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ハンバーグ警察

タイトルの件は発祥自体はなろうではないが、異世界モノの定番指摘である『地球文化由来の単語』をどう扱うのかというお話。


細かいことは気にしないタイプなので自分では気にしたことはないが、(ちまた)にはサンドイッチやハンバーグなど地球の歴史や文化が下敷きとなっている単語が登場するのを許せない勢力がいるらしい。


商業作家の中にも『(天体の)月は地球固有のものなので、(日時の単位としての)月という単語が出るのはおかしい。作者の程度が知れる』などと(のたま)う方もいるとかいないとか。


たしかに異世界中世ヨーロッパ風、いわゆる『ナーロッパ』作品なのにカタカナ単語がモリモリと登場し、現代人の知識や感覚を同等に持っているかのような会話が続けば、気にしない族の自分でも違和感を覚えることがある。


また文化・歴史を前提とする意味では同類である故事成語やことわざなども、同じように考えてもいいだろう。


ではこれらはないほうが読みやすいのだろうか?


(いな)、むしろ読みにくなると断言できる。


現地で似たものがあると設定しその固有名詞を使うとするなら、その説明文がどうしても必要になる。


『ブーベッピ、ひき肉を一般的には指二本前後の厚さで手のひら大にまとめたものを焼き上げソースなどで味付けをしたもの』


旅行記ほどではないが、異世界文化を感じることがテーマの一つに盛り込まれているような作品ならいざ知らず、ポップでライトななろう作品では冗長に過ぎる。


雰囲気やら『質』やらの前にテンポを損なうことになる。シンプルに伝えるなら素直に『ハンバーグ(のような)』としてしまったほうが、読み手の理解も早い。


書くほうにしたって設定やらを考える時間が必要になるわけで、視点によっては逆に悪手にもなり得る。(くだん)の商業作家とて「指輪物語」ほどの作りこみはおそらくしていまい。


無頓着にそういった固有名詞を登場させるのはたしかに問題だ。


だが、絶対の正解があるような問題でもない。


作品のテーマや性質・制約に合わせて調整すべきことなのだ。


むしろそれを理解せずに独善的に押し付ける(やから)こそが、読者であろうと作者であろうと問題だといえる。

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