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超人種族の異世界英雄記  作者: 至田真一
セシュイン学園
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セシュイン学園の生徒

「今日の鍛錬の授業終わりー」


 教室に戻る道中で、クラカは腕を上げて体を伸ばしていた。


「まぁ、他の皆の様子を見てただけで特に何もやってないけどな」

「確かに」


 教室に着いた二人は自分達の席に戻ると、机の上に一枚の紙が置いてあった。


「何だこれ?」

「何だろーね?」


 ガネンは紙を開くと、こう書かれていた。


『ガネン君、クラカさん。放課後、西側校舎の三階。北側の一番奥の部屋に来て下さい』


 書かれてる内容に二人は首を傾げる。


「何なんだ一体?」

「さぁ?」


――――――――――――――――――――


 放課後。ガネンとクラカは紙に書かれた場所にやってきた。


「西校舎三階、北側の一番奥。……ここだよな?」

「多分そうだと思うよ」


 ガネンがドアを開けると、部屋には照明が点いておらず、窓にも何故か黒い幕が張られていて教室の中は真っ暗だ。


「暗っ」

「ここまで暗いと見えにくいね」


 夜目が効く光族の二人でも、人間の姿では足元すら見えにくいため気を付けながら入っていくと、突然ドアが閉まり二人が振り向いた次の瞬間、パッと部屋に明かりが点いた。


『ようこそ!! 光族ファンクラブへ!!』

「「は?」」


 突然現れた十数名の生徒と言ったことに二人は意味が分からず呆気に取られていた。


「さぁさぁお二人共。椅子に座って下さいな」


 ガネンとクラカは押されて用意された椅子に座った。


「よく来てくれましたガネン君、クラカさん。私達は伝説研究会。通称、光族ファンクラブです。そして私はここの副会長をしている、記者志望のモリンと言います」


 自己紹介したのは、眼鏡をかけたエルフの女子生徒だ。


「あっ、会長は用事があるので後で来ます」

「あっそう。……で、ここは何?」

「私達は元々、この世界に伝わる数々の伝説などを調べる研究会だったんですけど、光の兄弟の皆さんがこの世界に来たことが分かってから光族の事を重点的に調べていたら……気付いたらファンクラブになっていました」


 モリンは軽い感じで言う。


「気づいたらなってるものなのかな?」

「知らない」


 クラカの言ったことにガネンがそう答えると。


「すみません。遅くなりまし……た」


 教室のドアが開くとシフールが入ってきて、ガネンとクラカを見ると固まってしまった。


「あっ、会長」

「「会長?」」


 シフールのことを会長と言ったモリンを二人は首を傾げる。


「な、何で二人がいるんですか!?」

「すみません。伝えるの忘れてました」


 それを聞いたシフールはショックを受けていた。

 その後、落ち着いてきたシフールは椅子に座った。


「すみません。お二人を呼ぶだなんて話、聞いていなかったもので」

「いやーすいません。会長、副生徒長として忙しそうだったので伝える暇がなくて」


 モリンは申し訳なさそうに頭を下げた。


「なぁ、副生徒長って?」

「副生徒長は、簡単に言えば生徒長の補佐ですね」


 生徒長の補佐……つまりセーユの手助けという事だ。二人がよく一緒にいる理由はそういう事だった。


「でもシフールがここの会長だったなんて驚きだね」

「確かに」


 二人がそう言うと、シフールは恥ずかしそうな顔になる。


「そりゃあそうですよ。なんせ会長は光族に憧れている大ファンですから」

「「え?」」


 ガネンとクラカはシフールの顔を見ると、シフールの顔が更に赤くなった。


「さて。お二人にも我々の存在を知ってもらったので、これから時々、話を聞かせてもらいますよ。目標もありますし!」

「目標?」

「はい! それは光の兄弟、皆さんの本来の姿を写真に収めることです! 先日の事件で、ホラッ!」


 モリンは一冊のノートを見せた。

 そこには先日の事件で本来の姿で戦っているガネンとクラカ、そしてガクラの写真が何枚も張られていた。


「それでは、今日は急に来ていただいたので話はまた今度聞かせていただきます。これからよろしくお願いしますね。ほら、会長も」

「えっ、はい。えっとー……お願い、します」

「うーん。分かった」

「ほどほど頼むよ」


 なんだか面倒そうなことに巻き込まれたと思った、ガネンとクラカだった。


――――――――――――――――――――


 学園に通い始めて一週間。

 ガネンとクラカは最初はどうかと思ったいた学園生活は少しだが慣れてきた。


「ねぇ、二人共」


 朝の教室で二人に話しかけたのは、黒髪のエルフの男子生徒だ。


「今日提出の課題のプリント。今出せる?」

「あー、あれか。えっと……はい」


 ガネンはカバンからプリントを出して渡した。


「私もー……あ」

「どうした?」

「裏やってなかった」

「何やってんの」


 ガネンが教えながらクラカはプリントを進めて何とか終わらせた。


「ごめんな。えっとー」

「ルーヤだよ。ルーヤ・セラック」


 ルーヤは名乗ると、プリントを受け取った。


「いやーごめんごめん。裏があるなんて気づかなかったよ」

「昨日ギリギリまでやるからだろ」

「だって父さんが期限内に提出出来れば大丈夫だって」

「ダメだって。あんなダメ親父化した父さんの言うこと信じちゃあ」

「なんかガクラさん凄い言われようだね。じゃあ僕はプリント受け取ったからこの辺で」

「ああ。じゃあね」


 プリントを受け取ったルーヤはその場を後にした。


――――――――――――――――――――


 午前の授業が終わり、俺とクラカは昼食を取るため食堂に来た。


「さて。父さんは教員室の集まりでいないし、俺等だけで食うか」

「そうだね」


 俺達は食事を受け取って席を探していると。


「なぁ、二人とも」


 後ろから声を掛けられて振り向くと、眼鏡をかけた魚人族の男子生徒がいた。


「確か同じクラスの……」

「カーシュだ。これから同じクラスの皆と昼飯食うんだけど二人もどうだ?」


 同じクラスか。

 そう言えば通い始めたこの一週間、父さんとかクラカと二人だけとしか昼食取ってないな。


「ねぇねぇ。良いんじゃないガネン?」

「そうだな」


 クラスメイトとの関りも大事だし。


「じゃあ、御一緒させてもらおうかな」

「オーケー。こっちだ」


 俺とクラカはカーシュについて行って、三組が集まるテーブルにやってきた。


「おーい。二人も一緒に食うって」


 カーシュが言うと、待っていたクラスメイト達が一斉にこっちを見た。


「わぁぁ、いらっしゃい二人共」

「よくガクラさんと一緒にいたから誘いずらかったからね」


 思ったより歓迎されててちょっと安心した。


「そう言えばまだクラスの皆の名前よく知らないね」

「そう言えばそうだな」


 自己紹介の時間とかなかったから、全然名前知らないな。


「折角の機会だし、自己紹介でもしない?」

「良いね、それ」

「じゃあ僕から」


 最初に自己紹介をしたのは竜人族の男子生徒だ。


「僕はビアト。よろしく。次は……」


 ビアトは隣に座っている目つきの悪い鬼人族の男子生徒に目を向けた。


「キシュウだ」

「僕はサイルって言います」


 長い茶髪のエルフの男子生徒が言うと、次に女子生徒達が自己紹介を始めた。


「私はルメ」

「レーアだよ」

「ミトンです」


 金髪のエルフ、赤髪の魚人族、銀髪の猫の獣人族三人の女子生徒が自己紹介した。

 その三人の隣には初日の鍛錬の授業で知り合ったフウケもいた。


「私は前に言ったので大丈夫ですよね」

「うん、平気だよー」


 今ここにいるクラスメイトの自己紹介が終わった。

 流石に三組全員ではないが、同じクラスなら名前を知っておかないとな。


「クラスメイトと食事ってなんか学生っぽいな」

「確かにそうだね」


 ライテストにはそういうのなかったからな。


「これまで何度か誘おうとしたんだけど、ガクラさんがいたから誘いずらくって」

「別にそんなの気にしなくていいのに」

「父さん等は畏まられるの嫌いだからな」

「それはここ一週間で分かったよ」


 クラスメイトと話をしながら昼食を取って、生徒になって良かったかもしれないと、俺とクラカはそう思った。

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