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case6・猿夢

洒落にならんほど怖い話集めてみない? その12


465:ほんまにあった怖い名無し 2019/8/2 11:01:37 ID:d6OOFpIEs9

あのさ、お前ら「猿夢」って知ってるか?


466:ほんまにあった怖い名無し 2019/8/2 11:06:35 ID:rfXHnGjJkR

あれだろ?遊園地にあるアトラクションの電車に乗ったら小人が車内アナウンスに合わせて次々乗客が惨殺される夢だろ


467:ほんまにあった怖い名無し 2019/8/2 11:11:30 ID:XHHl9dfHsu

何回か同じタイミングで目が覚めたら、現実世界で「次はない」って言われるんだっけか


468:ほんまにあった怖い名無し 2019/8/2 11:15:47 ID:TacoByF7qf

それがどうしたん?


469:465 2019/8/2 11:19:11 ID:d6OOFpIEs9

最近その夢見るんだわ……

ていうか、今朝もそれで目が覚めたし……


470:ほんまにあった怖い名無し 2019/8/2 11:22:16 ID:lK1JAzQcgK

まぁ記憶に残ってるなら似たような夢見ることもあるだろ


471:465 2019/8/2 11:28:05 ID:d6OOFpIEs9

似たようなじゃない!全く一緒なんだよ!!

しかも、もう3回見たんだ。次はないって言われて……。なんで俺がこんな目に……。


472:ほんまにあった怖い名無し 2019/8/2 11:32:56 ID:h5fj9iWmgd

落ちつけって

な?


473:465 2019/8/2 11:37:25  ID:d6OOFpIEs9

落ち着けるかよ!!


474:ほんまにあった怖い名無し 2019/8/2 11:42:48 ID:IrajspepG4

あのさ。実は俺も猿夢見たんだ


475:ほんまにあった怖い名無し 2019/8/2 11:47:23 ID:JOmB4sVJHm

はぁ?


476:ほんまにあった怖い名無し 2019/8/2 11:53:02 ID:dpkiH58JXz

俺も……2回見た……


477:ほんまにあった怖い名無し 2019/8/2 11:57:52 ID:ELPqbaQo7u

俺も


478:ほんまにあった怖い名無し 2019/8/2 12:01:38 ID:M2JrX66NO8

私も見た


479:ほんまにあった怖い名無し 2019/8/2 12:07:17 ID:9N6qqeHQy3

うちも


480:ほんまにあった怖い名無し 2019/8/2 12:11:33 ID:E8VV1GHiLH

俺も


481:ほんまにあった怖い名無し 2019/8/2 12:15:57 ID:N48Q3r0AxW

僕も


482:475 2019/8/2 12:21:34  ID:JOmB4sVJHm

……釣りか?釣りだよな?おい


483:474 2019/8/2 12:25:06  ID:IrajspepG4

猿夢は伝染する


484:474 2019/8/2 12:30:58  ID:IrajspepG4

ここにいる感染してない奴らも今夜には見るだろうね


485:474 2019/8/2 12:35:54  ID:IrajspepG4

伝染する伝染する伝染する伝染する伝染する伝染する伝染する伝染する伝染する伝染する伝染する





猿夢は伝染する











 世間がクリスマスだ大晦日だ、と浮かれ始める12月の昼下がり。仕事は夏場以外は暇だと思われがちだが、ところがどっこい年がら年中、怪異に突っ込んでいく阿呆は絶えないもので……。真冬であっても客足は衰えない。後はまぁ、普通に占い師としての仕事も大忙しだったりもする。

師走とはよく言ったもので、師匠も何かと駆けまわってるらしい。

さて、そんなくそ忙しい時期なのに客足がぱたりと不自然に途絶えた。これ幸いとばかりに、俺は二階のベランダで一服してるわけだが……。こういうときってなんかデカい案件が来る前触れなんだよなぁ。勘弁してくれ。

ちなみに『Erlosung』の二階は居住スペースになっていて、俺の家の休憩スペースを兼ねている。そして、表から見えない裏庭にはちょっとしたハーブ畑と温室があるんだが……それはまた別の話。

ベランダに設置したベンチに座り紫煙を燻らせていると、ふわりと例の子供が目の前に降り立った。


「どした?」


「珍しいお客さんが来そうだよ~」


「へぇ、やっぱりなんか来るんだな」


 咥えていた煙草を灰皿に押し付けて消し、ベランダの柵から身を乗り出して裏庭を見る。温室の中にタカラのデカい図体がいるのが確認できた。大きく息を吸い込み、温室に向かって声をかける。


「おーい、タカラー!」


 俺の声が聞こえたのか、タカラが温室から出てきてベランダを見上げる。どうしたと首を傾げるタカラに、客が来るらしいから出迎えするようにと指示を出し、俺も室内に入る。

少ししてから、勝手口から上がってきたタカラがリビングに顔を出した。


「ケイ、ハーブティーの準備は必要か?」


「お茶はまだいらないと思うよ~。そういう感じじゃないしぃ」


「いや、まだ大丈夫らしい」


「ということは占いの客か?」


「さぁな。そこまでは教えてもらってねぇ。ただ『珍しいお客さんが来そう』としか言われてねぇんだわ」


「わかった。とりあえず出迎えてくる」


「よろしくねタカラくん」


 真横でにこにこへらへら笑う子供なんて存在しないように、タカラは一瞥もくれずに玄関に向かった。存在しないようにつぅか、実際問題タカラはこの子供……俺の守護者の姿を認識することができない。それは所謂、霊感と呼ばれるものがタカラに一ミリも存在しないからなんだが……。

なんでそんな人間が俺の助手をしているのかというと、祓う力を人一倍持っているからに他ならない。

そして、俺は良く視える目はあるが、祓う力はそこらの霊能力者に毛が生えたくらいしか持ち合わせていないわけだ。お互いの持っていないものを補いあうことで、俺たちは最強の祓い屋と呼ばれる実力を手にすることができてる。


「でも、妙な話だよなぁ……」


「なにが?」


「タカラだよ。視えねえのにあんな強大な祓う力なんて持て余すだろ?多少視えてもいいんじゃねぇか?」


「まぁ、ああいう人はいなかったわけじゃないし~。色々あるんじゃないかなぁ?」


「そんなもんかねぇ」


「そんなもんそんなもん」


 そういって守護者は楽しげに笑う。その姿は俺の目からするとただの子供にしか見えないが、ふよふよと宙に浮いているのを見ると霊的なものなのだと嫌でも思い知らされる。

守護者と戯れていると、結界に澄んだ気配を連れた、気弱そうな気配が入ってきた。お、これが例の客だな。


「来たみたいだねぇ」


 どうやらタカラが出迎えたらしく、話し声が聞こえる。……が、いつまで経っても気配が玄関から動く様子がない。


「あ?なぁにやってんだアイツ」


 あまりにもタカラが動く気配がないものだから、痺れを切らして階下に降りる。廊下を通って玄関に向かうと、ドアを開けて立ち尽くすタカラの後ろ姿が見えた。

もっと近づくと、タカラのデカい図体に隠されていた小柄な青年の姿に気付く。ん?あれってこないだ歌舞伎町で助けた八重とかいうバンドマンじゃねぇか。そんでもってめっちゃ怯えてね?ウケる。


「まーじで何やってんだお前。つーか客を威嚇すんな」


 後ろからタカラの足を軽く蹴りつけると、どこか困ったような表情で振り返る。


「威嚇してるつもりはないんだが……」


「てめーは自分がデカい図体してるってこと自覚しやがれ」


 後、目付きも悪いから余計に怯えられるんだっての。まぁお前がその目付きの悪さ気にしてるのも知ってっけどさぁ。わずかにしょんぼりするタカラに小さくため息をつく。

見た目で勘違いされるのは今に始まったことじゃねぇだろうが。

そんな俺達のやり取りを八重君はおろおろしながら見ている。その足元ではお狐様が何やってんだとばかりに俺を見上げる。なんだその呆れ切った顔は。


「やぁまた会ったね狐くん~」


 やってきた守護者がのんきに笑いながら、お狐様の前にしゃがみ込んで頭を撫で始めた。

お前……そいつ神の使いなんだろ?それをそんな犬猫みたいに……怖いもの知らずかよ。まぁ守護者もお狐様と似たようなもんではあるのか……。

ジッと自分の足元を見つめ続ける俺に八重君はおずおずと声をかけてきた。


「あの……?」


「いらっしゃい。んで、占いでもしに来た?」


 この間別れた時によかったら占いでもしに来たら的なこと言った気がするし、多分それが本題になるんだろうとあたりを付ける。けれど、八重君は唇を半開きにして俺を見上げた。

なんだその心底不思議そうな顔は……。アンタ目元隠れてる癖に表情豊かだな。


「いえ……この間のお礼を言いに来ました」


 ふふと微笑んだ八重君は手に持った紙袋を掲げて見せてくる。それは某百貨店の紙袋で、わざわざ買ってくれたんだとわかった。

ていうか、今なんて言われた?

言われた言葉が信じられずに、珍しくいつものふてぶてしい表情を取り繕えずぽかんとした表情でタカラを見上げてしまう。


「……今お礼って言われた俺?」


「言われたな」


 マジか。俺の聞き間違えじゃなかったか……。ぶっちゃけ俺は性格も口も悪い自覚はあるから、助けた依頼人に逆恨みされたりすることはあれど、感謝はあんまりされたことないから……なんだかむず痒い。


「アンタさぁ……律儀すぎねぇ?」


「そうですか?助けていただいたので当たり前かと……」


「それが律儀だっつの……まぁいいや。とりあえず中入りな。いつまでもこんなとこ居たら風邪ひくわ」


 くいと顎で上がるように示す。八重君はほっとした表情で玄関から上がった。いつの間にか守護者に抱かれていたお狐様が、その腕から飛び降り八重君の前に立つ。その顔にはお前を信頼したわけじゃないと書かれていて肩を竦める。

お好きにどうぞ。俺だって神の縁者に手を出すほど馬鹿じゃねえんだよ。


「改めて……『Erlosug』へようこそ。このデカブツは俺の助手のタカラだ。目付きは極悪だが、取って食いやしねぇから安心しな」


「タカラだ。先ほどは申し訳なかった」


「ああいえ!僕の方こそ失礼しました……。『Schleier』のギターボーカルの八重です。この間ケイさんに助けていただいて……」


「ああ、話は聞いている。ケイは口は悪いが、悪人ではないんだ。よければ仲良くしてやってくれ」


「てめぇは何目線だよ。親か?俺の保護者か、あぁ?」


「こうやってすぐ威嚇するが気にしない方がいい」


「威嚇させてんのはてめぇだっての……さっさと二階でハーブティー淹れてこい」


 舌打ちを隠すことなく低い声で命ずると、どこか呆れたような声でタカラは返事をして軽やかに二階に向かった。

ったく、マジでどこから目線だよ……俺、お前と同じ年だったはずだろーが。

眉間の皺を隠すことなく歩く俺の耳にくすくすと楽し気な声が聞こえた。そちらに目線を寄せると八重君が堪えきれない笑いを漏らしている。


「……なに笑ってんだよ」


「ごめんなさい……タカラさんと仲がいいんですね」


「あぁ?ただの腐れ縁だって」


「素直じゃないんだから~タカラくんと仲良しこよしでしょ?」


 同じ目線に浮かび上がった守護者がニヤついた顔で俺を見る。うるせぇ、腐れ縁だ腐れ縁。


「はいはい腐れ縁ねはいはい」


 俺と同じ青色を愉快そうに細める守護者は、可愛らしい見た目も相まって小憎たらしいったらありゃしない。と、そんなやり取りをしていたら、二階の居住スペースのドアが見えてきた。

ドアを開けるとリビングが広がっており、奥のキッチンではタカラがハーブティーを淹れているのが見える。


「一階が占い屋で二階が居住スペースになってんだわ。適当に座って」


「し、失礼します」


 八重君が三人掛けのソファに腰かけて、その膝にお狐様が飛び乗って丸くなる。犬みてぇと思ったけど内心に押しとどめた俺は自分用の一人掛けのソファに座った。きょろきょろと八重君は興味深そうにリビングを見回している。


「そんな珍しいもんでもないだろ?」


「あ……不躾ですみません……」


「別に気にしちゃいねぇけどよ」


 ソファに座った八重君はソワソワと落ち着かなさそうだ。そりゃそうか……そもそもお菓子だけおいてくつもりだったんだろうし。

正直俺も話題が何かあるわけじゃねぇからどうしたもんか……。若者との共通の話題ってなんだよ……。


「そういえば……予言本当になりましたね」


 あ、あったわ共通の話題。


「だろ?そっちこそメジャーデビューおめでとさん」


「今回はそのお礼も含めてだったんです」


「なるほど」


 予言っちゃ予言だけど、視えたこと言っただけなんだよな……。そこに至るまでの努力は八重君たちの賜物だと思うんだが……。

あの後、whotubeで見た『Schleier』の曲は結構俺好みなのもあって、CD買ったんだよな。ソファから立って、オーディオ機器が置かれてる一角の引き出しからそのCDを取り出して、八重君の前に置く。すると、目の前の彼の表情はぱあっと明るくなった。


「CD買ってくれたんですか?わあ、ありがとうございます!」


「曲が結構好みだったからな」


「嬉しいなぁ!バンドの皆にも言いますね!今度ライブに招待させてください」


「おーマジで?じゃあ遠慮なく」


 和気藹々と話している俺の背後から、子供の手が回されぎゅうと抱きしめられた。そして耳元で聞きなれた声が小さく忠告する。


 ケイちゃん、八重ちゃんなんか頭のところが黒い靄でおおわれてる。


 違和感を持たれないくらいの一瞬だけ、眼を使い八重君の頭を視る。確かに黒いもやもやが漂ってんな。いやーな感じもするし……なんかしらに憑かれてんのか?

おい狐、お前守護者じゃないのかよ。なんか変なもん憑けてんぞ。

お狐様はふんとそっぽを向きやがった……気付いてねぇのか?


「やっぱメジャーデビューしてから忙しいのか?」


「へ?」


「いや、なんかお疲れっぽく視えてな。寝不足か?」


「実は変な夢見てて……」


「夢?」


「ええ……」


 夢の内容を思い出しているのか、八重君は唇を一文字に引き結ぶ。何かを耐えるように……あるいは怯えを隠すように強く唇を噛んでいるようで、見てられない。ボーカリストなんだから口は大事にしろよな。

ちらりとキッチンを見ると、タイミングよくタカラがハーブティーを持ってくるのが見えた。


「まあ、疲れが取れるハーブティー飲んだらどうだ?」


「最近寒いからジンジャーを入れてみた」


「ありがとうございます……」


 一口飲んだ八重君は美味しい、と小さく声を漏らした。そらそーだ。タカラが丹精込めたハーブが不味いわけないだろ。姐さんと矢代君のお墨付きだ。


「飲みながらでいいからその夢の内容聞かせてくれっか?」


「夢占いみたいなものですか?」


「そう思ってもらってかまわねぇ」


 どうにも、その夢とやらが引っかかる。いくら夢見が悪いとってもこんなに怯えるようなことがあるのか?それに、あの靄……明らかに怪異が関係してるとみて間違いないだろう。


「聞いてて楽しい夢じゃないですけど……その、遊園地のアトラクションにあるような電車に乗るです」


「あー、子供が好きそうなSLとか模した奴か?」


「はい。それで、後ろから三番目に座って……その……車内アナウンスが流れるんです。『次は活けづくり~活けづくりです』って……そしたら……」


 どんどん八重君の唇から血の気が失せていく。前髪で見えないが視線も俺ではなく、どこは別のところを見ているのか、ぐらぐらと頭が揺れ始めた。よく通る生気溢れる声も、機械の様に無機質なものに変化してぞっとする。

これは……また夢の光景を視せられているのか?

動こうとするタカラを目線で押しとどめる。まだ、まだあの夢だと断定するにはパーツが足りねぇ。お狐様は心配そうに八重君の膝の上で右往左往する。

そうか、いくら神の遣いでも夢には介入できねぇってわけか……。わりぃ、もう少し待ってくれ。


「一番後ろの男性が4人の小人に群がられて、生きたまま身体を裂かれて本当に活けづくりにされたんです。夢のはずなのに、血のにおいも音も本当に感じて……。早く早く目を覚まさないとって思ってたら、次のアナウンスが入って」


「八重君もういい。大丈夫だ」


「『次はえぐり出し~えぐり出しです。』って。今度は僕の後ろの席の」


「八重君!!」


「女の人が、給食に出てくる先端がフォークみたいになったスプーンで」


「おい、ケイこれ大丈夫なのか!?」


「大丈夫なわけねぇだろ。てめぇの目は節穴か!?タカラ、八重君の頭に触れ。怪異に侵食されちまってる」


「ただの夢だろ!?」


「夢はただの触媒でしかねぇんだわ。いいから早くしろ!」


「目がえぐられた女の人の悲鳴が真後ろから聞こえて。吹き出した血が僕にかかって、すごく生臭くて。早く目を覚まさなきゃ、次は僕なのに。早く早く。なんで覚めないの?ああ、ほらアナウンスが聞こえる。『次は挽肉~挽肉です~』。覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ……」


 錯乱したように夢の内容を言い続ける八重君の背後にタカラが立って、暖かな光を放つ両手で形のいい頭を包んだ。よし、これで俺の声は届くな。



 目を覚ませ、八重!!!



 投げ出された手を掴み、真っ直ぐ八重君を見つめ腹の底から声を出す。ビクンと肩を震わせた八重君はきょろりとあたりを見回した。彼が纏う空気は俺がよく知る者で安心する。よし、八重君はこれで大丈夫だな。と盗み視した頭の周りも綺麗になってるし。


「あ、あれ?僕どうしたんですか?」


「夢のこと思い出して、急にパニックになったみてぇだな。わりぃ、俺が話せなんて言ったからだな」


「いえ……あれ、なんだか頭スッキリしてるような……?」


「タカラのハーブティーの力だな。そうだ、アンタにぴったりのサービスしてやる」


「サービスですか?」


「そ、歌詞のアイデアを授ける……的な?」


「わぁ、ありがたいです!最近寝不足のせいで全然アイデア浮かばなくて……」


「んじゃ、ちょっと待ってな」


 テーブルに置かれたメモ帳にサラサラと祝詞を詩にしたものを一節だけ書いた。それを八重君に見せると何か閃いたような顔で俺とメモ用紙を交互に見る。


「これ、いいですね……。インスピレーション湧いてきました!ああ、早く形にしないと……、ごめんなさい僕お暇しますね。タカラさん、ハーブティーありがとうございました。おいしかったです」


「お~次の曲も楽しみにしてっから」


「今度はゆっくりしていってくれ」


 バタバタとリビングを出て八重君を見送る。折角取り出したし、さっきのCDをオーディオに入れて曲を流す。気まぐれにベランダに出ると、黒髪の彼と真っ白なお狐様がぱたぱたと結界の外に出て行くのが見えた。


 いつも通りの日常にほんの少しだけ、変化が訪れた師走のある日の話。











洒落にならんほど怖い話集めてみない? その15


526:ほんまにあった怖い名無し 2019/12/22 15:30:09 ID:w4FgvAAMPK

そう言えばさ8月にあった『猿夢騒動』覚えてっか?


527:ほんまにあった怖い名無し 2019/12/22 15:34:08 ID:fMddxV6Ma7

あ~なんか『猿夢は伝染する』的なやつ


528:526 2019/12/22 15:38:32 ID:w4FgvAAMPK

そうそう

俺もさ猿夢に侵されてて碌に寝れなくてさ

睡眠障害になりかけてたんだよ


529:ほんまにあった怖い名無し 2019/12/22 15:41:53 ID:nuyKLjRMtC

マジかよ


530:526 2019/12/22 15:46:48 ID:w4FgvAAMPK

でもさ。『Schleier』の新曲聞いてからピタっと止まったんだ


531:ほんまにあった怖い名無し 2019/12/22 15:52:21 ID:8V6ae7L94j

『Schleier』って最近テレビでよく見るバンドだっけか


532:ほんまにあった怖い名無し 2019/12/22 15:56:41 ID:ZOGMCuvkfl

そういや新曲出したんだっけ?

『悪夢に魘されてる人達に届きますように』って言ってたやつ


533:526 2019/12/22 16:02:03 ID:w4FgvAAMPK

うん。テレビで聞いてから快眠だわ

……ただの偶然だと思うけどさ


534:ほんまにあった怖い名無し 2019/12/22 16:05:20 ID:45qn1X72k7

そうそう偶然だって


535:ほんまにあった怖い名無し 2019/12/22 16:09:27 ID:mjEc1A1Gf0

まぁ、歌の力ってやつかもしれないけどな~



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