表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生したのに軟禁生活が待っていた件(仮題)  作者: 百虎
溺れて始まる軟禁生活
8/23

今年もぼっち花火です

光陰矢の如し

結論から言うと、マリオン大公の書斎はまさに知識の宝庫だった。


今更の話しだけど、俺が居る国はファリア神国という。

ガリキア大陸南西に浮かぶリトゥルヴァニア島という島の西部に位置する。


古くはリトゥルヴァニア王国という統一国家があったらしいが、何らかの事情で消滅し、その後数多くの都市国家に別れたそうだ。

何らかの事情というのは、そのリトゥルヴァニア王国という存在が実在したかも危ぶまれる程歴史が古く、殆ど文献も残っていない為何もわからないらしい。


今は離合集散を繰り返していた都市国家群がまとまって行き、西部のファリア神国、北東部にウィルベニア皇国、南東部にイシュタニア王国と三国鼎立という形で収まったようだ。


こういう地理的、歴史的知識は教えてくれる人が居なかったのでとても有難い。


まだ理解出来ない言葉や言い回しなども多くあり、一気に全ての情報を吸収するなんて事はもちろん出来ないが、子どもが読む本や基礎的学問、歴史や宗教、魔道理論に政治、経済、哲学まであらゆる書物が初歩から中級、上級編まで揃って居る。


まるで養父から与えられた宿題かのように、良く学びなさいと様々な本から言われている気がした。


しばらく経つともうマイヤは勉強を見る事をしなくなった。放っておけば何時間も書斎に篭って独学しているのを見て、必要性を感じなくなったらしい。


確かに分からない言葉は書斎にある辞書を引けば答えに困る事もない。


そうして俺はこの世界の知識をどんどん吸収して行き、魔法の訓練も爺ちゃんから習い始めた剣術も真面目にこなして身に付けて行った。



気付いたら一年が過ぎ、また村の祭りの季節になり、またシロと二人屋敷の塔から花火を眺めた。


今年は手の込んだ魔法花火を塔から派手に打ち上げてやった。

後でマイヤに怒られるかと思ったら、マリオン様からのサプライズ演出という事になって村人から非常に有り難がられたらしい。


逆に来年もやって欲しいと頼まれてしまった。


楽しかったからやるけどもー。



六歳になると貴族や豪商の子弟は初等科の学校に通うらしい。

マイヤからその事を聞いて少し期待したのだが、養父であるマリオン様から公爵領の学校で採用されている教科書が送られて来た。


これで勉強しろと言うことらしい。


てかあんたの書斎の蔵書の方が何倍も学びになるんですけど。



「よしっ、探知魔法が完成したぞ!」


この半年くらい試行錯誤を繰り返し、何度も頭が割れる様な痛みに耐え、トライアンドエラーの果てについに完成した。


魔法の練習をしてる時思ったんだよね。

魔法って単一属性である必要無くない?


火魔法だって風魔法と複合すれば威力も範囲も拡がるし。

てか火魔法の火力上げる練習してる時、風の精霊も反応を示してたから気付いたんだけど。


んで書斎の文献探してみたんだけど、複合魔法ってあまり一般的では無いのか殆ど記述が見られなかった。


わずかにそれらしい事が書いてあったのは、とある大魔法使いの手記に『魔法士は苦手属性であっても全属性を練習するのが最終的には得意属性魔法の威力強化にも繋がる』とあったのみ。


他の属性魔法も練習すると一方の属性魔法の威力強化に繋がるという事は、互いの属性に何らかの干渉があるという事だろうと当たりを付けて色々試した所、様々な結果が得られた事から探知魔法の研究を思い立った。


本当は亜空間倉庫やステータス魔法なんかを作りたかったんだけど、なんの取っ掛りも無い状態では研究のしようも無い。


探知魔法なら、風と土の複合でどうにかならないかと思って試したがうまくいかなかった。

何となく地形が把握出来る程度で、生き物の存在までは検知出来なかったのだ。

それに風の流れで物体の形状を把握するのはかなり難しい。


動物と感覚共有をして視界を借りるなんて発想もしてみたが、あれは双方から魔力波長を揃えないと上手く行かず、野生動物相手ではかなり難しかった。


何故かシロとは簡単に感覚共有出来たけど、小型犬のシロに偵察なんてさせられないし、この方法は断念した。


ていうかシロ実はハイスペック?

さすがは異世界転移犬。


魔力波長を合わせる作業をしていて、そういえば生命には魔力を放出しているという特徴がある事を思い出し、魔力感知を組み込めばイけるんじゃないか。


そもそも波長と言うなら光の概念を使えばもっと明確に探知出来るんじゃないかと考えて、試行錯誤した結果今に至る。


探知範囲とか対象設定とか色々苦労した。


範囲数キロのありとあらゆる生き物を探知した時は、情報量を脳が処理しきれず頭爆発するかと思うくらい激しい頭痛に見舞われたのはガチのトラウマ。思い出したくないうぇっ。


ちょっと酸っぱいものが込み上げそうになったので思考を切り替えよう。


せっかく完成したんだから範囲を屋敷の敷地に設定して試してみる。


おうおう、分かるぞ。


食堂に二人の気配と二階の客間にバラバラに二人。厩に二人と、門に一人?


あれ?一人多いな。








六歳児にヒロインって必要?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ