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超人種族の異世界英雄記  作者: 至田真一
ガクラとクカナ
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誕生

「そんなことが……」


 クカナからガクラとの結婚の理由をセーユは聞いた。


「その後、私は退院して婚姻したんだ」

「そうなんですか。なんか良いですね、結婚式とかそういうの」

「あー、光族は結婚はしても結婚式まではしないわよ」

「「「え?」」」


 クカナが発した言葉に、セーユ達三人は少し驚く。


「そうね。私も生きてきた五千年ぐらいでライテストで結婚式なんて一度も見たこと無いわね」

「そ、そうなんですか。そういえば結婚指輪もしてませんよね?」

「光族は付けないのよ。必要なのかも分からないし」

(光族って……なんか恋愛に関して適当なような、軽視している様な)

「あ、ガネン君とクラカさんが生まれたときは嬉しかったんじゃないんですか?」

「そうね。出産所で双子って聞かされた時は嬉しかったなー」

「出産所?」


 聞きなれない言葉にシフールが首を傾げる。


「光族の出産は特殊なの。専用のカプセルに夫婦のエネルギーを送って、数年したら生まれるの」

「そうなんですか」

「そりゃあそうよ。私達の本来の姿が裸ってのは知ってる?」

「前にクラカさんから聞いたことがあります」


 前にクラカから聞いたことがあるセーユとシフールは驚かないのに対して初耳のガラートは驚く。


「私達って、男も女も『アレ』が無いじゃない。だからデキないのよ」

「……な、成程。確かに……そうですね」


 アスレルの話でセーユ達は顔を赤くした。

 確かにそれだと人間とは全く違う方法で子供をつくる事になる。


「……でもあの二人が生まれてくれたのは本当に嬉しかった。タイミングが良かったのか悪かったのか分からないけど」

「どういう事ですか?」


 クカナの少し曇った顔を見て、セーユは不思議そうな顔で聞いた。


――――――――――――――――――――


「生まれるまで約一週間かぁ、楽しみ。双子らしいけど、二人とも男の子か女の子かなぁ。それとも両方かなぁ」


 出産所で出産カプセルにガクラと一緒にエネルギーを送って数年。出産所の人からあと一週間程で生まれると言われて、白い体に頭にトサカがある本来の姿のクカナはその日を待ちわびていた。


「ん?」


 クカナのいる光の兄弟の家のドアに誰かがノックしてきた。


「誰だろう?」


 今、ガクラ達光の兄弟は調査で全員が留守。もちろん、皆の両親も。


「はーい」


 クカナがドアを開けると、一人の光族が立っていた。


「突然申し訳ありません。私は異世界調査団の者です。実はお伝えしたいことが……」


 異世界調査団の人から告げられたこと。

 それは、光の兄弟の両親、ナイディンとミスラルの訃報だった。


――――――――――――――――――――


 訃報を聞いて一週間。大きなショックを受けた光の兄弟は葬式にも出れずにいた。

 クカナはドアの隙間から塞ぎ込んでいるガクラを除いていた。

 ガクラ達光の兄弟にとって、ナイディンとミスラルは育ての親でもあり、師でもあった。

 特にガクラは慕っていたのを、クカナは知っている。


(私は、どうすれば……)


 クカナは家を出ると、出産所の人が駆け寄ってきた。


「クカナさん! 出産カプセルに反応が!」

「え? ……分かりました。すぐに行きます」


 クカナは家に戻ると、ガクラの部屋に駆け寄った。


「ガクラ、来て!」

「……」


 クカナはまるで抜け殻の様になってしまったガクラを引っ張って、出産所に向かった。

 出産所に着くと、ガクラとクカナの出産カプセルがある部屋に入った。


「おお、来ましたか。生まれましたよ。男の子と女の子です」


 クカナは出産カプセルにいる、二人の光族の赤ん坊を見た。


「うわぁぁぁ」


 クカナは二人を抱えると、ガクラに見せた。


「ほらガクラ。貴方の子よ」


 ガクラはゆっくりと二人に手を伸ばすと、二人の小さな手がガクラの手を掴んだ。

 するとガクラの目から小さな光の粒、涙が流れた。


「う……うう……」


 ガクラは二人を抱えると、クカナは二人とガクラを抱いた。

 その後しばらく、ガクラの目から涙が溢れた。


――――――――――――――――――――


 クカナの話が終わると、セーユ達三人は悲しそうな顔になる。

 アスレルも思い出したのか俯いている。


「最近鍛錬の授業が厳しいって時々聞くけど、それは皆にも同じ思いをしてほしくないからだよ。大切な人を失う悲しさを知っているから……」


 クカナがそう言うと、セーユは目をキリっとした。


「私、明日からの鍛錬の授業、頑張れる気がします」


 シフールとガラートが頷くと、クカナは微笑んだ。

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