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玉座のシンデレラ  作者: コーメリー777
第1章 玉座への第一歩
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第一章 第四話 公安警察

「どうした?なんか送られてきたか?」


 私はメッセージを確認し終えると凱斗さんにどんなメッセージが届いたのかを教える。


「なんか、変なメッセージが届いた。」

「どんなメッセージだ?」

「なんか、『玉座大戦』を始めるって。『ガラスの靴』を十二足全部手に入れろって。」


 すると凱斗さんはそんな現実離れした話をあっさりと受け入れてくれた。


「なるほど、そう来たか。急ごう、一刻も早く警視庁本部に行かなければ。」

「え?なんか知ってるの?」

「いいから早く!時間がない。」


 凱斗さんに急かされて私はすぐにパトカーに乗った。

 パトカーは三十分ほどで警視庁本部庁舎へ辿り着いた。


「二人とも、お待ちしておりました。ではこちらへ。」


 そう警察の人に案内されて入った部屋が大きめの会議室のような部屋だった。とはいえ、会議室には私と凱斗さん以外に1人しかいない。


「ようやく来たか、赤井。遅かったな。」

「すみません。移動中に敵に襲われたもので。」

「なるほど。なら、仕方がないな。――それで靴の能力は本当か?」

「はい。」

「なるほどな。」


 凱斗さんの上司らしき人はそんな現実離れした話を疑問を持たない様子で聞いていた。

 確か、凱斗さんも同じ感じだったな。

 え?もしかして。


「もしかして、警察の人。全部知ってたの?」

「具体的にどこまで?」

「『ガラスの靴』の『魔法の力』が本当だということと、さっき送られてきたメッセージに書いてあった『玉座大戦』みたいに、『ガラスの靴』に関係した事件が起きること。」

「ああ。知ってたぞ。」

「ならどうして先に・・・」

「パトカーに盗聴器が仕掛けられていた。――こんな風にな。」


 そうやって凱斗さんが私に見せてきたのは凱斗さんが運転中に壊したであろう盗聴器だった。しかも一つや二つではなく六つだった。そのうえGPSらしきものも六つ全てについている。


「え?盗聴器?しかもこんなに・・・」

「これらは襲撃が起きた後に見つけたものだ。まぁ、上司が念のために『ガラスの靴』の話は警視庁本部庁舎に着いてからしろって言ってたからお前の名前までは聞かれずに済んだが、もしこの情報が洩れてたらお前の命もさらに危険になる。――上司に感謝だな」


 なるほど、確かにあの時のパトカーで『ガラスの靴』についての話で私の名前が出ていたら私が持っていることが『ガラスの靴』を狙っている輩たちにバレる。――だからあの時凱斗さんは私をお姫様呼びしたのか。


「にしては暴漢どもに襲撃に遭ったらしいじゃないか。赤井。」

「いえ、どうやらあいつらは何者かに雇われてあの襲撃を行ったらしいです。」

「ということは、青雪さんが『ガラスの靴』を入手したことが既に何者かにリークされたということか?」


 もしかして、あいつらを雇ったのって。


「もしかしてだけど、雇ったのって『玉座大戦』を始めるってメッセージを送った人じゃない?」

「確かに。青雪が『ガラスの靴』の所持者だという情報をリークしたにしたとしたら少し早すぎる気がするし、厳重に保管されていた『ガラスの靴』をあっさりと盗みそれを世界中にばら撒くことを実際に実行したあいつなら所持者についての情報をリークするのも簡単、ということか。」

「パトカーに入れるのは警察関係者か警察によって逮捕された犯罪者のみ。青雪さんのように例外もあるとはいえ基本的には警察関係者しか入れない。――警察関係者の中に『玉座大戦』に関係のある人物が紛れているかもしれんな。すぐに警察関係者たちに警視庁の内部にも警戒するよう呼びかけるとしよう。念のため警視庁の人間だけでなく交番の警察官にも呼びかけをするとしよう。」

「それが最善策ですね。」


 まぁ確かにパトカーに盗聴器が六つも仕掛けられていた以上、まず最初に疑うのは警察関係者だし、その判断は正しいのかも。


「まぁ、赤井が内通者の可能性も否定できないがな。」

「そうなるのも納得できますが、俺はパトカーに乗ったの今日が初めてですよ。」

「おっと、そうだったな。」


 私は思わず「え?」と言ってしまった。


「あれだけ激しいカーチェイスを繰り広げていたのに、あれが人生初のパトカー運転なの!?」

「そうだが?」


 初めて運転したにしては結構激しかった気が・・・

 そうしたら上司が近くにあった椅子に腰を下ろしてこう言った。


「とりあえず青雪さんに一つ提案があるのだが。」

「なんですか?」

「我々、公安警察と共同戦線を組まないか?」

「いやいや。」

 

 私が首を横に振ると。


「安全は保証する。―お前の背後に警察が付くようになるからな。」

「選択の余地はないと思うぞ。なんせ、お前は狙われている身だからな。」


 まぁ、背後に警察が付くなら安心かもしれない。


「じゃあ、入ります。」

「そう来なくてはな。」

 

 私の返答に上司がそう答えた。

 その後、私と凱斗さんは会議室を出て私は加入の手続きを済ませて凱斗さんの言う『拠点』とやらに向かった。

 ちなみに凱斗さんはトイレに行きたいからと真っ先に『拠点』へ帰った。


「ここが『拠点』か。」


 玄関の扉を開けたら三足の靴が置かれている玄関があり、玄関を過ぎ、短い廊下を歩くと左右と前には扉が見えた。左側には階段もある。   

 前の方の扉のドアノブを回して扉を開け部屋に入ると、至って普通のリビングの光景が広がっていた。


「どうだ、俺らの拠点は。」


 いつの間にか私の横にいた凱斗さんが誇らしげに言った。

 リビングにしては少し広い気がするが、それ以外は普通のリビングといった感じだ。普通にサイズのソファも置かれていてソファの前にはテレビもある、大きめのテーブルや奥にある引き戸は、押し入れだろうか。ほかにもエアコンや食器棚や本棚、冷蔵庫に電子レンジ、受話器もあって『拠点』とかいう強そうな名前に反して普通にリラックスできそうな空間だ。


「まぁ、普通のリビングって感じかな。」

「結構清潔感あるだろ?」

「確かに、私の家より綺麗。」


 私の家なんてそこら中ゴミだらけだよ。

 そうしたら凱斗さんは「とりあえず」と前置きして。


「お前に合わせたい奴らがいるんだ 。」

「確かになんか『俺らの拠点は』とか言ってたね。どんな人たちがいるの?」

「二人いるんだが、二人とも実に面倒くさい性格をしていてな。打ち解けるのに少し時間がかかる。」

「凱斗さんの性格も私的には面倒くさい部類の方だけど、まだ会って時間浅いのに少し打ち解けてきたから大丈夫かも。」

「――早くあいつらの所へ行こう。」


 私は凱斗さんについていくと押し入れらしき引き戸の前に着いた。凱斗さんが引き戸を引くと狭いスペースが少し見えた。そのスペースは大人一人が入りそうなスペースだった。奥の壁には何故かくぼみらしきものがあった。

 ――そうしたら凱斗さんは押し入れの奥の壁のくぼみに手を掛け横に引く。とまるで引き戸のように壁を横にスライドした。奥には階段が下へと続いている。


「おー。なんか凄いね。」


 そうして階段を下りた先には、木造の扉があった。凱斗さんはその扉のドアノブを回して扉を開けた。


「ここは、何の部屋なの?」

「あいつらの自室だ。」


 地下室ということもあり窓こそないものの、ソファやらテレビやら冷蔵庫やらエアコンやら机と椅子などの日用品などが置かれている。それと何故か会議やプレゼンなどで使いそうな大きめのホワイトボードも。


「ああ、君が凱斗が言ってた新入りかい?」

「初めまして。これから仲良くしましょう。」


 口を開いたのはソファに腰を掛けている不思議な雰囲気の男性と女性だった。

 ――この人たちが凱斗さんが言ってた二人かな?

言うの遅いかもしれないけど、三日月ちゃんと凱斗くんはW主人公です。

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