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星空の下、紡ぐ願い 中編

七夕パーティーをするべく、牙狼と二人きりで出かけることになった彩月。

そこで出会ったのは・・・?

その日から数日がたって、七夕の日になった。

ちょうど七夕が休日だったため、私たちは午前中に買出しに行くことになった。

ただの買い出しなんだし、普通の買い出しでいいよね。

四宮さんはデートだのなんだの言ってたけど……

なんか、緊張しちゃうなぁ……

「メイちゃ~ん!」

「あ、四宮さん」

「お・ま・た・せ♪」

四宮さんが、ウインクをしながらくるりと一回転回ってみせる。

ジーンズ生地のジャケットに、ボーダーの服が顔をのぞかせている。首にはネックレスをかけていて、耳にはいつものリングの形をしたイヤリングをつけてある。

なぜか眼鏡をかけていて、その下の表情がにっと笑みを浮かべる。

「お、おはようございます! あの、四宮さんって眼鏡だったんですか?」

「ん? あ~これは変装みたいなもんだよ。オレって女の子の知り合いが多いし、カルテットスターとして有名だからさあ、それの対策ってやつ?」

「そ、そうなんですか……」

「それにこっちのほうが、かっこよく見えてよくね?」

返答に困っていると、四宮さんは私の手を握り

「じゃあいこっか。メイちゃん♪」

ニコリと笑みを浮かべた。

つないだ手から、彼の体温が伝わる。

あ、あれ? これって俗にいう恋人つなぎってやつだよね?

私なんかとしちゃっていいのかな。

「パーティーっつったら、ケーキは欠かせないよね~! メイちゃん、何が好き?」

「ケーキですか? ショートケーキとか、結構好きですよ」

「オレも♪ 甘いもの大好きでさ、よく女の子が教えてくれる店に通ってるんだよね♪」

確か、前にもそんなことを言っていたような気がする。

四宮さんって、本当に女の子大好きなんだろうなあ。

私なんかと一緒にいて迷惑じゃなきゃいいけど。

その証拠に、周囲にいる女子達が四宮さんを見て噂している。

彼は変装のつもりだって言ってたけど、逆に目立ってないかなぁ。

「四宮さん、あ、あの……」

「スト~ップ!!! メイちゃん、今オレのことなんて呼んだ?」

「え? 四宮さん、ですけど」

「それだよそれ! もう同棲し始めて何か月もたってるのにオレだけ名字とかありえなくない!? 牙狼でいいよ~なんなら牙狼君とか、ルー様とか♪」

さすがに年上に君付けはないかなとか思いながら、ちょっと笑ってしまう。

まあ結構一緒にいるし、いつまでも苗字なわけにはいかないよね。

現に竜駕君も名前呼びだし……

「じゃ、じゃあ……牙狼さん」

「ん? なんだい、愛しのメイちゃん♪」

「さ、先ほどからなんか見られているような気がするのですが……」

私が言うと、彼はどれどれと言いながら周りを見渡す。

すると何を思ったのか、牙狼さんは周りにいた女の子達に近づいていく。

「HELLO、マイエンジェル達? オレのことを見ていたのかな?」

「あ、すみません!」

「いいんだよ~見るくらい♪ かわいい君の瞳は、オレを虜にさせてしまうくらいかわいいよ?」

とたん、女子からの歓声が沸く。

牙狼さんは気にしていないようににこにこ笑っている。

……さすが、というべきなのだろうか。

これじゃせっかくの変装が意味なくなってる気もするけれど。

でも、他の三人とは全然違うな。

彼は女の子全員平等に愛しているように見える。

それが、牙狼さんのいいところなんだろうな。

「あれ? お姉ちゃん?」

聞きなれた声に、ん? と思わず声が漏れる。

ぱっと振り向くと、そこにいたのは私がよく知る人物だった。

「やっぱりそうだ! 久しぶりだね、こんなとこで何してんの?」

「わあい、彩月おねぇちゃんだぁ~!」

「弥生! 文乃!」

なぜかそこにいたのは、私の妹である二人だった。

まさか、こんなところで再会するとは思わなかったけど。

「二人こそ、なんでここに?」

「買い物だよ、今日のごはんの。お姉ちゃんも?」

「う、うん。まあそんなとこ」

「彩月おねぇちゃん、きれいになったねぇ~カルテットスターと一緒にいるからかなあ?」

文乃がのんびりとした声で言うのを、私は少し呆れながら見ていた。

変わったとか言ってるけど、まだ数か月しかたってないんだけどなぁ。

とりあえず牙狼さんと二人でいるって知ったら、めんどくさいことになりそうだな。

彼がいない今のうちに、話を切り上げて早く買い物のほうに……

「なになに? このかわいい子達! メイちゃんのお知り合い?」

ぎょっとして、思わずのけぞってしまう。

隣にはいつの間にか牙狼さんがいた。

さっきまで女の子と会話していたはずなのに。

「初めまして~四宮牙狼で~す♪ いつもメイちゃんにお世話かけてます♪」

「えっ、嘘!? 本物!?」

「わぁい、すごぉい! かっこいい~!」

「お姉ちゃんってばいつの間に牙狼様と付き合ってたの!?」

……言い忘れていたが、弥生も文乃もかなりのカルテットスターファンだ。

私が彼らを知っていたのも、発端は弥生である。

いつの間にか見ているうちに、姉妹そろってはまっていたわけだが……

「ち、違うの! 牙狼さんとは、たまたまお出かけに……」

「メイちゃんとは親密な関係を築かせてもらってます☆」

「何言ってるんですか、牙狼さん!」

「そうなんですか!? いいなぁ! あ、私湊弥生って言います。こっちが文乃」

「メイちゃんの妹さんってことは、将来義理の妹になる子ってことだよね~今後とも四宮牙狼をよろしく~♪ 君たちみたいなかわいい子なら、妹じゃなくて彼女でもいいけどね♪」

ウインクしながら、牙狼さんが軽快に言う。

きゃーきゃー言う妹二人を見ながら、私はため息をつくばかりだった。



今回は短めです、ご了承ください。彩月ちゃんの家族が、全員集合しちゃいますが全然似ていなくてびっくりしている私であります。

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