開けろ!×××××市警だ!
私ことエアリスは会議室の観音扉の前で困窮していた。結局、間に合わなかったのだ。もう一度自分の左手につけている腕時計を確認するが、7;05、完全にアウトである。遅れた理由は寝坊もあるけれど信号全部に止められたのが痛かった。恐る恐る扉に耳を当ててみるとやはり話し声が聞こえる。会議は始まってない、訳ではないらしい。
(もうどうしよう、、、、主任に折檻される)。もう入社して4年になるのに遅刻なんて常識的に絶対許されない、いや許してはいけないのだ。それが社会である。そうして困窮していると、
「あれ、もしかしてエアリスか?」。
背後から聞き慣れた声が聞こえた。振り返って見てみると、少し年上くらいの緑色の美しい長髪と眼を持った女性がそこに立っていた。彼女は私の勤めている会社、株式会社異世界転生の定例月次会議は支部ごとに会議室が分けられているのだが、所属している日本支部の支部長その人である。
「なあ、エアリス遅刻か?ダメじゃないか」。
「す、すみません!寝坊してしまいました。出来る限り急ぎましたが、間に合いませんでした」。わざと少し息を切らして、今来た感を出してみる私。これでたぶん大j。
「お、お前5分前くらいに来たろ、曲がり角から見てたぞw。取り繕っても無駄だぞ」。ぜんぜん大丈夫じゃなかった。
「ま、まあ会議始まってるし入れよ。安心しろ、主任には私があまり厳しくするなと言っておくよ」。
なんか主任に一言言ってくれるらしい。幸運には違いないが、極め付けは支部ごとの会議なのに支部長自らが遅刻していること。つまりそれは主任、いや誰にも遅刻した私を責める権利なんてないということ。怒られない!!安心したらこの幸運な状況に笑いそうになる、禍福は糾える縄の如しとはよく言ったものだ。ニチャア。
すると支部長は私が笑いを堪えている間に扉を開けてすぐ会議室に戻ると「ガチャッ!」と、しっかり聞こえるように扉に鍵をかけた。
「は?」。
聞き間違いかと思ってドアノブを捻るもやはり鍵がかかっていて開かない。
何度も何度も捻ってみるも
「ガチャガチャ」と無機質な音を立てるだけで特に何も起こらない。
「ガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャ」効果はいまひとつだ・・・。・・・完全に嵌められた。思い返してみれば入社して間もない時からペンのインクをすり替えて、上に提出する書類をやり直しさせたり、私の消しゴムの角を積極的に消してきたり、せいぜいその程度の小さいことをする人だった、いやそのはずだった。でも最近優秀な私がいたずらを回避するから腹いせにってことか。私は会議室に座り込み、目を閉じた。燃え尽きたぜ・・・真っ白にな・・・。
課題に追われているのになぜか小説を書いている自分に焦りと呆れを感じる今日この頃ですが、そろそろ夏休みが終わる頃じゃないでしょうか。ちなみに作者は課題が終わっていません。つまり辿り着く先は死です。ありがとうございました。まあできる限り頑張りたいと思っています??