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超人種族の異世界英雄記  作者: 至田真一
セシュイン学園
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クラス対抗戦

「ガクラさん。いいですか?」

「あ?」


 学園の廊下を歩いていると、突然セーユが俺に声を掛けた。


「実は頼みたいことがありまして……」

「そうか、ヤダ」

「まだ何も言ってないんですけど」

「だってぜってー面倒臭い事頼む気だろ。分かってんだよバカヤロー」


 コイツは生徒の中では権力がある方だ。

 権力ある奴は大体面倒な事頼むんだよ。


「せめて聞いて下さい。私のクラスにいる職人研究会の会長が、ガクラさん達光の兄弟の武器を見たいって言うので明日全員の武器を用意出来ないかって言われたんです」

「あっそう。つーかなんだよ、職人研究会って?」

「その名の通り、職人としての腕を磨いたり、学んだりする研究会です」


 結構研究会ってあるんだな。

 前にガネンとクラカから光族の事を知る研究会があるって聞いたし。


「明日皆の武器をか。めんどくせーな」

「生徒の頼みを聞いてくれたら報酬上がるかもしれませんよ?」


 コイツ、俺が金の亡者だと思ってんのか?


「俺がそんなんで簡単に受けると思うな! ……その研究会の教室は何処だ?」

「あっ、受けてくれるんですね」

(ガネン君とクラカさんの言った通りだ。こう言えば大体受けてくれるって)


――――――――――――――――――――


 その日の夜に俺は皆に説明して、翌日の放課後、俺は皆の武器を持って職人研究会の教室に向かった。

 流石に一人で全部持っていくのは難しいからガネンとクラカ、そしてエスティーにも手伝ってもらってる。


「ったくよぉ。何でお前が受けた頼みごとを、俺まで手伝わなきゃあいけねぇんだよ」

「いいじゃねぇか。流石に14人分の武器を一人で持っていくのは大変なんだぞ」


 持っていく武器は俺の大剣、クレンのブーメラン、エンジェの弓、ファルクの短剣二本、メイトの剣、フォクサーの魔法銃、アスレルの鞭、ウルファーのツメ、ノクラーの棍、エスティーの双剣、アールの仕込み杖、レイルの扇。

 エグラルとシュラルは格闘術を使うため武器はないし、ガネンとクラカの武器はまだ出来上がっていない。

 ガネンには大剣、クラカには片手剣を作る予定だ。


「着いた。この教室だ」


 昨日セーユに教えられた教室に着いた俺達は中に入った。


「おっ、来たか」


 入ってきた俺達に真っ先に気付いたのは、青い髪をした人間の女だ。

 見た感じ生徒には見えない。


「えっと、お前は?」

「私は職人研究会の顧問をしているメタルラだ。今日アンタ等が来るって会長から聞いてな」

「そうか。で、その会長は?」

「ちょっとまってくれ。おーい、リーカ!! 来たぞ!!」


 メタルラが呼ぶと、奥の方からちょっと小柄な金髪のエルフの女子生徒がやってきた。


「おー来たか。待ってたぞ」

「彼女が職人研究会の会長、リーカ・シラーヌだ」


 メタルラが紹介すると、リーカは腰に手を当てて胸を張った。


「ほれ。頼まれてた俺達の武器だ」


 俺達は近くの机に武器を置いた。


「おお! 凄いな!」


 リーカは目を輝かせていた。すると教室のドアが開いて、入ってきたのは、確かガネンとクラカのクラスメイトのルーヤだ。


「すみませーん。授業用の武器の受け取りに来ました」

「ああ、ご苦労さん。リーカ、持ってきて」

「はーい」


 リーカは大きめの袋を持つと、ルーヤに渡した。


「ほら、ルーヤ」

「うん。いつもありがとう」

「なーに、気にするな! へへ」


 なんかリーカ嬉しそうだな。


「なぁ。重そうだし、手伝おうか?」

「いや、これぐらいなら平気だよ」

「そ、そうか……」


 なんか今度は残念そうだな。


「それじゃあ失礼します」


 ルーヤは教室を出た。


「今のが青春ってやつか」

「そんなところかな」


 エスティーがメタルラと何か話していた。


「何の話だ?」

「お前にはカンケ―ねぇ話さ」


 俺とガネンとクラカは首を傾げた。


――――――――――――――――――――


「今日は皆に伝えることがある。急だが、今日の午後クラス対抗戦を行うことが決まった」


 ある日の朝のホームルームで担任の言葉に皆は少しざわついた。


「ホントに急だな」

「突然やるもんね、対抗戦」


 対抗戦ってことは他のクラスと戦うのか。

 鍛錬の授業でもあんまり生徒と戦ったことないからいいかも。


「今回のルールは、各クラス代表五人。一人ずつ戦う点取り試合で三勝したクラスの勝ちだ。トーナメント形式だが、五クラスしかないため試合数が少ないシード枠もある。以上が今回のルールだ。それじゃあ代表の五人を決める。誰か出たい奴いるか?」


 先生が言った後、カーシュが手を挙げた。


「先生。やっぱりあの二人が良いと思います」


 そう言ってカーシュは俺とクラカを指差した。


「まぁ二人は参加制限とかないから別に良いが……二人はどうだ?」

「そうですねー。俺は別にいいですけど、クラカは?」

「私は出たい」

「よし二人は参加。あと三人は、そうだなぁ……」


 その後、皆の意見でこれまでの対抗戦で成績が良いルーヤ、キシュウ、フウケの三人に決まった。


――――――――――――――――――――


 午後。クラス対抗戦の時間がやってきた。


『皆さん。いよいよクラス対抗戦の時間がやってまいりました』


 鍛錬場の教師専用の観覧席で、学園長ジュリエがマイクで開始の挨拶を始めた。

 ジュリエの隣りには、シフールの父親でもある教頭のシャーズ、そして俺、ガクラが座っている。

 そんな俺達が、今回の対抗戦の解説をやることになった。


『では解説のお二人。今回の対抗戦をどう見ますか?』

「そうですねぇ。光の兄弟が来て初めての対抗戦。きっとこれまでより良い試合になると思います」

『そうですか。では、ガクラさんは?』

「あ? あ~そうだな~。良い試合になんじゃない?」

『分かりました。それでは各クラス代表、入場してください』


 ジュリエの言葉で、鍛錬場に各クラスの代表が一組から順に入ってきた。


『それでは、代表の一人は、教師の持っている番号札を取りに行ってください』


 それぞれのクラスの五人の内一人が、鍛錬場にいる箱を持った教師の所に行くと、箱に手を入れて、番号の書かれた紙を取り出した。

 その結果、一番は一組、二番は五組、三番は四組、四番は二組、五番が三組となった。

 トーナメント表を見ると、一番と二番と五番がシード枠でそれぞれ最大二試合になっている。

 三番と四番は最大で三試合になっている。


『それでは、対抗戦を始めます』

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