第六話 シグナル
「ねえ ボク いじめられてるの?」
私は無意識に発した言葉に我に返り慌てた。
『美里 あんた何聞いてんのよ 聞いたって何もできないのに バカバカ』
自分の心に悪態つかれた。
「あーごめんね。立ち入った事だったね。答えなくていいよ。ごめんね。」
美里は精一杯の作り笑いを浮かべる。
「いじめられてないよ。俺はチームに入って野球がしたいんだ。でもいつも断られる。」
悠馬は全て話してきた。まるで誰かに現状を打開してほしいように。すがるように。
もちろん単なる女子高生の私にはなにもできない。
「ごめんね 私はただの女子高生だから何もしてあげられない。応援ぐらいしか。」
「悠馬君ファイトー!」
「元気出して頑張ってね。」
「ありがとう。美里お姉さん。」
下の名前で呼ばれちゃった。やるなお主。
「さてと。お姉さんは帰るねー。またねー。」
私は立ち上がり帰路についた。
翌日も学校はいつも通りだった。特別なことは何もなく自転車で帰路につく。
またグラウンドの横で足を止める。
『悠馬君またやってるのかなあ。』
見ると小突かれて倒れた子がいた。
『あれ?悠馬君じゃない。』
女の子だ!あの子達女の子に手を挙げてるの?
私はたまらずにグラウンドに向かう坂を駆け下りた。
グラウンドに入り倒れていた女の子を抱えて起こしてみるとまぶたから少し血が出ていた。
「誰だよ!この女」。ユニフォームの子供姿の男の子たちがざわめいた。 。
「あなた達 女の子に手を挙げるなんて恥ずかしくないの?!」
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