐに向かわず、距離を保ちながらゆっくりと円を描くように距離を保つ。


(隙が全くねぇ。流石SSランクだな)


 お互いしばらく様子を見ていると、コユの足が少しだけ動いた。

 俺は大剣を構えなおすと、コユは地面を蹴って鋭い突きを放ち、俺は大剣で防いで弾くが、コユは体を捻らせて剣で斬りつけてきた。

 俺はしゃがんで避けると左手の拳で殴りかかるが、コユは飛び退いて躱した。


「なかなかの反応速度だな。しかも対人戦に慣れてる」

「アンタと戦うために僕は三ヶ月程コロシアムでいろんな人と戦ったり、依頼で強い魔物と戦ったりして鍛えたからね」

「へぇー。ぜひ超闘祭で戦ってみたかったな」

「僕もだよ」


 コユは剣を後ろに引いて剣先を俺に向けて構えた。

 明らかに雰囲気が違う構えに俺は少し警戒した。

 コユは地面を蹴って俺に斬りかかると俺は大剣で弾くが、コユは弾かれた勢いを利用して更に斬りかかってきた。

 俺はその攻撃を躱すが、またすぐに次の攻撃をしてくる。

 その後の攻撃を俺は避けたり弾いたりして防いでいるが、コユはそれらを物ともせずに一瞬で体制を立て直してすぐに次の攻撃に移る。

 予想以上の連撃に流石の俺も防御に手一杯で、何とか隙が無いか探している。

 連撃の中、俺はコユが右下段から斬ろうとするのが見えると、剣を振る前に右足で剣を持っているコユの右手を蹴ると、上手く狙い通りに剣が地面に刺さった。


「え!?」


 流石のコユも驚き、俺は大剣を振りかぶった。

 すると、コユは地面に刺さった剣を左手で持ち直すと地面から抜いたその勢いで俺の腹に向かって斬りかかった。


「おわっ!?」


 俺はギリギリで飛び退くと、何とか直撃は免れたが服が斬れた。


「危なかったな。左手でも剣使えるのかよ」

「僕両利きなんだ」


 両利きか。剣士にとっちゃあ良いな。


「俺もちょっと本気出すか」


 俺は大剣を地面に向けると、大剣に土の属性力を纏わせ地面に刺した。

 コユは構えると、コユの周りに地面から土の壁が出て来てコユを閉じ込めた。


「属性力でこんな事が!?」


 今度は火の属性力を纏わせて地面に刺すと、コユの足元が赤く光り爆発が起きた。

 爆発の衝撃で土の壁は崩れ、煙の中からコユの剣が飛び出して地面に落ちた。

 爆煙が晴れると、そこにはボロボロのコユが倒れていた。


「痛たたた。……いやーやっぱり凄いよガクラは」


 コユはゆっくりと上半身を起こすと両手を上げた。


「参った、降参」


 コユはあまり悔しそうにも見えない笑顔でそう言うと、俺もフッと笑った。


「勝負あり。勝者、ガクラ」


 審判がそう言うと、観覧席から拍手や歓声が上がった。


――――――――――――――――――――


「お疲れ父さん」


 コユとの勝負を終えた俺はコロシアムのロビーに戻ってきた。


「ホントに疲れたよ。服ちょっと斬れちゃったし」

「服が少し斬れただけで良いじゃん。僕なんてボロボロだよ」


 俺の火の属性力の爆発で全身ボロボロのコユが言う。


「流石ガクラだな。コユに勝っちまうんだからな」

「でもよぉキルカ。お前でも勝てないって程じゃなかったと思うぞ」

「そうか?」

「俺はお前とは実際に戦ったことはねぇが強いってのは分かるからな」


 キルカは少し黙ると口を開いた。


「俺的には本気で戦ったさ」

「ふーん。で、実際はどうなんだ?」


 俺はキルカの仲間の方を向いて聞いてみた。


「本気で戦ってはいたわね。全力では無かったけれど」

「え、そうなの?」


 ユアーナの言葉にコユが驚く。


「キルカ君、剣二本の内一本が刃こぼれしちゃってたから直してもらっていたから」

「確かに、僕と戦ってた時は一本だけだったのに何で二本あるんだろうと思ったよ」


 なんだよ。全出してねぇんじゃねぇかアイツ。


「良い勝負だったぞガクラよ」

「ん?」


 後ろから声を掛けられ振り向くと、そこにはフードとマントで身を包んだ高齢の竜人族の男がいた。


「ああ、そりゃあどう…………何やってんだアンタ、こんな所で?」

「一段落したから町をぶらついていたら、何やら面白そうな勝負を耳にしたのでな」


 竜人族の男は小さな声で俺に話す。


「ガクラさん。その人知り合いですか?」


 話している俺等を見てセーユが聞く。


「ああちょっとな。アンタもここにいて大丈夫なのか?」

「一段落したと言っただろう。流石のアイツ等も文句は無いだろう」

「そうには見えねぇが」

「ん?」


 俺がそう言うと、男の後ろにいる奴が男の肩に手を乗せた。


「見つけましたよ」


 男が振り向くと、機嫌が悪そうなリューロン王国の騎士が数名いた。


「また勝手に一人で王都に出ましたね! 最低でも三名は護衛をつけて下さいと言ってるじゃないですか!」

「護衛なんていたらゆっくり見れないじゃないか」

「貴方はもう少しご自分の立場をですね!!」


 騎士に怒られている男を見て、キルカ達はなんとなく誰だか分かった様子だが、生徒達とガネンとクラカは分かって無さそう。


「父さん、そのお爺ちゃん結局誰?」

「ん? 王様」


 俺がそう言うと、生徒達は固まった。


「リューロン王国国王のドラスナーである。よろしく頼むぞガクラの子と生徒よ」


 ドラスナ―王が自己紹介すると、生徒達は慌てふためく。


「あの……私達跪いた方が良いんでしょうか?」

「よいよい、気にするな」


 凄い緊張気味の生徒達にドラスナー王は気軽に言うが生徒達はめちゃくちゃ固まっている。


「そういやぁあの件大丈夫か?」

「ああ安心しろ。宿も王都で一番大きい所を押さえてあるし、席も十分取ってある」


 俺はそれを聞いて少し安心した。前に合宿で超闘祭を見るという話を聞いた後に、ジュリエと一緒にドラスナー王に話をして宿とコロシアムの観覧席を取ってもらった。

 すると、俺の光の兄弟の証からピピピピと音が鳴った。


「誰からだ?」


 俺は証に触れると、現れた画面にクレンが映っていた。


「クレンかどうした?」

『ガクラ、お前今リューロン王国にいるんだよな?』

「ああ」


 確かクレンは今エスティー、アスレル、メイト、ウルファー、エンジェ、アールと一緒に犯罪者のアジトに乗り込んでいるはずだ。


『今犯罪者のアジトにいるんだが、一歩遅くてもぬけの殻だったんだ。でもよぉ、そいつ等が何を企んでいるかは分かったんだ』

「何だったんだ?」

『そいつ等、禁忌術を使って各国国王の抹殺を企んでるみたいだ』


 その話を聞いて、この場にいる全員が驚く。


「おい。まさか最初に狙うのが……」


 俺がそう訊ねた瞬間、外で大きな音が響いてコロシアムが少し揺れた。


「って、どうやら来ちまったみてぇだな」

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