闇商売人を探せ
異世界人から聞いた情報を頼りに、俺達は自衛隊と共に町はずれの廃ビルが並ぶ無人地帯、そこから少し離れた建物の中で、廃ビルの中に飛ばしてるステルスドローンの映像を見て闇商売人を探していた。
「なぁ。ドローンもうちょいないのか? 二台だけじゃ時間掛かるぞ」
「しょうがないじゃない。ステルスドローンは一台作るのに時間とお金が掛かるのよ。今使えるのがこの二台だけなのよ」
ステルスドローンを一台操作してる本木が少し不満そうに言う。
「そう言えば異世界人ってあんな風に人間に紛れて暮らしてるの?」
「姿が人間とかけ離れてる奴は特にな。バレねぇ様にしないといけねぇから大変なんだよ」
「確かに大変そうね。違う世界に住むっていうのはやっぱり良いの?」
「犯罪とかしなけりゃあな。例外もあるが」
「例外?」
「俺達が捕まえるのは、自分の意思で違う世界に来て犯罪をした奴だ。召喚されたり転生したりで違う世界に来た奴が犯罪をした場合は、その世界の奴に任せる」
「そうやって区別してるのね」
「だって無限にある世界に対して、俺達光族は人数に限りがあるからな」
全部俺等がやったら忙しさが倍増だ。
「あ、一番のドローンちょっと戻して」
幾つかの廃ビルを探した後、アールが何か見つけたらしく、本木は言われたとおりにドローンをバックさせた。
「そこの壁、何かおかしくない?」
「え?」
俺達はアールが指差す壁をじーっと見つめる。
よく見ると、壁が小刻みに揺れている様に見える。
「よし。そこの壁に当たってみろ」
「え!? ちょっと、下手したらドローン壊れるわよ」
「大丈夫だろ。いいからいいから」
「ったく、他人事だと思って」
本木は躊躇いながらもドローンを壁に突っ込ませた。
するとドローンは壁をすり抜け廊下に出た。
「なっ、すり抜けた!?」
「隠してた見てぇだな」
「ああ。きっとこの奥だ」
本木はドローンを進ませた。すると分かれ道にぶつかった。
「これはどっちかしら?」
「右」「左」
俺とエスティーが同時に言うと、ギロッとお互いを睨む。
「右だ」
「いーや、左だ」
「右!」
「左!」
俺達はバチバチと睨み合い、最終的に殴り合った。
「何やってんのよあの二人は?」
「父さんとエスティーは小さい頃からよく競い合ってたんだけど、どれも全部引き分けで終わって」
「そのせいかピリピリしてすぐ喧嘩しちゃうんだ」
「ライバル関係って事ね。……さて、どっちに進みましょう」
「ねぇ。目の前の壁、さっきと同じように揺れてない?」
アールが指差すと、確かに目の前の壁がさっきと同じように揺れており、真っ直ぐ進めると、さっきと同じようにすり抜けた。
両方違ったことに俺とエスティーはガックリする。
進んで行くと、奥で誰かが何かを運んでいた。
それは青い虫のような姿をした蟲人だった。
「アイツが闇商売人か?」
「だろうな」
すると蟲人がしゃべりだした。
『ふぅー、こんなものですかね。全く、光族だけでなく闇族までいるんじゃあ商売が出来ませんよ。早く、別の世界に行かなければ』
「どうやら違う世界に行こうとしてるみてぇだぞ」
「させねぇよ。さっさと行こうぜ」
「ええ。総員! これより突入する!」
『はい!』
闇商売人を見つけ、俺達はそいつが隠れている廃ビルを上る。
「確かこの辺りの壁よね?」
「あー、確かな」
本木が壁を触りながら進んで行くと、途中の壁で手がすり抜けた。
「ここね」
俺達は偽の壁を通り抜けて先に進む。
少し進むと俺とエスティーが言い争った分かれ道に来た。
ここはどちらかではなく、真っすぐ進んで偽の壁を通り抜け進んで行くと、遠目に闇商売人が見えた。
「動くな!」
「なっ!? 何故ここに人間が!?」
銃を向けられた闇商売人の異世界人は慌てて上の階へ逃げ出した。
俺達は追いかけると、異世界人は屋上に逃げ込み俺達も屋上に出ると、異世界人は上半分が透明な丸いカプセルに入っていた。
「元々は商品でしたが仕方ありません」
カプセルは空に飛ぶと、カプセルから光が出て光は形を変えていき、光は一体の界獣に姿を変え地面に下りた。
界獣は体の半分が機械になっており、右腕が三本爪のアーム、左腕がライフルなっている。
まるでサイボーグ……サイボーグ界獣だ。
「ギィィィィィィィ!!」
『見つかってしまった以上、生きては帰しません!!』
界獣はライフルを俺達に向けると、俺とエスティーは走りだして手すりから飛び出すと、本来の姿に戻り巨大化し、二人で界獣を蹴り飛ばした。
『光族!? こうなれば……』
界獣は右腕のアームの中央から赤い光弾を空へ二発打ち上げると、二発の光弾は二機のロボットに変化し地面に下りた。
一機は右腕が二本爪のアーム、左腕がガトリング砲になっている白と黒の人型ロボット。
もう一機は右腕が剣、左腕には砲口が付いた二本の爪になっている、龍の様な顔をした白いロボットだ。
するとガネンとクラカ、アールが本来の姿に戻って巨大化し俺達の横に立った。
「俺達も相手する」
「任せといて」
「お兄ちゃんとガクラは闇商売人の方を」
「ああ!」
「頼んだ!」
俺達はそれぞれ向かい、俺とエスティーはサイボーグ界獣。ガネンとクラカは龍の様な白いロボット。アールは人型ロボットに向かって行った。
「任せて大丈夫ね。私達は退避するわよ!」
『了解!』
本木達は屋上から出ていく。
そんな中、副隊長の男性が遠くのビルで何かを見つけた。
「隊長、あれを!」
「ん?」
副隊長が指差したその先には、ビルの屋上でガクラ達の戦いを眺めている人間の姿のゾアークがいた。




