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超人種族の異世界英雄記  作者: 至田真一
全校対抗戦
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戦闘獣、決着

「「ハァァァ!!」」


 ガネンとクラカの上空からヨブルと一体化した戦闘獣に向けて飛び蹴りを放つと、戦闘獣は両腕で防いで弾き飛ばした。


「これならどうだ!?」


 ガクラは両手を合わせて光線を放つと、戦闘獣が目から放った青い光線とぶつかり相殺された。

 すると戦闘獣は四本の尻尾の先から青い電撃を放ち、ガクラ達は後ろに転がって躱した。


「思ったより強いな。電撃には電撃だ!」


 ガクラは光ると、体の色が黄色に変わった。


「くらえ!!」


 ガクラは両手から黄色い電撃を放つと、戦闘獣も再び尻尾から青い電撃を放ち、両者の電撃がぶつかり合い爆発が起きた。

 爆煙を抜けて、ガネンとクラカのパンチが戦闘獣の腹に命中して後ずさりする。


「ナイスだ! ガネン、クラカ!」


 ガクラは手に雷で槍を作るとそれをギュッと握る。


「サンダースピアー!!」


 雷の槍を戦闘獣に向かって投げると、槍は戦闘獣の腹に突き刺さった。


『グアァァァァァァァ!!』


 刺さった箇所から電気が溢れ爆発した。


『おのれーーー!!』


 戦闘獣は爆煙を払うと、尻尾から電撃を放つ。


「おわっ!?」

「「うあぁぁぁ!!」」


 電撃がガクラ達に命中しよろめくと、戦闘獣は二本の尻尾の鋏でガネンとクラカを捕らえた。


「しまった!」

「このっ!」

「ガネン、クラカ!!」


 戦闘獣は目からの光線をガクラに向かって撃つと、ガクラは腕を交差させて防ぐが吹き飛ばされてしまった。


「痛ってぇ。思ったよりタフだし、やるなぁそいつ」

『私の最高傑作をなめるな!』

「……確かにちょっと俺でもキツいな。じゃあ俺も、本気出すか」


 ガクラは黄色の姿、雷の力を解除すると、周りに赤、青、白、茶、緑、黄の六色の光の玉が現れ、ガクラの中に入ると、強い光を放った。


『何!?』


 光が消えると、そこには体が先ほど現れた玉と同じ六色になり、額には縦に伸びた金色のクリスタルが付いたガクラが立っていた。


『なんだその姿は!?』

「これを知らねぇとは情報不足だな。この姿はな、俺の扱える属性全てを纏った、俺の最強の姿……オールエレメントだ」


 ガクラは右手を前に伸ばすと、右手に六色の光が集まり、人間の姿の時と同じ剣が現れた。

 剣を手に持つと、緑色になった足が光り風の速さで一瞬で近づき、ガネンとクラカを捕らえている尻尾を斬り落とした。


『グアァ!!』


 解放された二人は斬り落とされた尻尾を投げ捨てた。


「よーしお前等、反撃だ!」

「「おおぉ!!」」


 ガネンとクラカはそれぞれ自分の剣を取り出し、三人は戦闘獣に向かって走った。


『くらえーっ!!』


 戦闘獣の肩回りの棘がミサイルの様にガクラ達に飛んでいく。


「サンダートルネード!」


 ガクラは剣に雷と風を纏わせ雷の竜巻を放つと、棘を全て撃ち落とす。


「グランドボルケーノ!」


 火と土を纏った剣を地面に刺すと、エネルギーが地面の中を走り、戦闘獣の足元に着くと噴火の様に爆発した。

 その怯んだ隙に、ガネンとクラカが剣で斬りつける。


『迂闊だったな。その姿の情報を手に入れなかったのは』

「オールエレメントは滅多にならないからな。エネルギーの消耗激しいし」


 ガクラは剣を握る手に力を入れる。


「さぁて。それそれ終わらせるか」


 ガクラは剣を戦闘獣に向けて引くと、剣に六色の光が集まっていく。


『むっ!!』


 戦闘獣は残った二本の尻尾をガクラに向かって伸ばすが、ガネンとクラカが剣で尻尾を斬り落とした。


『ぐあっ!!』

「ナイスだお前等!」


 すると、光を集めていたガクラの剣が一瞬強い光を放った。


「エレメントバースト!」


 剣を突き出すと、剣から六色の光線が放たれ戦闘獣に命中した。


『ヌアァァァ!! コイツは……私の最高傑作だ。負けるものかぁぁぁ!!』


 そしてヨブルの叫びと共に、戦闘獣は爆散した。

 戦闘獣を倒すと、ガクラは剣を振りかざした。


「ざまぁみろ、ヨブル」


――――――――――――――――――――


「ガクラ。俺は今機嫌が悪い。何でか分かるか?」


 全校対抗戦、及び戦闘獣軍団の戦いから五日後の昼休み、何故か機嫌が悪いエスティーが俺に声を掛けた。


「知らねーよ。どうした?」

「どうしたじゃねーよ。俺がアールと一緒に依頼に行ってる間、お前等はヨブルが放った戦闘獣と戦っててよぉ、俺もそっちがよかったわぁ!」

「知るかぁ! 八つ当たりすんじゃねぇ!」


 ほぼ確実に起きる二人の喧嘩をセーユは呆れ顔で見ている。


「本当にこの二人は喧嘩ばかり……。どう? この学園やっていけそう?」


 セーユがそう聞いた相手は、セシュイン学園の制服を着たガラートだ。


「どうだろう、まだ分からないわ」

「まだ初日ですからしょうがないですよ」


 何故ガラートがセシュイン学園にいて制服を着ているかと言うと、戦闘獣の戦いの翌日、彼女の父親であるルディノ学園の学園長がジュリエ学園長に頼んで転入を頼んだからだ。

 理由は、ガラートは実力はあるのだが気が弱いため、セシュイン学園で精神面を鍛えてほしいとのこと。

 そして今日、無事に転入してきた。ちなみにクラスはセーユとシフールと同じ一組だ。


「「はぁ~~~~」」


 いつの間にか喧嘩が終わっていたガクラとエスティーはため息を吐いて背もたれに背中を預けていた。


「……ヨブルの奴、やられたと思うか?」


 真剣な表情のエスティーがガクラに聞いた。


「分かんねぇ。でもアイツしつこいからなぁ……多分生きてる気がする」


 ヨブルは禁断実験で無駄に長寿になった生物学者。強い戦闘獣を作る時間は十分に持っている。

 だから光族に何度も挑める。もし生きていたら、また俺達に挑むか、別の光族に挑むか。

 何回挑んできても、光族は絶対負けねぇがな。


「……ところでアイツはさっきから何見てんだ?」


 俺は何枚もの写真を手に取って目を輝かせているモリンを指さした。


「何って決まってるじゃないですか! この間の戦いの皆さんの勇姿です。なんせ一気に六人分も増えたんですから。あとは上位陣の皆さんだけです!」


 モリンが言った上位陣とは、俺を含めたあの戦いの時にいなかったエスティー、アスレル、アール、メイト、ウルファー、クレン、エンジェの事だ。

 この八人は、光の兄弟の中で強い方なので、この世界では上位陣なんて呼ばれている。


「あとエスティー達だけなんだよな。まぁ撮れる機会があったら頑張りな」

「もちろんです!」


 モリンはグッとガッツポーズをした。


――――――――――――――――――――


「無様に負けたな、ヨブル」


 大きな椅子に座っている男は頬杖を突きながら、目の前にいるヨブルに言った。


「無様とは失礼だな。私なりに頑張った方だ。あの最高傑作がやられてしまうとは流石の私も思わなくてな」


 ヨブルがそう言うと、男の横にいる人型の機械に身を包んだ異世界人が口を開く。


「言い訳は見苦しいですよ、ヨブル。相手の力を見誤った貴方が悪いんです」

「どうとでも言うがいい。さて、新しい戦闘獣を造るため、またしばらく身を隠す。ではな」

「待ちなさい、ヨブル!」


 部屋を出ようとするヨブルを異世界人は止めようとするが、男は手を伸ばして止めた。


「好きにさせておけ」

「そうですか? ……分かりました」


 ヨブルはフッと笑って部屋を出た。


「よろしいのですか?」

「構わねぇ。アイツも光族を倒すという俺達と共通の目的だ。好きにさせておけばいい。……それより、『例の物』は?」

「今だ現在捜索中です。急がせますか?」

「構わん。アレがあれば、光族など敵ではない」

「そうですね。しかし、ヨブルの自称最高傑作は私から見ても強い方だと思ったのですが、それを倒すとは、以前の偽光族ともいい、光の兄弟は油断ならないようですね」

「油断などせん、『あの時』の様にな。しかし、魔王を倒したと言い、あのガキ共が随分と成長しているようだ。会うのが楽しみだ」


 男の口元がニヤリと笑う。

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