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超人種族の異世界英雄記  作者: 至田真一
訪問、光の兄弟の屋敷
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光の兄弟の勲章

 昼食を終えた俺達は、屋敷に戻るために町を歩いていた。


「もうあの二人の勝負って終わってるかな?」


 セーユが気にしてるのは、多分父さんとエスティーの勝負だな。


「一時間以上経ってるし、終わってると思う」


 でもあの二人……なかなか終わらないんだよな。

 そして屋敷に着くと、かなり疲労しているが二人はまだ戦っていた。


「ハァ……どうしたガクラ……。大分疲れてるぞ……」

「何言ってやがる……お前の方が疲れてるぞ……ハァ……」

「いいや、お前の方が疲れてる!」

「いや、お前の方が!!」

「「ふざけんなテメェ!!」」


 二人の剣がぶつかり、金属音が響く。


「まだ終わってなかったな」


 俺達は勝負を見ている皆の所に行った。


「おっ、戻ってきたか」


 地面に座って勝負を見ていたエグラルが俺達に気付いた。


「うん。まだあの二人戦ってるのか」

「大分疲れてるだろうし。すぐ終わるだろ」


 確かに息結構荒れてるし、すぐ終わりそう。

 そう思った矢先、二人を囲っているバリアにビシッとヒビが入った。


「……ねぇエグラル。バリアにヒビが出来たけど」

「おいおい。五回ぐらい強化したのにな」


 更にヒビがどんどん増えて、大きくなっていく。


「「うおぉぉぉぉぉぉぉ!!」」


 二人の剣がぶつかり、ガキンッ! と音と響くと、バリアが割れ、ぶつかった衝撃で二人の剣が手から離れた。


「あの、割れちゃったんですけど大丈夫なんですか?」

「さぁ?」


 セーユが不安になる中、剣が手から離れた二人は拳を突き出し、お互いの顔に当てた。

 ……。


「なんか動かなくなったんだけど」


 一分程経つのに、二人が拳を当てたまま動かない。


「これ……もしかして」


 俺はクラカと一緒に父さんとエスティーの元に行ってちょんっと指で突くと、二人はバタンと倒れた。


「また引き分けだな」

「だね」


―――――――――――――――――――


 気を失った二人を、俺達は屋敷に運んでソファに寝かせた。


「おぉぉぉ!! 光の兄弟の屋敷に入ることが出来ました」


 屋敷に入ると、モリンのテンションがすごい上がった。


「ちょっと落ち着きなさいよ」

「これが落ち着かずにいられますか! 大英雄の自宅ですよ!」


 モリンが騒いでると、父さんとエスティーが目を覚ました。


「うるせぇな、何なんだ? 痛ててて」


 父さんが殴られた所を押さえながら上半身を起こした。


「クソっ。また引き分けか」

「もうずっと引き分けなんじゃねぇの?」

「ずっとじゃねぇ!! いつか勝敗つける!!」


 もう千年ぐらい戦ってずっと引き分けじゃん。それも凄いけど。


「あのガクラさん。あの壁に飾ってあるアレって」


 セーユが指さしたのは、壁の額に入っている14枚のメダルのような物だ。


「あ~、アレは魔王を倒した後に王達から貰った大勲位だ」


 それを聞いた生徒達は勲章を見て目を輝かせた。

 確か大勲位は勲章の中で一番上だったはず。


「やっぱり凄いですね。大勲位なんて、SS(ダブルエス)ランクの冒険者でも取れるような物じゃないですよ」


 冒険者にはランクがあって、下からF、E、D、C、B、A、S、SSに分かれていて、SSランクは光の兄弟を除くと、世界に10人ぐらいしかいないらしい。

 父さん達は全員SSランクだけど、俺とクラカは冒険者登録してから依頼を一つもやってないからまだ最低のFランクのままだ。

 すると母さんが、手に何枚かの紙を持って部屋に入ってきた。


「ねぇガクラ。依頼が八つも来たけど」

「何!? どんな依頼だ!?」

「えっとー、なんか『全王会議』の護衛依頼だって」

「あー、もうそんな時期か」


 全王会議って確か年に一度、全部の種族の王が集まって話し合う会議って前にメイトから聞いたことがある。


「やっぱり凄いですね。王様の護衛を頼まれるなんて」


 母さんが依頼をテーブルの上に置くと、父さんとエスティーが手を伸ばすが頭をぶつける。


「「邪魔すんじゃねぇ!!」」


 依頼は早い者勝ち。だから依頼が全く来なかった二人からしたら念願の機会だった。

 二人がまた喧嘩しているのを尻目に、皆が依頼取っていって、一枚また一枚と減っていき、とうとう残り一枚になった。


「あ!」

「やべっ!」


 気付いた二人は急いで手を伸ばすが、ウルファーが最後の一枚を取ってしまい、二人はテーブルの上を滑って落ちて、床に頭をぶつけた。


「ウルファー、それはないんじゃないの?」

「早い者勝ちなんだろ?」


 そう言ってウルファーは部屋を出ると、父さんはガクンとなった。

 その後、勉強会を再開し、俺とクラカは皆に教えられながら進み、気付いたら夕方になっていた。


「もう夕方だしそろそろ帰らない?」

「そうですね。勉強もある程度進みましたし」


 セーユが言うと、皆は帰り支度をし始めた。


「今日は皆のお陰で結構勉強が進んだ気がする」

「うん。これならテストいけそうな気がする」

「私達も有意義な一日だったわ。二人の提案と許可をくれたガクラさんのお陰ね」


 皆は満足そうな顔になって支度を終えると図書塔を出た。


「あっ、皆来てたんだ」


 図書塔を出ると、汗をかいたメイトがいた。


「どうしたのメイト? 見かけなかったけど」

「ちょっと工房にね。ガネンとクラカの剣を作ってたんだ」

「え? ホントに?」

「うん。それで今出来たから渡しに行こうかなと」


 メイトは手に持ってる袋から二本の剣を取り出して俺とクラカに渡した。


「「おぉぉぉ」」


 俺とクラカは渡された剣を手に取ってじっくりと見た。

 俺のは片手でも持てる大きめの赤い剣。

 クラカのは少し細身の青い剣。

 俺達は少し素振りをして使い心地を確かめた。


「使いやすいよ、これ!」

「ああ。凄い手に馴染む」


 剣を見ながら言うと、俺はふとあることを思った。


「そういえば、学園に武器って持っていって良いんだっけ?」

「自分の武器を持ってる人は学園に許可書を出せば持参OKよ」

「それなら、僕が明日学園から貰ってこようか?」

「おぉ、ありがとうメイト」

「やっぱり父さんより頼りになるよ」

「ガクラさん凄い言われようね。じゃあ私達帰るわね」

「ああ。じゃあね」


 セーユ達はオールブ島の家に通じる転移魔方陣の元に向かった。

 するとメイトが口を開く。


「あれ? 確か今オールブ島は……」


――――――――――――――――――――


『現在、島に嵐が上陸しています。島の皆さんは屋内に避難し、外出しないで下さい。繰り返します。現在、島に嵐が……』


 外では猛烈な雨風が家の窓から見えていた。

 これは確かに外には出られないな。


「皆、今日は泊っていきなよ」

「……すみません」


 結局、皆は泊ることになった。


――――――――――――――――――――


「はぁぁ~」


 泊まることになった女子達は、アスレルと一緒に光の兄弟の風呂に入っていた。


「良い湯ですね」

「一応天然の湯だからね、これ」

「そうなんですか。でもどうやって?」


 気になるセーユがアスレルに聞いた。


「屋敷を買った時に風呂が壊れてて、町の大衆浴場行くのは大変だからどうしようかなって言ったらガクラが『じゃあ掘るか』って言ったの。そしたら……」

「出てきたんですか?」


 アスレルはコクっと頷いた。


「ガクラさんってバカなのに凄いですよね」

「逆にバカだから凄いのよ」


 皆は少し納得した顔になる。


――――――――――――――――――――


 女子達が風呂から出た後、屋敷のダイニングで夕食を取っていた。

 今日はサラダと簡単に焼いた肉だ。


「なんか金あまり持ってないと言っていた割には食料は意外とありますね」

「野菜は一応育ててるし、肉はこれまで依頼で倒した魔物の肉とかの在庫が結構残ってるから食べ物には困ってないんだよ」

「困ってんのは金の方だな。まぁ、王の護衛依頼で結構貰えるだろうし、大丈夫だろ」


 皆で食事を済ませた後、風呂に入っていない者は入り、生徒の皆は客室で寝て、ガクラ達は自室で夜を明かした。

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