侵
19:50
テレビ局前。
辺り一面をパトカーと警官の群れが取り囲みバリケードを築いている。
†
社長室。
社長と役員の一人が話をしている。
「本当に来るんだろうな?」
「さぁ・・・・」
「なんだその返事は!!」
「・・・・・」
「少年Aに殺された双子の兄弟が出演するとゆうから、わざわざ無理言って大西さんに来てもらったんだぞ!!」
「・・・お言葉を返すようですが、殺人鬼とは言え14歳の子供、この厳戒態勢を潜って入ってこられるとはとても思えませんが・・・」
「まーだ殺人鬼と決まったわけではなかろう。証拠は挙がってないんだ。彼等が出演を望んだ、もしかしたら濡れ衣を晴らしたいのかもしれん!その希望に我々が応える、素晴らしいことではないか!」
「・・・・そうだとゆう保障もない・・・・だいいち危なくて放送できませんよ」
「危ないかぁ〜?どこがっ??」
「相手はピストルを持ってるかもしれないんですよ」
「2対幾つだ?」
「・・・・・」
「捕まえたければ捕まえればいいさ・・・・」
窓の外、局を取り囲むバリケードを見つめる。
「世紀の大スクープだぞ・・・・」
ほくそ笑む。
「どう転ぼうともいい画が撮れるってやつだ・・・・」
19:54
バリケード前。
局の名を背負ったマイクロバスがやって来る。
検問に当たる警官が誘導灯を掲げそれを止める。
窓を開け挨拶するのは樫沢。
「ご苦労さまでーす」
許可証を見せる。
中へと誘導される。
19:55
地下駐車場。
マイクロバスから降り立つ榎真と芹。
橋田に銃口を向ける芹、樫沢に告げる。
「裏切ったらこの女殺すから」
懇願の表情で顔を引き攣らせる橋田。同様の表情で頷く樫沢。腕時計に目を向ける。局内へと全力で走り去る。
汗ばむその手には握られているのはビデオテープ。
19:57
サブコントロールルーム。
息を切らし駆け込んでくる樫沢。
「な、なんだお前、本番前だぞ」
押し返そうとするディレクター。
「それどころじゃねーんだよ!」
怒鳴り跳ね除ける樫沢。
19:59
局内通路。
橋田に銃を突き付け黙々と進んで行く榎真と芹。
「!?」
「キャッ!」
行き交う社員達が皆避け道を開けていく。
「こっちです」
誘導する橋田の言う通りに進んで行く二人。
「!!」
その姿を見つけ、曲り角に身を隠す男が一人、私服姿の警官。その手には無線が握られている。
「標的の侵入を確認、人質が一名、第3スタジオ方面へ進行中」
橋田にスタジオのドアを開けさせる。