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超人種族の異世界英雄記  作者: 至田真一
訪問、光の兄弟の屋敷
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ガクラVS霊

「「「あぁぁぁぁぁぁぁ!!」」」


 俺達は背後から追いかけてくる人形から全速力で逃げていた。


「ちょっとガクラさん! あの人形どうにか出来ないんですか!? その……光族の力とかで!!」

「バカ言うんじゃねぇ!! 俺達は元の姿に戻るだけでもエネルギーを使うんだよ!! こんな事の為に戻る訳無ぇだろ!!」


 エネルギーが回復する早さは、消耗する早さより遅いんだ。

 だから俺達はマジで緊急事態の時にしか戻らねぇ。


「攻撃が効かねぇんだ! 今は逃げろ!!」


 俺達はとにかく人形から逃げ続けた。

 途中で別の人形達が現れ、角を曲がり廊下を走り続けると階段を下りて一階に下り、まだ追いかけ続ける人形達から逃げ、俺達は一つの部屋に飛び込んだ。


「はぁ~、しつけぇなあの人形共。皆いるか?」

「おぉ~」

「だいじょーぶ」


 はぐれていたクラカ達とも合流でき、一応全員無事だ。


「父さん、この部屋は……」

「見た所この屋敷の持ち主の部屋って感じだな」


 飛び込んだ部屋は、誰か一人の部屋って感じだが、明らかに豪華で広い。


「ちょっとこの部屋調べてみるか。持ち主の部屋なら何かありそうだし」


 俺達は部屋の引き出し、タンス、本棚などを調べた。


「凄い数の本。殆どボロボロだけど……ん?」


 本棚を調べていたセーユは、一冊だけ異様に綺麗な本を見つけた。


「何でこれだけ……」


 セーユがその本を取り出そうとすると、カチャンと音が鳴って暖炉の方から煙が出た。


「うわっ!?」

「おいおい。お前何やってんだ?」


 すると暖炉が動いて、地下に通じる階段が現れた。


「……マジか」


――――――――――――――――――――


 俺達は階段を下りて地下に向かった。

 地下にはただ大きな暗い部屋が一つあるだけだった。


「ガクラさん。この部屋は一体?」

「さぁな。だが、隠し階段で来る部屋なら何かあるな」


 部屋を少し進むと、セーユの足に何かがぶつかった。


「何かしら?」

「おい、暗いから火点けるぞ」


 俺は火の属性力で剣に火を点けた。


「きゃあっ!!」


 明るくなった途端、急にセーユが悲鳴を上げた。

 そんなセーユの足元には白骨死体が転がっていた。

 よく見ると、部屋のあちこちに白骨死体が転がってる。


「父さん、これって」

「多分この屋敷を調べに来た奴等だろうな……っ!」


 上の方で気配感じて俺は天井を見た。

 そこには全長六メートル程ありそうな大きな死神蜘蛛が天井に張り付いていた。


「うわーデカ」

「俺が倒したのより二倍はあるぞ」


 死神蜘蛛は天井から飛ぶと、俺達に襲い掛かってきた。


「「「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」」


 生徒達が怖がる中、俺は剣の火を更に強くした。


「くらえっ!!」


 俺は火の斬撃を死神蜘蛛に向かって飛ばした。

 斬撃を受けた死神蜘蛛は地面に落ちて転がり、やがて動かなくなると燃えて消えていった。


「凄いですねガクラさん。あんな大きいのを一撃で」

「まっ、あれぐらいならな」

「この白骨死体達もさっきの死神蜘蛛に?」

「いや、違ぇーな。あれを見ろ」


 俺は地面に転がっている真っ二つに斬られた鎧を指差した。


「死神蜘蛛の鎌はあんな大きさでもあのぐらいの鎧は真っ二つに斬れねぇ」

(つまり、ここにはまだなにか……)


 すると部屋の壁に付いてるランプに明かりが灯った。不気味な青い色に。

 今度は、部屋の奥に紫色の煙が集まって、その中から三メートル程の全身に鎧、両手に剣を持った骨の剣士が現れた。


「宝ヲ狙ウ賊メ。生キテハ返サン」

「あれは……」

「この屋敷に仕えてた奴の霊かもな。調査に来た奴は皆アイツにやられたんだろう」


 骨の剣士は目を赤く光らせながらこちらを見る。


「ガクラさん。どうするんですか?」

「どうするって……決まってんだろ」


 ガクラの顔を見たセーユは目を見開く。

 その目が、今朝光の兄弟の屋敷で見た写真、そして以前オールブ島で犯罪者が召喚した界獣と戦おうとしているときと同じ顔であることを。


――――――――――――――――――――


 俺は剣を手にし、骨の剣士に向かって走った。


「おらぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 剣士は両手の剣で大量の斬撃を放った。

 俺はそれらを躱したり剣で弾いたりして剣士に近づいて行く。

 ある程度近づくと、剣士は斬撃を放つのを止めて剣で攻撃してきた。

 相手は二本、俺は大剣一本だが、相手の剣の腕はまぁまぁ良い方だな。

 剣が何度もぶつかり合い火花が飛び散る。

 剣士は二本の剣を同時に振り下ろすと、俺は大剣でガードした。


「ふんっ!!」


 俺が弾き剣士はよろつくと、両手の剣に力を溜め、剣が紫色に光る。


「本気か。んじゃあ俺も」


 俺は大剣を構えると、剣に光の属性力を溜めた。

 そして同時に剣を振りぶつかると、相手の二本の剣が折れ、相手の胴体が真っ二つに斬れた。

 斬れた上半身は地面に落ち、下半身はゆっくりと倒れる。

 剣士の目から光が消えると、体が紫の粒子となって徐々に消えていった。


「ア、アアア、アァァ……」


 完全に消えると青く光ってたランプがオレンジ色に光った。


「お疲れー父さん」

「いやーまあまあやる奴だったな。三、いや二級ぐらいの実力はあったかもな」


 明るくなった部屋を再び見ると、奥の方に一本の剣が飾られていた。


「何だあの剣? おっ!?」


 その剣は刀身や柄に小さな宝石が幾つも散りばめられていた。


「さっきの霊はコレを守ってたのか」

「でもどうして霊がこんなのを?」

「多分これを守ってた奴が死んで霊になっちまったんだろう。自分が死んだことに気付かないで霊になる奴もいる」


 ……ってエンジェが前に言ってた。

 俺はその剣を手に取って、地下を粗方調べてから出ると、屋敷内も調べて玄関ホールに戻ってきた。

 開かなかった玄関は今度は開いて外に出られた。

 多分あの霊が出られなかった原因だな。

 誰も帰ってこないのも、あの霊が人形を使って地下に招いて倒していったんだろう。


「じゃあ帰るぞお前等」

「「おー!」」

「「「はい!」」」


――――――――――――――――――――


 道中、何事もなく町に戻ってきた俺達は、町長に依頼の報告をして依頼を無事完了した。


「よぉ。報告してきたぜ」

「戻ってきましたか。……あれ? その剣……」


 ガクラの手には、地下で見つけたあの剣があった。


「なんか差し上げますって言うからよぉ、貰った」

「そうなんですか」

「ああ。じゃあ行くぞ」

「行くって……屋敷に帰るんですか?」

「いや、その前にこれを売る」

「え?」


 ポカンとするセーユを尻目に、俺達は町の換金所にやってきた。


「あの剣売っちゃうんですか」

「貰ったんだから俺の自由だろ」


 小さくても多くの宝石が付いたあの剣はかなりの値があると予想するガクラはワクワクしながら結果を待った。


「ガクラさん。結果が出ました」


 店員に呼ばれ、ガクラは聞きに行った。


「それで、どうだ?」

「はい。五千ゴルドです」

「…………は?」

「だから五千ゴルドです」


 ガクラはプルプルと震えると、剣の柄を持って店員に見せた。


「ちょっと待て!! こんなに宝石が付いてんのに千万でも百万でもなく五千!? 何でだ!?」

「こちらの剣に付いている物なんですが、確かにこの剣が作られた当時はかなりの高値でしたが、後々に世界各地で鉱脈が見つかって今でも普通に取れる物が殆どなので、価値が下がってしまって……」


 それを聞いたガクラは剣の刀身を持ってプルプルと震えた。


「ふ、ふざけんなぁぁぁ!!」


 ガクラは剣を真っ二つに折った。

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