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超人種族の異世界英雄記  作者: 至田真一
全校対抗戦
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大会の終わりと因縁

「よーしっ!! やっと出られる!!」


 待ちに待った決勝に、クラカはテンションが上がって立ち上がった。


「そうだね~待ったね~。だから落ち着け」


 俺はクラカの頭を掴んでググっと下に押して座らせた。


「で、父さん。俺等には何か指示はあんの?」

「ん~そうだな~」


 俺は相手校であるルディノ学園を見た。

 相手は予想通りあの赤毛の鬼人族の女子生徒が出ている。もう一人は二本の短剣を持った竜人族の男子生徒だ。


「まぁお前等なら特にこうしろとか言わなくても大丈夫だな。一つ言うことがあるとすれば……」


 俺はガネンとクラカに伝えることを伝えた。


「ホントなのかそれ?」

「確証はないが多分。まぁやってみりゃあ分かる。あ、これ忘れんなよ」


 俺は二人に八つの鉄のリングを渡した。

 これはエキシビションマッチが終わった後に、二人にハンデとして運営から渡された物だ。

 二人の実力は結構島中に広がってる。確かにハンデは必要なぐらい、学生との実力差があるからな。

 二人は鉄のリングをそれぞれ四つずつ受け取ると手首と足首に付けた。


「意外と重いね」

「でも丁度良いかもな」


 付け終えた二人はステージに向かった。

 二人が出ると、待ってましたかのように観客席から「おおっ!!」と声が上がる。

 ステージに上がると、相手も上がってきた。


『それでは決勝戦、開始!』


 お互いが木の的を受け取り体に付けると、決勝戦開始のベルが鳴った。


「おいガラート。まず俺から行かせてもらうぞ」

「いいわよ」


 相手の竜人族の男子生徒が鬼人族の女子生徒、ガラートにそう言うと、相手の竜人族の体が光りヒュッと消えた。


「あれ、消えた?」

「多分、今の強化魔法だと思う」


 素早さを上げる強化魔法を使った竜人族は、二人の後ろに現れるとガネンの的に狙いを定めた。


「もらっ、がふっ!?」


 二人の裏拳が竜人族の顔に当たり、ステージの外に吹き飛ばされ壁に激突した。


「なんか来た?」

「さぁ?」


 何事もなかったかのように二人はガラートに顔を向けた。


「え、えっとー……」


 ガラートの顔にはこれまでになかった焦りが出ている。


「とりあえず、父さんが言った通りにするか」

「うん。じゃあ私から」


 クラカは地面を蹴ると一瞬でガラートの目の前にやって来ると剣を振り下ろした。


「うわっ!」


 ガラートは大剣でガードするが、衝撃が強いのかよろめく。

 クラカは続けて何度も攻撃してガラートを追い詰めていく。

 するとガネンがガラートの背後に移動して剣を振り下ろすとステージが割れた。

 ガラートは転がって避けるが、少しでも下がるとステージの外に出る程端に追い込まれていた。


「ひっ!?」


 床に尻を付けているガラートにガネンとクラカは胸の所の的に剣を向ける。


「どうする。まだ続ける?」


 ガネンがそう言うと、ガラートは震えながら首を横に振る。


「参りました……降参します」


 するとガラートの目が涙目になる。


「降参しますから~お願いします!」

「う、うん」

「降参するんなら何もしないよ」


 これまでと違う雰囲気にガネンとクラカは戸惑い、同じく控え場所のガクラ以外の皆も戸惑う。


「あれは一体? ガクラ殿は気付いていたのか?」

「なんとなくな」


 俺はさっきガネンとクラカに言った指示はあの女を相手にするときは、勝てないと思わせるぐらいガンガン攻めろだ。

 あの女の戦い方を見て、あれは自分が傷つかない様にするような戦いに見えたから、俺は確認するために二人にそう言ったが、やっぱりアイツは本当は気が弱いのかもしれない。


――――――――――――――――――――


 決勝が終わって表彰式が始まった。


『優勝のセシュイン学園の監督に、優勝のメダルが送られます』


 俺はジュリエから優勝のメダルを渡された。

 ……優勝した学園の学園長が自分の学園に渡すってなんか変だな。


「おめでとうございます。そしてありがとうございます」

「ああ」


 俺はメダルを受け取ると、周囲から拍手が鳴り響いた。

 表彰式が終わり会場の外に出るとジュリエと合流した。


「お疲れさまでした」

「任された以上優勝はしてやるよ」

「そうですか。頼んで正解でした」


 コイツやっぱり優勝したいから俺に頼んだんじゃねぇのか?

 そんなことを考えていると、ある一団がやって来た。

 それは大会を見に来たセシュイン学園の生徒と光の兄弟の皆だ。


「よっ。優勝するなぁとは思ってたからあんまり心配してなかったけどな」


 笑いながらエグラルが言う。

 ちなみに今ここに来ているのはエグラル、シュラル、ファルク、フォクサー、ノクラー、レイルの六人だ。あとクカナも見に来ている。

 他の皆は依頼や他の世界の調査などでいない。


「でも優勝させるってやっぱり凄いですね」

「頼まれたからやっただけだ」


 セーユの言葉に俺は笑って答えた。

 すると、何処からかゆっくりとした拍手が聞こえた。


「いやいやおめでとうガクラ」


 声が聞こえた方を見ると、そこには赤黒い長髪に緑色のサングラスをかけた男がいた。

 その男を、俺達光族は見覚えがあった。


「お前……ヨブル!?」


 そいつは俺達、光族に因縁のある男だった。


「ガクラさん。あの男は?」

「戦いに特化した界獣、戦闘獣を生み出して光族に何度も挑む生物学者だ」


 何でこんなところにいるかは、大体の予想がつく。


「今度は俺等に挑もうってか?」

「そうだ! 最高傑作が出来たのだからな!」


 ヨブルは指を鳴らすと、空に大きな穴が開いて、そこから一体の巨大生物が現れて町に降り立った。

 先端がハサミ状の四本の尻尾に肩回りの大量の棘など随分と強そうな見た目だ。


「私の最高傑作、特と味わうがよい!!」


 ヨブルは自分の身を赤い球体で包むと、空を飛んで戦闘獣の額の赤い結晶の中に入ると戦闘獣が動き出した。


「アイツが自ら戦うのか。面白れぇ」


 戦闘獣はジッとこちらを見た。


『コイツだけでは物足りないだろう。コイツ等も戦わせるとしよう!』


 すると空に六つの穴が開き、そこから新たに六体の戦闘獣が現れた。


「おいおいマジかよ!?」


 計七体の戦闘獣が町に現れ、町の人等は急いで逃げ惑う。


「ど、どうするんですか!?」


 セーユが慌てている中、俺は今の状況を考えた。


「相手は七体。こっちは九人。俺とガネンとクラカで奴が言う最高傑作の相手をすれば……よし。学園長、急いで観客や町民をここから避難。クカナもな」

「はい。分かりました」

「頑張ってね」


 学園長とクカナは生徒達と一緒にここから走り出した。


「じゃあいいか、お前等?」

「ったりめーだ!! 最近お前等親子ばっかで退屈してたんだ!」

「ああ。俺も久々に暴れてぇ」

「体がなまりそうだったからな」


 エグラル、ノクラー、ファルクが言うと、フォクサーとシュラルとレイルも頷いてやる気が満々。


「じゃあ行くぜ!!」

「「「「「「「おぉ!!」」」」」」」


 俺達は本来の姿に戻ると戦闘獣に合わせて巨大化した。


『ふははは! 来い、光族!』


 戦闘獣達が向かってくると、俺達も向かった。

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