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超人種族の異世界英雄記  作者: 至田真一
全校対抗戦
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セシュイン学園の戦績

 エキシビションマッチが終わると、各校はそれぞれの控え場所に向かった。


「なんか呆気なかったな。あっという間に終わっちまったよ」


 エキシビションマッチを開始数秒で終わらせたガクラは物足りなさそうにベンチに座った。


「まぁ特別賞手に入ったから良いか」

「やっぱそれ目当てか父さん」


 ガクラの言ったことにガネンが思わずツッコむ。


『これより、第一試合を始めます。出場する生徒は準備をしてください』


 丁度第一試合は、ガクラ達セシュイン学園の試合の為、ガクラ達は準備を始めた。


「最初は誰を出すんだ? やはりガクラ殿の子か?」

「いや、二人は決勝戦で出す。それまでは他の三人だ。コイツ等も強いぞって所を他校にも教えるためにな」


 それを聞いたシャーズは「なるほど」と納得した。

 ガクラは誰を出すのか決めるために、相手校の方を見た。

 相手校の監督は、出場させると思われる二人の生徒に指示を出していた。

 一人はチェーンハンマーを持った鬼人族の男子生徒。もう一人は弓を持ったエルフの女子生徒だ。

 ガクラは少し観察すると、シフールとフウケを指さした。


「第一試合はお前等な」

「え? わ、分かりました」

「了解でーす」


 ガクラは二人に指示を言うと、二人はステージに向かった。


「ところで、今言ったことには本当になるのか?」

「多分な。まぁ見りゃあ分かる」


 両校の生徒がステージに上がると、大会の運営の人が紐のついた小さな木の的を生徒に渡している。


『それでは試合を始める前に、今大会のルールを説明します。今出場生徒にお渡しした木の的。それを体の何処かに付けてもらいます。自分の的を破壊、もしくはステージから落とされた生徒は負けとなります。相手二人を敗退させた学園が勝ちとなります』


 ルール説明が終わると、出場生徒は的を紐で体に付けた。


『それでは第一試合、開始!』


 試合開始のベルが鳴った。


「先手必勝!」


 試合開始の直後、相手校の鬼人族の男子生徒がチェーンハンマーを思いっきり回して振り下ろすと、シフールとフウケはそれぞれ横に跳んで躱した。


「行きますよ!」

「はい!」


 シフールは鬼人族の男子生徒、フウケはエルフの女子生徒に向かって走った。


「速い!?」


 エルフの女子生徒は驚きながらも矢を放つが、フウケは小刀で弾く。


「くっ!」


 エルフは二発連続で矢を放つが、フウケは一発目は普通に弾き、二発目をエルフの足元に向かって強く弾くとバランスを崩した。

 その隙にフウケが近づくと、エルフは背中の矢にではなく、腰の方に手を動かした。

 それを見たフウケはガクラの指示を思い出す。


『あのエルフの奴は恐らく腰に短剣か何かを忍ばせている。近づいたら十分注意しろ』


 フウケはエルフの動かした手を注意して見ると、ガクラの言う通り短剣を取り出したので、フウケは短剣を蹴り飛ばした。


「え!?」


 困惑するエルフを尻目に、フウケは体を一回転させて小刀で腹にある木の的を破壊した。


「クソっ!!」


 鬼人族は手元に戻したチェーンハンマーをシフールに向かって振り投げるが、シフールは地面を転がって避けて近づく。

 鬼人族は歯を食いしばると、チェーンハンマーの鎖の持ち方を変えた。

 それを見たシフールの頭にもガクラの指示が流れた。


『あの鬼人族は離れた相手にはチェーンハンマーの鉄球、近くの相手には鎖を鞭のようにして攻撃するはずだ。そうしたら剣に雷の属性力を纏わせて鎖に当てろ』


 鬼人族は鎖をシフールに向かって振ると、シフールは剣に雷の属性力を纏わせて当てると、電気が鎖を伝って鬼人族に流れていき、鬼人族は電気で痺れて鎖を離した。

 その隙をついて、シフールは腹の木の的を破壊した。


『試合終了。第一試合勝者、セシュイン学園』


 観客席から「おおっ!!」と歓声が上がると、フウケはシフールに向かって笑顔でピースをすると、シフールも照れながら笑顔でピースを返した。


「凄いな。本当に言う通りだったな」


 ガクラの予想、指示通りの試合に、シャーズは驚き目を丸くする。


「私だったらあんな指示を出せる自信がない」

「そうか? アンタも本気になればこれぐらい出来んじゃねぇのか? 元ヒュルマノ王国騎士団副団長さん」

「もう20年以上前の話だよ」


 そう言ってシャーズは苦笑いをする。


――――――――――――――――――――


 試合を終えて控え場所に戻ってきたシフールとフウケに俺は「お疲れさん」と声を掛ける。


「緊張しましたが、ガクラさんに言われたことが上手くいって良かったです」

「俺等が鍛えて負けましたじゃあ流石の俺等も悲しいぞ。だから頑張ってもらわねぇとな」


 俺がそう言うとシフール、フウケ、ルーヤは苦笑いする。

 その後、試合は難なく進み一回戦が終わった。


「他の学園も悪くはないな。特に最後の試合に勝ったのは他の学園より強いな」

「あれはルディノ学園と言い、セシュインと同じ中央町にある学園だ。文武両道のうちと違って冒険者を目指す者専門、つまり戦闘訓練に力を入れている学園でな、この大会での優勝経験も一番ある」

「優勝候補か。……そういやぁこの学園は何回優勝経験あんだ?」


 俺が聞くと、シャーズの表情が固まった。


「……無いんだ」

「は?」

「恥ずかしながら無いんだ。流石に戦闘専門の学園には敵わなくてな」

「マジか」


 まさか学園長の奴、一回でも優勝したいからって俺に監督を頼んだんじゃあねぇだろうな?

 そんなこんな考えている内に二回戦が始まろうとしていた。

 二回戦の相手は槍と双剣の近距離武器の相手だから、俺は近距離船が得意なシフールとルーヤを指名した。

 そして二回戦も、二人は俺の指示通りに動いたお陰か、難なく勝つことが出来た。

 その試合の間、クラカが早く出たいと文句を言ってたが、俺は決勝まで我慢しろと言った。

 第二試合が半分まで終わると、昼休憩の時間になった。


「父さん! 準決勝と決勝、私出たい!」


 会場の食堂で昼飯を食っていると、クラカがそう叫んだ。


「だからぁ、決勝まで我慢しろつってるだろっ」


 俺はクラカの頭をビシッと叩いた。


「ここまで難なく来たんだ。コイツ等に任せときゃあ十分だ。んで、決勝はお前とガネンに任せる、それで良いだろ」


 そう言うと、クラカは口を尖らせる。


「残りの準決勝と決勝、気合入れとけよお前等」

「「「はい!」」」

「「おー」」


 ちょっとテンション低くない? 俺の子達。


「ん?」

「どうした父さん?」

「いや……なんでもねぇ」


 何か嫌な視線を感じた気がするが、気のせいか。


――――――――――――――――――――


 二回戦の残り半分が終わり、続いて準決勝。

 相手は片手剣と魔法使いなので、ルーヤとフウケを指名。そして難なく勝利。


「とうとう決勝か。我が校はこれまで決勝にすら行けなかったからな」

「そこまでかよ。相手は……まぁ殆ど決まってるようなもんだな」


 今行われている準決勝の第二試合を見て俺は言う。

 決勝の相手は間違いなく優勝候補のルディノ学園だ。


「ルディノ学園はあの生徒が一番強いようだな」


 俺が注目したのは赤毛のショートヘアーに大剣を武器にしている鬼人族の女子生徒だ。

 あの生徒はこれまで一回戦と二回戦に出ていて、攻撃を受けずに勝利している。


「あの子は確か、ルディノ学園の学園長の娘だな。前に訪問した際に聞いた」


 俺は口元を手で押さえて少し考えていた。


「どうしたんだ?」

「いや、アイツの戦い方を見て、ちょっと気になってな」


 俺の言ったことに、シャーズは首を傾げる。

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