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御徒町樹里シリーズ

御徒町樹里の西遊記外伝 続々・リックの冒険

作者: 神村 律子

リックの冒険です。

 猫又のリックは古今無双のスケベです。


 愛妻の遊魔と共に御徒町樹里を助けるために旅をしています。


 二人はある町に入りました。


「また皿を割ったのか、このクソガキが!」


 ある料理屋の裏口で、店の主人が幼い女の子を怒鳴っています。


「申し訳ありません、旦那様」


 女の子は泣きながら土下座しています。


「今月も給金はなしだ。あの皿、高かったんだからな」


 主人は女の子を睨みつけてから、店に戻りました。


 女の子は泣き崩れています。


「泣かないで。可愛い顔が台無しにゃん、お嬢さん」


 リックは遊魔の踵落としを掻い潜り、女の子に言いました。


 唖然とする女の子にリックは続けます。


「割った皿はどれ?」


 女の子は唖然としたままでゴミ箱から皿の破片を取り出します。


 それは十枚一束で売られている安い皿です。


 給金がなくなるほどの皿ではありません。


「酷い奴にゃんね。お兄さんが懲らしめてあげるにゃんよ」


 女の子は目を見開いたままで何も言いません。


 リックは遊魔と共に店に入りました。


「いらっしゃいませ」


 主人は作り笑顔で現れます。リックにはそれがわかるのです。


「あんた、昔猫を殺したにゃんね?」


 ビクッとする主人です。


「猫を殺すと末代まで祟るにゃんよ」


「まさか」


 主人は冗談と思い、奥に行こうとします。


「僕らがその殺された猫の怨念にゃんよ」


「え?」


 その途端店が炎に包まれ、主人はその炎に囲まれます。


「ひい!」


 主人は絶叫しました。そして、


「これでどうかご勘弁を!」


かめにいっぱいの金貨を差し出しました。


 炎は嘘のように消え、リック達もいなくなりました。


「ふう」


 主人はホッとしてその場にしゃがみ込みました。


 リックは女の子の所に行き、甕の金貨を渡します。


「これは?」


 女の子はビックリしてリックを見ます。


「お給金にゃん。受け取って」


 リックは微笑んで言いました。


「そして僕の側室になるにゃ……」


 そこまで言ってリックは遊魔の飛び膝蹴りで倒れました。


 


 めでたし、めでたし。

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― 新着の感想 ―
[一言] ちょっとカッコいいリックを見直しました…。 が、最後はやっぱりそうきたか!
[一言] おお、ネコにゃん良いやつじゃないですか。 おまけに幻術つかい? かっこえ〜 (*´д`*) 英雄色を好むってゆーから、まあ女好きなのは仕方ないですネ。 ちなみにボクのリアルは北海道の藤原…
[一言] 途中まではかっこよかったのになぁw りっきさんってリアでもこんな感じっぽいですねw 次作も楽しみにしています。
2011/03/31 19:45 退会済み
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