皆の授業様子①
犯罪者騒動の翌日の鍛錬の授業。今日も全クラス合同で行われている。
最初の一ヶ月は全クラス合同で鍛錬の授業を行うと決めたからだ。
人数が多い方が俺もあまり暇にならなくて済むから丁度良い。……けど。
「なんかこの時間、お前等の特訓だけって言うのもなぁ」
「家でもやってるもんね」
「確かに」
「なんかこう……鍛錬の時間だから出来るって事をやりたいな」
周りを見ても、皆いかにも授業って感じだし。
「……そうだ。皆の授業様子見てみるか」
見て学ぶことも大事だってライテストの教官言ってたし。
「俺は別に良いよ」
「私はさんせーい」
「じゃあ行くか」
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皆の授業様子を見ることにした俺達は、最初に剣のグループの所に来た。
「……というわけで見に来た」
「暇だなお前」
エスティーがツッコむ。
剣のグループを担当しているのは、エスティーとその妹のアール。そして剣術の天才メイトだ。
剣は人数が多いけど、この三人なら十分だな。
「見に来ても特に大したことはしてねぇぞ。ただ素振りや一対一をさせてるぐらいだからな」
シンプルだな。まぁ俺達も特別な特訓をしていたってわけじゃないし、別にいいか。
「どうしたんですかガクラさん」
俺達がいることに気付いたセーユがやってきた。
「なんか暇だから見に来たらしい」
「ちげーよ。皆はどんなことをしてるのか見に来ただけだ。俺はガネンとクラカしか見てねぇし。誰も俺から教わろうとしないし」
「だってガクラさん、説明下手じゃないですか」
「お前、俺に対してなんか毒舌になってない?」
「気のせいです」
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「やっぱアイツ、俺に対して態度デカくなってない?」
剣のグループを後にした後、俺は思ったことを言う。
「でも父さんの説明が下手なのは事実だし」
「うん。ボーッとかグワンッとかで分かんないもん」
「お前らも酷ぇな」
俺は悲しみながら言うと。
「ガクラ。危ねぇぞ」
「あ?」
声が聞こえて振り向くと、何かが飛んできて、俺の顔に当たった。
「何だ?」
当たったものを見ると、それはへの字型の武器、ブーメランだった。
「悪ぃなガクラ。生徒の一人が変な方向に飛ばしちまって」
謝ったのは、ブーメランを担当している光の兄弟次男のクレンだ。
「別に痛くねぇからいいさ」
ブーメランのグループを見ると、やっぱり他と比べて全然少ない。二人しかいない
ブーメランは威力とかが弱いから使用する冒険者も少ないしな。
「どうだ? 様子は」
「今の所大丈夫だ。今は木の的に当てる練習をさせてる」
「ブーメランって難しいからな」
俺がそう言うと、クレンはハンカチを取り出しブーメランを拭いた。
「そんな汚れてなくね?」
「いや。少しの汚れが気になるんだよ」
「ホントにキレイ好きだなお前は」
たまにコイツ違う世界に行って洗剤とか掃除道具買いに行く程だからな。
クレンは別に問題なさそうだな。他はどうなんだ?
次に俺達は三男のエンジェが担当している弓のグループを見に来た。
今はエンジェが木の的に向かって矢を放った。
放たれた矢は木の的の真ん中に命中した。
「弓は力を入れ過ぎると狙うのが難しくなるから、力を入れ過ぎないようにね」
『はい!』
生徒達は返事をすると、練習を始めた。
「順調そうだな」
「今の所ね。皆真面目だから助かるよ」
「お前のやり方が良いんだろ。流石、天使達の隊長をしていた男だな」
エンジェは天使の力を持って生まれた光族。
元々はある世界で女神に仕える天使達のリーダーで、俺等が任務でその世界に来た時に会った。
世界の問題を解決した後、女神に言われて俺達の仲間になった。
「エンジェさーん。いいですか?」
「うん。それじゃあ僕は」
「ああ。分かった」
エンジェは生徒の所に向かい、俺達は次のグループに向かった。
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次は四男のファルクが担当している短剣のグループの所に来た。
今は生徒達が短剣を持って素振りをしている。
「順調か? ファルク」
「短剣は短くて軽いからな。当てるのは少し苦手って感じに見えるな。それよりも……」
「何だ?」
「腹減った」
「朝パンを40個も食ったやつが何言ってんだ。お前の食費とんでもねぇんだぞ」
「カジノで金を無駄遣いするオメーに言われたくねぇ」
「「確かに」」
ガネンとクラカが同時に言った。
「お前等もかい!」
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ファルクの所を後にして、次にエグラルとシュラルが担当の体術のグループの所に来た。
そこでは男はエグラル、女はシュラルが見ている。
シュラルは現在女子生徒の柔軟を行っている。一方エグラルは。
「おらどうした!? 腰が入ってないぞ!」
腹で男子達の拳を受けていた。
「スゲー体育会系なことやってるな」
「体術はこれぐらいしねぇとダメだろ」
流石エグラルだな。
「父上。もう少し的確なやり方をした方が良いのでは?」
シュラルがエグラルに聞く。
「俺はこういうやり方しか知らねぇし、これでいいんだよ」
「確かに。別にいいんじゃないかシュラル。今はやりたいようにやらせて」
「そうですか? まぁ……分かりました」
納得したそうだから次に向かった。
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次に来たのは七男のフォクサーが担当の魔法のグループだ。
フォクサーは俺等の中で数少ない魔法を使えるメンバーだ。
正確には魔法を撃ちだす魔法銃を使うんだけどな。光族は魔法使えないし。
「やっぱ魔法使う奴多いな」
「まぁね。多いからちょっとやり甲斐があるかな。と言っても、殆ど魔法を教えるより魔法を当てる練習の方が僕的には良いんだけど」
「確かにお前はそっちの方が合ってそうだな」




