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超人種族の異世界英雄記  作者: 至田真一
地球に集まる仲間
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闇族と異世界人

 戦いの後、俺達は人間の姿に戻って飛空艇に集まった。


「あ~。まさか二人目の闇族が来るとはなぁ~」

「一人でも厄介なのにね」


 全くだ。……そういや。


「アスレル。お前何でこの世界に来たんだ?」


 あの時は聞く暇無かったからな。


「えっとねー。ワールドスペースで界獣と戦って倒して帰ろうとしたら、アイツを見つけて追いかけてたらこの世界に来たのよ」

「そうか」


 あの女闇族、なんつったけ?

 ……あ、確かミゼルゴだ。


「とにかく闇族が二人になっちまったが、俺達はアイツ等を早く見つけて倒すだけだ」


 皆が頷くと、部屋に修三と本木が入ってきた。


「皆ここにいたか」

「アンタ等か。自衛隊の奴等は大丈夫か?」

「ええ。流石に無傷じゃないけど、ガクラが助けてくれたお陰で命に別状はないわ」


 本木は安心したように言う。


「しかし闇族が二人か。大変な事になったな」

「ああ。だが俺達はやれることをやるだけだ。相手が誰だろうと」


 修三の言葉に俺は答え、気合を入れる。


「ところでアスレル。ちゃんと地球の服に着替えとけよ。目立つぞ」

「あー、忘れてた」


 俺はまだアスタラードの服のままのアスレルを指差す。


――――――――――――――――――――


「で、ミゼルゴは何故この世界に来たんだい? あの女に追いかけられたから逃げ込んだという訳ではないだろうし、まさか私を助けに来たわけじゃあないだろう?」


 廃ビルの中で、ゾアークの近くの椅子には、黒のコートとズボンを身に纏った長い黒髪をした人間の姿のミゼルゴが座っていた。


「そんな訳ないでしょ。レイジデントが皆を集めてるのよ。何でも大事な話があるからって」

「ほぉーう。なら一旦戻るとするか。その前に……」


 ゾアークは掌を広げると、沢山の黒い球が現れた。


「私達が出ないんじゃあ、アイツ等は退屈だろうし、プレゼントを置いて行こう」


 ゾアークは窓から空に向かって黒い球……界獣達を飛ばし散布した。


「じゃあ行くとしますか」

「ええ」


 二人は闇族の姿になると次元の穴を開け、一旦地球を後にした。


――――――――――――――――――――


 とある世界。

 様々な世界の異世界人達が、数万を超える人数集まっていた。

 ただしその中に、人間は一人もいない。

 異世界人達は大きなステージに注目し、ステージの上には大勢の闇族がいた。

 一人の闇族が歩み寄って前に出てきた。


「諸君等に問う! 諸君等は、人間が善なる存在だと思うか?」


 その問いに、異世界人達は戸惑い、答える者が現れない。


「答えは否だ。奴等は自分以外の存在を敵としか考えず、同じ人間ですら平気で命を奪う残虐な生き物だ。諸君等にも分かるはずだ、人間の酷さを!」


 その言葉に、悲しみで俯いたり、怒りで拳を振るえさせたり歯を食いしばったりしていると、一人の異世界人が声を上げた。


「私の父は、人間達に化け物と言われ、挙句の果てに撃ち殺された! 父は何も悪い事はしていないのに、ただ旅をしていただけなのに!」


 白い顔に真っ黒な目をした異世界人が怒りのままに声を上げると、今度は蝉の顔をした異世界人が声を上げた。


「私の娘は、人間に捕まり研究所送りにされた! そして娘は……ううっ」


 泣き崩れる蝉の異世界人に、周りにいる者は心配そうに寄り添う。

 そして次第に、人間から酷い仕打ちを受けた者達が怒りや悲しみの声を上げていった。


「そうだ。人間どもは己以外を敵としか考えない単細胞生物である。そんな人間共がはびこる世界に……未来は無い!!」


 闇族はグッと拳を握ると、手を伸ばした。


「世界の平和の為に、悪しき人間共を打ち滅ぼすのだ!」

『うおぉぉぉぉぉぉぉっ!!』


 闇族に誘われ、人間に恨みを持つ異世界人達は声を上げ一致団結した。


「流石、元大統領のレイジデントだ。良い掌握力だ」

「そうね」


 ゾアークとミゼルゴは感心して聞いていた。


「ホント、人間なんかを守ろうとする光族が理解不能ね」

「全くだね。ところでミゼルゴ、少し協力してほしいことがある」

「何?」

「これから先、我々が光族よりも有利に戦えるかもしれないことだ。まぁ私の提案ではないけどね」


――――――――――――――――――――


 二足歩行の獅子の界獣が手を地面につけて四足歩行で走ると、ビルを上って裏側に回り込み俺の死角に入った。

 俺は集中して気配を探すと、後ろの方から感じ振り向くと、すぐ後ろのビルを突き破って界獣が飛び出してきた。


「おわっ!?」


 界獣は俺に跳びかかると、俺は倒れて界獣が爪で引っ掻こうとする。

 俺は光の壁を張って防ぐと、界獣は連続で引っ掻いてきて、壁にひびが入った。


「このっ!」


 界獣を蹴り飛ばすと、俺は体を風の力を纏った緑に変えると、立ち上がろうとする界獣に一瞬で近づいて抱え込む。


「トルネードスロー!」


 界獣を真上に投げて発生した竜巻で、界獣は回転しながら空に投げ飛ばされ、俺は両手に円形状の風の刃、ウィンドカッターを投げると、界獣真っ二つに斬れて爆散した。


――――――――――――――――――――


「あ~疲れた」

「おかえり父さん」

「おかえり~」


 借りてるマンションの部屋に戻ると、疲れ切った様子のガネンとクラカ、エスティーとアスレルがいた。


「そっちも討伐の帰りか?」

「ああ。沖縄の方まで行ってきた」

「私は北海道。流石にこの時期は涼しかった」


 あれから二ヶ月も経つが、ゾアークとミゼルゴは特に現れず、代わりに界獣がよく出るようになった。

 それで日本中、たまに海外へ飛んで倒しに行っている。


「皆いる?」


 ドアが開いて、アールが入ってきた。


「どうした?」

「さっき、ライテストから届いた闇族との近況報告がアスタラードの屋敷に届いてメイトから送ってもらったの」

「聞こう」


 俺達はソファに座ると、アールは手に持っている青いキューブが薄い板状に変形し、それに書かれている事を読み上げた。


「まず闇族から受けた光族側の被害だけど、怪我人約百五十名。入院者92名。……死亡者48名。対して討伐した闇族は……〇」

「……こっちの被害が圧倒的に多いな」

「闇族は深手を負ったりすると、すぐに何処かに消えるみたい」

「引き際を知ってる敵ってのは厄介なんだよな」


 俺達は頭を悩ませていると、アールが曇った顔で口を開いた。


「まだ続きがあるんだけど……また悪い話よ」

「何だよ今度は?」


 俺は呆れた声で聞いた。


「どうやら闇族に協力してる異世界人達がいるみたいなの」

「協力してる異世界人達?」

「全員闇族と同じで、人間をとても嫌っていて恨んでいる人達だけみたいで、色んな世界で人間を闇族と一緒に襲ってるみたい」

「話からすると、そいつ等全員人間以外の種族か?」

「うん。まぁ協力というより、まるで崇高しているみたいでね、そんな異世界人を『闇族教徒』って呼称することにしたみたい」

「闇族教徒か……ちなみにどれくらいいるんだ?」

「隠密部隊の調査だと、正確な人数は判明出来なかったみたいだけど、最低でも十万以上はいるみたい」

「最低で十万か……多いなぁ」


 闇族だけでも大変なのに、更に異世界人か。勘弁してほしいな。


「流石にマズいわね。そろそろ一人ぐらい倒さないと」

「ああ。こっちの戦力が減る一方だ」


 俺達は少し焦りつつ、闇族と戦う意を強くする。

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