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超人種族の異世界英雄記  作者: 至田真一
新たな日常
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食堂にて

 セシュイン学園の女子シャワー室に今、殆どの女子生徒が順番待ちをしていた。

 いつもは鍛錬の授業終わりの生徒が使うためそんなに多くは待たないが、今回は全クラス合同のためいつもの二倍ぐらい多い。

 そのため『一人五分まで』という看板が立てられていた。


「鍛錬の授業でここまで疲れたの初めてよ」


 セーユはシャワーを浴びながら言う。

 すると隣のシャワーを使っているシフールが話しかけた。


「最初の敷地一周も、体力作りを兼ねてると言っていましたから、多分明日以降もやりますね」

「そう思うと、普段から少しづつでも体力作りした方が良いわね」


 セーユがそう言うと、シフールと反対のシャワーの壁の上からアスレルが顔を出した。


「良い心掛けだと思うわよ」

「アスレルさん!?」


 急に壁の上から現れたからか、セーユは少し驚く。


「今言った通り、明日から敷地内を一周を準備運動にするわよ。体力が付いてきたら一周ずつ増やしていくわよ」


 それを聞いたセーユはため息を吐く。


「やっぱり光族の授業って大変そうですね」

「光族のっていうか、私達のやり方の方が正しいかもね」

「そうですか」

(帰ったら何か体力作りしよ)


 セーユはシャワーを止めて、後ろを向いた。

 すると、セーユは前を通り過ぎた女子生徒を見て、目を見開いた。

 制服を着ていた時よりも大きく見える二つの果実を。

 通り過ぎた女子生徒、クラカを見て、セーユは膝から崩れて床に手を付ける。


「どうしたんですかセーユ?」


 落ち込んでいるセーユを見てシフールは近寄る。

 そんなセーユにアスレルはポンっと手を乗せる。


「大丈夫。人は希望を持って生まれるものよ」

「そんな気遣いやめて下さい。だってクラカさんがあんなに大きかったなんて気づかなくて」

「えっとー……よく分からないですけど、大丈夫ですよ」


 心配そうに声を掛けるシフールをセーユは見るが、どうもシフールのクラカより大きい胸に目が行ってしまう。


「多分アンタが言っても逆効果よ」


 アスレルが言うとシフールは首を傾げる。


「流石にクラカの母親の方が大きいとは言いづらいわね」

「アスレルさん。丸聞こえです」


 セーユは悲しみの溢れる声で言う。


「何やってんの? 三人で」


 様子を見ていたクラカが声を掛ける。


「なんでもないわよ。ただの女特有の悩み」


 クラカは首を傾げる。


――――――――――――――――――――


「おっ昼ー、おっ昼ー」


 昼でテンションが上がってるクラカと一緒に俺とガネンは食堂に向かった。

 ちなみにシャワー浴びたばっかだから体が少し暖かい。


「クラカ、はしゃぎすぎ」

「だってここの食堂タダなんだよ! 食べほーだい!」


 クラカがはしゃいでる中、俺は足を止めた。


「どうした父さん?」

「……お前等はいいよタダだから。なんで……なんで教師は金払わねぇといけねぇんだ!?」


 俺は感情を込めて叫んだ。


「しょうがないじゃん。食堂は学生向けなんだから」

「それにそんな高くないんでしょ? それぐらい払おうよ。大人なんだから」

「大人? あ~そうですか。金を払うのが大人ですか。それなら俺は大人をやめたいよ」


 俺は再び足を進めた。


「もうあれは放っとこう」

「そうだね」


 ガネンとクラカは呆れながらついて行った。

 その後、食堂に着いた俺達はそれぞれ注文した。

 ガネンとクラカはそのまま受け取るが俺は。


「四三〇ゴルドになります」

「ツケ払いでお願いします」

「それはダメです」

「……」


 俺は財布を出して四三〇ゴルド払った。


「何ツケ払いしようとしてんだよ」

「だっておかしくない? 俺達は依頼を受けて特別教師としてここにいてやってんだぞ。だから特別にタダにしてくれてもいいだろ」


 文句を言いながら空いている場所を探していると、光の兄弟が集まっている席を見つけた。


「おーっすお前等」

「ああ、ガクラか」


 エスティーが俺達に気付いた。

 俺達は空いている椅子に座ると、皆の中にセーユとシフールがいることに気付いた。


「あれ? お前等もいたのか」

「はい。空いてる場所を探していたらアスレルさんに呼ばれて」


 二人の隣に座っているアスレルがピースをした。


「やっぱり生徒との交流って大事じゃない」

「まぁーそれもそうかも知んねぇな」


 アスレルが言うことは一理あるな。

 するとメイトが口を開いた。


「二人はさぁ、僕達の授業を受けて何か不満な所とかある? 生徒の意見を聞きたいんだ」


 メイトに言われてセーユとシフールはさっきの授業を思い返した。


「最初の敷地一周がきつかっただけで特にありませんね」


 セーユが答えた。


「強いて言うなら、ガクラさんの説明が下手だった所でしょうか」

「俺だけか。問題あるのは俺だけか」


 流石にちょっとイラッとするな。

 俺は肉を頬張ると、クラカがいないことに気付く。


「あれ? クラカの奴何処行った?」

「クラカなら売店の方に行った」


 ガネンが言った後、売店の方を見たら、確かにクラカがいた。

 ちなみにお腹がすいていたのかクラカの皿はもう空だ。

 って言うかアイツ、結構買おうとしてるが。


「アイツあんな量を買う金持ってないだろ」


 小遣いもそんな多くは渡してない。っつーか渡せない。金あんま無いから。


「さっきお前の懐からこっそり財布抜き取ってだぞ」

「は?」


 エスティーに言われて俺は懐やズボンなどをポンポンと叩いたが、財布が無かった。


「あのクソガキ!!」


 俺は猛スピードでクラカの元に行き、頭をバシンっと叩いた。

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