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環寧、破落戸にクラスチェンジをして凄く驚く

復帰第一弾

いきなり目の前に現れた空堀に、突進中の騎兵はなす術もなく落ちていく。


ずん


コンダラゴーレムが近くの空堀に容赦なく足で蓋をする。

肉と鎧の潰れる音が辺りに響く。


「追撃しますか?空堀はベンケイが道を作りますので」

菜緒虎の言葉に天韋は我に返り、僧操のほうに向かって合図を送るが、既に僧操の方は動いていた。


「騎馬隊は追撃を、槍兵隊、歩兵隊は空堀に落ちた敵の捕縛にかかれ!」

僧操の命令の下、騎馬が槍兵が歩兵が前進を始める。


「菜緒虎様。暴れて来てもいいですか?」

「構わないが、徒歩だろ」

「馬なら奪うまでです」

環寧は笑いながら空堀を飛び越えると、兵を振り落とした空馬に跨り走り出す。


「突撃!」

僧操軍の騎馬が、コンダラゴーレムの背を乗り越え、城に向かって逃げ去る孫蚊軍を追撃する。

槍兵や歩兵は、空堀に落ちた孫蚊軍の騎兵を助けられるものは助け出す。

慈悲とか、人道的な行為ではなく、騎馬に乗る兵士は身分の高いものが多く、身代金が期待できるからだ。


「戦いに巻き込んで悪かったなな」

馬に乗った僧操が、ゆっくりと菜緒虎に近づいてくる。


「ここはもう大丈夫でしょう。次は南でしょうか?」

「はは、まずは小さくてもここを付け城にしてしまうことだな。幸い、水は燕雀湖から引いて来れる。」

菜緒虎の問いに僧操は笑って答える。


建業郡の郡都である建業城は、北から西に長巣江という大河を堀に、東に金童山という壁を擁する硬城だ。

南側は大きく平原が開けていて、本来なら田園が広がっているはずだが、ここ数年の異常気象で荒れ地になっている。


今回僧操は、北の長巣江側に本陣を置くと、菜緒虎たちと共に少数精鋭を率いて金童山を迂回。

建業城の東、燕雀湖近くに付け城を作るという菜緒虎たちの能力ありきの作戦を立てて、こうして成功している。


ちなみに付け城は、兵糧攻めを含む長期戦を想定した戦術である。

収穫を前に地震に局地的豪雨。

すでに刈月(かりつき)(9月)も半ばを過ぎ、今年もこの辺りの収穫は絶望だろう。

僧操は建業城に兵糧戦を仕掛けることにしたのだ。


「これ以上、お客さんを活躍させるな!」

馬に跨った天韋が叫ぶと、同じく騎馬に乗った兵士が「応」と叫ぶ。


「俺の邪魔をするなぁ」

環寧が雄たけびを上げて逃げ惑う敵を後ろから、バッサバッサと斬り伏せる。


『スキル背後からの攻撃(バックアタック)Lv.10を習得しました。盗賊(シーフ)の上位職、破落戸(ローグ)Lv.0の条件を満たしました』

盗賊(シーフ)Lv.10を消費して破落戸(ローグ)Lv.1に進化します』

『スキル幸運な攻撃(ラッキーストライク)Lv.0を取得しました』

『スキル影に隠れる(ハイドインシャドー)Lv.0を取得しました。』

『スキル急所攻撃(クリティカルヒット)Lv.0を取得しました。スキル背後からの攻撃(バックアタック)Lv.1の習得効果により急所攻撃(クリティカルヒット)Lv.1を習得しました』

『スキル偽装Lv.0を取得しました』

『スキル背後からの攻撃(バックアタック)がLv.10です。背後からの攻撃(バックアタック)Lv.10が全方位からの不意討ち(ハイドインアタック)Lv.1に進化しました』


「お、お?、ああぁ?」

環寧は不意に頭の中で響いた声にパニックになる。


『落ち着け。後で説明する』

環寧の目の前にステータス画面が開き菜緒虎の声が響く。


「うぃっす」

それで精神を立て直す環寧は大物と言えた。

ありがとうございました。

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