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超人種族の異世界英雄記  作者: 至田真一
青き世界の出会い
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鮫と女子高生

 次の日の朝。保坂家のリビングで、保坂一家が朝食を食べている中、テレビに流れている朝のニュースでは、昨日現れた怪物と巨人……ガクラ達の話題で持ち切りだった。

 怪物に至っては、『新たな神災か!? 怪獣出現!!』なんて新聞にも大きく出ている。

 対してガクラ達は、界獣を倒したことで好印象を持たれている。

 中には、『神災を耐え抜いた私達に天から送られた神の使い』だなんて言う人もいる。

 すると記者が、昨日ガクラが助けた親子に話を聞いた。


『上から瓦礫が落ちて来てもうダメって思った時に、私とこの子を助けてくれて。しかもシェルターの前まで送ってくれて本当に助かりました』

『きょじんさん、ありがとー』


 親子は笑顔でお礼を言った。


「随分大変なことになったね」

「ああ。上層部も忙しそうにしている」


 上層部にはすでにガクラ達の事を伝えている。

 あれ程の力を持っているため、敵対したくはないということで、今の所味方として扱うようにしたらしい。

 流石にしばらく監視を付けるらしいけど。


(にしても、あの三人親子だったんだ。兄弟かと思った)


 ガクラの見た目の若さに驚いた。


(そう言えば何年生きてるんだろう? 今度聞いてみよう)

「いってきまーす」

「ああ、いってらっしゃい」


 朝食を食べ終えた光輝は学校へ向かった。


――――――――――――――――――――


 高校でも怪物と巨人の話題に騒いでいたが、特に変わったことは無く、下校時間になって団地に住んでいる友達と一緒に家に帰る途中、クラスメイトの仲良し女子三人組の一ノ瀬、二宮、三田がコソコソと林の奥へ向かっているのが見えた。


「何やってんだろう?」

「追いかけてみよう」


 友達の女の子、黒崎と一緒に三人の後を追い林の中を進むと、三人がしゃがみ込んで何かしていた。


「ほらグーちゃん、パンだよ」

「あ、食べたよ」

「良かったー」


 会話からして、何か動物に食べ物あげているようだった


「何してんの?」

「「「うわっ!!?」」」


 黒崎が話しかけて三人が驚くと、後ろに段ボール箱が見えた。


「ぐぅぅぅん」


 その中には、二本足が生えた小さな鮫みたいな生き物がいた。


「何これ? 絶対地球の生き物じゃないよね」


 もしかしたら界獣の子供かもしれない。そう思っていると、一ノ瀬が困り顔で話した。


「林の前を通ったらね、なんか鳴き声みたいなのが聞こえて、そしたらこの子がいたの。最初は戸惑ったけど、世話してあげたらなんかかわいく思えちゃって……。お願い保坂君、黒崎さん。グーちゃんの事誰にも言わないで。もし見つかっちゃったら殺されるかもしれないし」


 二宮と三田も必死にお願いする。

 どうしようかと保坂は頭を悩ませていると。


「ようやく見つけたぞ」


 振り向くとフードを深く被った男がいて、ズカズカと近づく男はグーちゃんを掴み上げて連れ去ろうとした。


「ちょっとやめてよ!」

「邪魔だ!」


 一ノ瀬が男の腕に掴みかかると、男は一ノ瀬を突き飛ばし一ノ瀬は地面に倒れる。


「おい、やめろ!!」


 今度は光輝が男に掴みかかると、男はフラつき近くの木にぶつかってその衝撃で光輝は離れた。

 男のフードが取れて顔を見ると、黄色い顔に赤い目をしており、明らかに人間ではなかった。


「しまった、クソっ!」


 男は急いでその場から走り去り、光輝達は追いかけた。

 男は行き止まりの道に追い詰められると、グーちゃんを地面に置いてリモコンの様なものを取り出した。


「ガキ共め。これならどうだ!?」


 リモコンを操作すると、グーちゃんの体が光り、宙に浮くと巨大化し地面に下りた。


「グオォォォォォォォン!!」


 巨大化し、鼻先に角が生えたグーちゃんは大きな咆哮を上げる。


「嘘だろ!?」

「よし! 奴等を踏みつぶせ!!」

「おらぁぁぁぁ!!」


 片足を上げたグーちゃんに、空からやって来たガクラの飛び蹴りで、巨大化してしまったグーちゃんは蹴り飛ばされる。


「君達! 大丈夫!?」


 光輝達の元に、本木とガネン、クラカが駆け寄った。


「本木さん!? 俺達は大丈夫です。でも何でここに?」

「遠くから貴方達がアイツを追いかけているのが見えて、私達も追いかけたら界獣が現れて、ガクラが向かって行ったのよ。それで、アイツは何なの?」


 本木はリモコンを手にしている人間ではない男を睨みつける。


「アイツは異世界人だな。見た限り、闇商売の関係者とかだと思う」

「闇商売!?」


 ガネンの言葉に本木は驚くように声を上げ、異世界人を見る。


「チッ。光族まで来ちまったか、クソ!」


 異世界人はジャンプすると、建物の屋根を飛び移りながら逃げていく。


「本木さん! 多分アイツが持っているリモコンで界獣を操ってるんだと思う」

「リモコンで? 分かったわ。君達は早くシェルターに避難して」

『は、はい』


 一ノ瀬達と黒崎は地下がシェルターになっている学校へ速足で戻り、光輝は無人飛行艇を呼び出し飛行艇へ向かうと、本木とガネンとクラカは異世界人を追いかける。

 ガクラは三人が異世界人を追いかけるのを見ると、界獣に再び視線を移し戦った。


――――――――――――――――――――


 界獣は口を大きく開けて俺に噛みつこうとすると、俺は界獣の両顎を両手で押さえた。

 歯がびっしりと生えたこの口に噛まれれば流石に痛そうだ。

 界獣を蹴り飛ばすと、背びれの辺りから鱗の形をした複数の光弾を俺に向かって放つと、俺は手から光弾を放ち撃ち落としていく。


「グォォォォォォォン!」


 界獣は口を開くと口の中に紫色の光が集まり紫色の光線を放った。

 俺も両手を合わせて光線を放ち、二つの光線がぶつかり相殺された。


「グーちゃん!!」


 叫び声が聞こえてその方向を見ると、さっきガネン達の近くにいた三人の女子学生達だ。

 界獣は三人の方を向いた。


「グーちゃん! もう暴れないで!」

「巨人さんも、もう攻撃しないで下さい!」

「グーちゃんは悪い奴に操られているだけなの!」


 操られているのは知ってるが。


「グォォォン……」


 三人をジッと見ている界獣は、大人しそうに鳴くと動きが止まった。

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