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超人種族の異世界英雄記  作者: 至田真一
全校対抗戦
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新特別教師

 六月の中旬。夏が近づいてきて少しづつ暖かくなってきた。


「あ~めんどくせぇ~」


 俺は屋敷で朝食のパンを食べながら嘆く。


「父さん、どうせ学園では鍛錬の授業しかやることないんだからいいじゃん」

「そうだー。私達は授業全部に参加してんだぞー」


 確かに授業が無い時がある俺達に比べて、二人はほとんどの時間授業だもんな。


「それに父さん等がのんびりしていられるのも今だけだぞ。九月になったら新入生入んだから」

「あ~そうだった」


 この島の学園は少し変わっていて、九月に新入生が入る。そして三月に在校生が卒業し、新入生が在校生になる。そして九月に新入生が入るという仕組みだ。


「しかも今年度のセシュイン学園の入学希望者、歴代最高だって」

「へー、何で?」

「私達がいるからじゃない?」

「あ~そういうこと」


 大方、大英雄から授業受けたいとかそんなんだろうな。


「ねぇ、そろそろ行かなくていいの?」


 クカナに言われて時計を見ると、あと20分ぐらいあった。

 少し早歩きで歩けば十ぶ――。


「今日朝、集会あるって言ってなかったけ?」

「「「あ」」」


 忘れてた! どおりで皆さっさと向かったはずだ! 始まる五分前には集合だった!


「急ぐぞ! ガネン、クラカ!」

「おわっ! ちょっ待って!」

「ひほげひほげ(急げ急げ)!」


 ガネンは転びそうになり、クラカはパンを詰め込みながら屋敷を出てオールブ島の家に向かった。


「いってらっしゃーい。……さて、私も急いで準備しますか」


 三人が出たのを確認すると、クカナは自分の部屋に向かった。


――――――――――――――――――――


「いやー間に合った」

「何が間に合っただ。すげーギリギリじゃねぇか」


 集会のほぼ一分前に着いた俺はエスティーに指摘される。


「忘れてたんだよ。そういやぁ今日の集会の内容なんだっけ?」

「俺等もよく知らねぇ。今日の朝集会を開くとしかな」


 講堂に全教員、生徒が集まり、壇上の真ん中に学園長が立ち集会が始まった。


『それでは皆さん、本日の集会を始めます。まず最初に、本日よりこの学園で働く特別教師の方を紹介します』

「特別教師? 誰か知ってるか?」

「いや、知らねぇ」


 エスティーが首を横に振り他の皆の方を見ると、俺の視線に気づいた皆も首を横に振る。

 誰も知らねぇのかよ。誰なんだ一体?


『それではどうぞ』


 学園長が横を向いて移動すると、その特別教師が姿を見せた。


「……え?」


 新しい特別教師を見て、俺は呆気に取られていた。

 俺だけじゃない。他の皆も、その人を知っている一部の生徒も驚いている。


『こんにちは皆さん。今日からこの学園の特別教師になりましたクカナです。よろしくお願いします』


 教員服を着たクカナは頭を下げて挨拶をした。

 俺は集会が終わるまでの間、ずっと呆気に取られてボーっとしていた。


――――――――――――――――――――


「アンタが特別教師ってどういこと?」


 アスレルが聞くと、クカナは照れながら答える。


「だって皆がいなくて退屈だったし、なんなら私も教師になろうかなーと思ってこっそり勉強してたの。それである程度教えられる程度の知識は得たから、学園長に頼んで特別教師にしてもらったの」

「アンタ意外と行動力すごいのね」


 アスレルがそう言うと、クカナは照れながら笑う。

 そんな中俺は、床に膝を付けると続いて手を床に付けた。


「どうしたガクラ? あまりの嬉しさに崩れたか?」

「違う。こっそりって言われて……なんか、隠し事をされたみたいで……ちょっと悲しい」

「オメーは何に悲しんでんだ」


 悲しんでいる俺の所にクカナが来てしゃがみこんだ。


「ごめんねガクラ。でもこれで、家だけじゃなくて学園でも一緒だよ」

「クカナァ~」


 俺は膝を床につけたままクカナに抱き付いた。


「……おい、このバカ夫婦どうにかなんねぇのか?」

「こればかりは私達も無理ね」


――――――――――――――――――――


「ったく、なんなんだよぉ。もう少しで昼飯だってのに」


 午前最後の授業がもう少しで終わるって時に、俺は校内放送でいきなり学園長に呼び出された。おかげでちょっとイラついてる。

 学園長室の前に着くとドアを開けて中に入った。


「おーい、来てやったぞ」

「はい。来ていただいてありがとうございます」

「んで、俺を呼んだ用はなんだ?」

「今回お呼びしたのは、来月に行われる全校対抗戦についての事です」

「なんだそりゃ?」


 初めて聞く言葉に俺は顔をしかめる。


「オールブ島にある全高等学校が参加する大会です。もちろん我が校の高等部も参加します」

「ふーん……で、俺に何をしろと?」

「ガクラさんにはこの大会に参加する生徒を決めていただき、更にその生徒達に指示をする監督をしていただきたいのです」


――――――――――――――――――――


「……なんて言われたが、完全にこれ丸投げじゃねぇか。監督をやってほしいのでついでに生徒を決めて下さいって感じなんだが」


 昼休みに食堂で昼食を食べながら俺は参加生徒を書く書類を見ながら言う。


「まぁ良いじゃん。せっかく頼まれたんだし、やってあげたら?」

「クカナが言うんじゃしょうがない」


 隣に座っているクカナに言われて真剣になった俺を見て、セーユがジト目で見る。


「ガクラさん、クカナさんに弱すぎでしょ。まぁ、ちゃんとやってくれるから良いですけど」

「そう言えば代表生徒って何人なの?」

「五人だ。あと誰にするか?」

「『あと』って何人か決まってるんですか?」

「ああ、二人な」

「二人……」


 俺がそう言うと、セーユ達はクカナの隣に座っているガネンとクラカに視線を向けると、その視線に二人が気付いた。


「ん?」

「何?」


 二人は集中されている視線に首を傾げる。


「さて、あと三人は……」

「ちょっと待て父さん。もしかして俺とクラカ、参加決まってんの?」

「あたりめーだろ」


 そう言われたガネンとクラカは顔をしかめる。


「なんかこの二人だけで優勝出来ちゃいそうな気がするんですけど」

「そうかもしんねーが、一応あと三人決めねーと」


 誰にすっかなー。もうテキトーでいいか?

 でもこの大会トーナメント戦らしいし、しかもタッグマッチ。

 あの二人だけずっと出させるってのもなー。


「悩んでるね」

「ああ」

「もうガクラが優秀だと思う生徒で良いんじゃない?」

「優秀ね~」


 クカナに言われて俺は考えた。

 鍛錬の授業で成績が良い、優秀だと思う三人を。


――――――――――――――――――――


「それでは、明日の午前は私はいないので、その間はお願いしますね教頭先生」

「はい。分かりました」


 教頭のシャーズが返事をするとジュリエが手に持っている書類に目が行った。


「参加生徒が決まったんですか?」

「ええ。流石ガクラさんです」


 ジュリエは手に持ったプリントを眺めた。

 監督

 ・ガクラ

 参加生徒

 ・ガネン

 ・クラカ

 ・シフール・ウィート

 ・ルーヤ・セラック

 ・フウケ・リーフナ

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