6.選択肢。
先日、更新できずすみません。
色々やってたら爆睡かましてました。
また、あとがき確認お願いします。
「……なるほど、な。アイツの不機嫌は、それが原因か」
「ご迷惑をおかけしております」
仮にも依頼を受けたのだから、事務所に挨拶しに行くべきだろう。
そう考えて、俺はまた須藤社長のもとを訪ねていた。すると彼も何やら疲れた様子だったが、こちらの顔を見ると迎え入れてくれる。そして一連の話をした結果、社長の心労も発端が同じであることが判明したのだった。
俺が力なく頭を垂れ謝罪すると、
「今回はまぁ、オレもお前を責めることはできん。というよりも、どちらかといえばアイツのことでむしろ迷惑をかけたな。謹んで謝罪申し上げる」
「い、いやいやいや! 須藤社長は関係ないですって!!」
意外にもそう言って、深々と頭を下げる。
俺が慌ててそう答えると、彼は大きくため息をついてから言った。
「こちらとしても、関係ないと断言したいのだがな。所属タレントの色恋――特に未成年の黒猫、となると簡単に無視はできない。それにこれは、お前よりもアイツの気持ちの問題だ」
「ミリカの、ですか……?」
「あぁ、そうだな」
こちらが首を傾げて訊き返す。
すると須藤社長は、どこか呆れたように肩を竦めて続けるのだった。
「アレは一種の独占欲、のようなものだろう。黒猫本人の恋心ではなく、アイツの推しである狛犬シロによるお前への感情。そしてお前が、自分のリスナーだという事実。そうやって考えてみると、黒猫の心中も少しは理解できないか?」
「それってつまり、危機感のようなものですか?」
「なるほど。たしかに、そうとも言えるな」
そして俺が訊ねると、彼は一つ頷く。
その上で、こう語るのだ。
「アイツ――黒猫は、いまの関係が壊れることを恐れている。お前と狛犬シロが上手くいけば、必然的にお前は自分の配信にこなくなると考えている。すなわち、自分の推しと仲の良い最古参リスナーを同時に失うことになる、ということだな」
「………………」
その問題は、たしかに考えられる。
仮に俺が狛犬さんの告白を受け入れたとして、互いに喧嘩こそしないにしろ、俺たちの間に微妙な気遣いが生まれるのは分かりきっていた。いまの状況だけでも難しいのに、俺たちが恋人同士になったら拍車がかかる。そうなると、疎遠になる未来しか見えなかった。
そうなってくると、どうすれば良いのだろうか。
俺は俺として、どのような選択をすればいいのだろうか。
「……あぁ、そうだ。お前に一つだけ、アドバイスをしておこう」
「アドバイス……?」
それを思い悩んでいると、須藤社長はどこか遠くを眺めながら言った。
「どちらを選んでも、今後の関係が大きく変わるのは間違いない。そして、どちらもお前にとっては難しい立場になるのは明確だ。だからこそ――」
それはまるで、自身のことのように。
彼は俺にこう忠告するのだった。
「自分の選択には、絶対の責任を持つことだな」――と。
◆
「ありがとうございました」
挨拶と、ひとまずの打ち合わせを終えて。
俺はミリカの事務所を出て一度、大きく深呼吸をした。須藤社長の言葉はその通りで、これからのことは俺が責任を負うべきことだ。誰が悪いとか、悪くないの話ではない。
憧れや好意は、人として抱いて当然の感情なのだから。
「………………」
それを否定はできない。
もちろん、彼女たちが『ライバーとしての自分』を持っているのも、理解した上でだった。それを考えてもなお、狛犬さんは俺へ想いを伝えてくれたのだ。
それは俺にとって、きっと喜ばしいこと。
だけど、
「…………ふぅ……」
俺の推しにとっては苦しいこと、なのだろう。
だったら、こちらとして取るべき行動は何かを考えた。そして、
「…………あ、もしもし? いまから少しだけ、出てこられますか」
俺は『彼女』に通話をかけたのだった。
ここまでお読みいただき、誠にありがとうございます。
正直、ここから先の展開に苦慮している作者です。
※マジ悩んでるので待ってw
その上で、責任を持って書かせていただきます(何故かメンタル削れる音)
さて、話は変わりますが。
ハイファンで、新作を始めました。
ラブコメと同時連載になり大変ですが、頑張りますので応援いただけますと幸いです。
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