プロローグ ガラスの靴
『ガラスの靴』、それは過去に幾度となく多くの権力者を虜にし、狂わせ、破滅へと導いたとされる悪魔の靴、過去にとある三つの国の王様がこの靴のためだけに戦争を始め、その結果三つの国諸共崩壊し、地図から消えた。『ガラスの靴』は全部で十二足存在し、権力者を惹きつける魔力を危険視したインターポールにより封印された。
「そして僕は今そのすべての靴の封印を解き、そのうちの十足を手に入れ、残りの二足はこのアタッシュケースに収めている。」
「待て!貴様!その靴をそちらに渡せ!」
盾とライフルを構えた特殊部隊の人たちが僕を取り囲んだ。
「ははは、どうやらここまでのようだね。」
まぁ普通の泥棒なら特殊部隊に囲まれて、絶対絶命の状況だろう。しかし、僕は普通の泥棒ではない。加えて『ガラスの靴』を全て揃えているんだ。絶対絶命どころか負ける気がしない。
「貴様、それを使って、何をするつもりだ!」
特殊部隊の隊長らしき人に聞かれたから僕は『ガラスの靴』をどうするのかを答える。
「僕はね、これを使ってあるゲームがしたいんだ。」
「ゲーム、だと!?」
「僕は知っている。これがただの綺麗な靴ではないことを。この靴は一足でも世界を大きく動かすことのできる代物であることを。」
「貴様はそれをどうするつもりだ?」
「簡単だよ。これを世界中にばら撒くんだよ。」
「は?」
絶句する隊長と同じく僕が何を言っているのかを理解できていないであろう隊員たちをよそに僕は続ける。
「今までこの靴は強欲な権力者が手に入れてきた。・・・・僕は正直言って、この展開にはもう飽きた。
だから僕は権力者だけではなく、一般人でも『ガラスの靴』を手にする機会を与えるんだ。もし何の権力も持たない一般人が『ガラスの靴』をどう使うのか、気になるだろう?」
こいつらはまだ僕の言っていることが理解できていないようだ。
そこで、隊長が沈黙を破った。
「そのようなことが許されると思うか!実際に『ガラスの靴』が出回ってしまったら世の中が大変なことになる。それだけは絶対に阻止しなければない!」
「ははは、威勢がいいね。でも僕は捕まらない。この意味が分かるかな?」
僕はそういうとベルトの後ろについているボタンを押した。
すると僕が身に着けているマントで隠れているジェットパックが起動した。
「では、僕は失礼するよ。ごきげんよう。」
「オイッ!待てッ!」
僕はアタッシュケースを落とさないように抱えながら窓を破り、空を飛んで逃走した。
僕は空から美しい夜景を見ながらつぶやいた。
「さぁ、『ゲーム』の始まりだ。」
この『ガラスの靴』がどんな人の手に渡るかな?
「実に、楽しみだ。」
こんにちは。コーメリー777です!中学生です!今回が初めてなので気になる箇所があるかもしれませんが、そこは今後直していくつもりなので、これからも応援よろしくお願いします!
あと言うのが遅いかもしれませんけど一人称が僕の人は主人公じゃないです!
主人公は次回出す予定です。