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5.イケメンはクッキーがお好き? ~ケヴィン変身大作戦①~

今日はケヴィンと約束した日。


髪をバッサリ切って、眼鏡も薄いタイプに変えて…きっと眼鏡イケメンになるわね♪


ふふふっと笑いながら手を動かす。


ん?何をしてるのかって?


クッキーを焼こうと思って♪


ココアでもあればいろんなデザインの作れるんだけどまだ無いからとりあえずシンプルなクッキーを作るの。


小麦粉にバターに卵に砂糖、少しお塩を入れると甘さが引き立つのよね。


材料を混ぜたら形を整えて生地を寝かせてっと~


あ、その間に紅茶を用意しよう♪


クッキー好きなんだけど、水分がないと辛いのよね~


あ、紅茶のクッキー作ればよかったかな?

まぁまずはプレーンからよね!


「クレマン、紅茶を入れたいんだけど、ディンブラかアールグレイあるかしら?」

「アールグレイなら確かあったかと」


少しごそごそしていたクレマンが茶葉を持ってきてくれた。


…そういえば紅茶の名前って前の世界と一緒なのね…?


産地の名前だったと思うんだけど…?


まぁ分りやすくていいか。


「あ、あとはお湯と大きめのティーポットとグラスと氷、あと蓋の出来る瓶もお願い」

「はい、師匠!」


うん、もういっかなんでも…


最近料理人たちがみんな素直に動いてくれるので何をするにも早くて助かるなぁと、ささっと並べられた一式を見ながら思う。


さてと。


通常の2倍の茶葉で紅茶を作り、氷を入れたグラスに入れる。


しっかり冷えたらグラスから氷が入らないように瓶に移して、と。


酸化しないように蓋をしっかり閉めて、これでよし!


「師匠、紅茶を冷やすんですか?」


そういえば、アイスティー、この世界で飲んだことないわね…


「冷たくしてもおいしいわよ」

「そうなんですね!」

「じゃあ今度また教えるわね」

「はい!お願いします!」


あ、そうこうしてる間にクッキー生地が良い感じだわ。


ナイフで同じ厚さになるように切ると、パラフィン紙を敷いた天板に並べてオーブンへ


しばらく経つと良い香りがしてきた。


『じゅるり』


え?


突然背後から聞こえてきた音に振り向くとクレマンとドニがオーブンを熱心に見つめていた。


「ちょっと、どうしたのよ」

「いい匂いがしたものでつい」

「同じく」


怖いわよ!


「あ、後でちゃんと食べさせてあげるから仕事に戻りなさいっ!」

「「はい!師匠!」」


目をきらりと光らせて返事をすると二人は作業に戻っていった。


…なんかいろんな意味で心配になってくるわね、この人たち…


二人の姿を目で追いながら出そうになったため息を堪えた。


視線をオーブンへ戻すとうっすら焼き色がついてきた。


お、良い感じだわ。


天板を取り出し、網の上(ケーキクーラーが無いので)に乗せて冷ます。


よし、出来上がり♪


ひとつ味見を!


―パク―


さっくりほろほろでおいしい!


うんうんと味わっていると、横から声がした。


「し、師匠…」


なんとも言えない表情で4つの目から見られていた…


「い、一枚だけね」

「「ありがとうございます!!」」


「「んまいっ!!!」


「よ、よかったわ」


なんかもう怖いんですけど、この人たち…


気を取り直して用意していたカゴに冷めたクッキーを入れると瓶と一緒に持ってケヴィンとの待ち合わせ場所に向かった。


町の中央の噴水前、約束の時間より少し早いくらい。


お気に入りの懐中時計で確認すると周りに視線をやる。


…まだいない…


もしかして逃げた?いやいや、きっと来るだろう…


噴水の淵に腰かけて待つこと数分、ぼさぼさの頭と真っ黒のローブ姿で現れた。


「なによ、その恰好!レディと待ち合わせしてるのよ?もう少しきれいな格好で来なさいよ!」

「は?誰がレディだよ、ガキ!ちゃんと来ただけありがたく思えよ」


ホント失礼だわっ!


「そんなこと言うケヴィンにはお菓子あげないわよ!」


持ってきたカゴを掲げて言ってやった。


「っ!ずるいぞお前!」

「ずるくないわよ!おとなしく髪切ってくれたらちゃんとあげるわよ。」

「っく…」


黙ったケヴィンを引き連れ、美容院へ入った。


お菓子の力さすがだわっ!


私の行きつけの美容室のドアを開ける。


「マドレーヌ、いらっしゃい。待ってたわ」

「ノエル!こんにちは!今日は彼を良い感じにして欲しいの!」


出迎えてくれたノエルが両手を広げて迎えてくれるので、私はそこに飛び込んだ。


ノエルは前の世界で言うオネエだ。

両方の視点で見れるからかセンスが良く評判が良いの。


遠くから見るととってもきれいなお姉さんって感じだけど、近くで見ると身長の高さ(たぶん180は超えてると思うの)と声の低さに違和感しかないせいか、大体初対面の人は固まる。


ケヴィンも例に漏れず固まっている。


「あら、初めましての子ね!こっちに座って!」


ノエルはケヴィンの手を引くと鏡の前の椅子に座らせた。


まだ固まったままなので放置することした私は勝手にノエルに注文する。


「ケヴィンって言うんだけど、とってもきれいな顔してるのに、このぼさぼさの髪で隠しちゃってるの!眼鏡も作り直す予定だから眼鏡が似合う髪型にしてあげて!」


私の注文にノエルは固まったケヴィンの前髪を上げ眼鏡を外して確認をしている。


「まぁ!本当にキレイな顔してるのね、お姉さん好きだわこう言う顔!」

「でしょう?あ、スタイリングなんてしないと思うからセットしやすさも重要よ!」

「わかったわ!腕が鳴るわね♪お姉さんに任せてちょうだい♪」


ノエルはウキウキと準備を始めたので、ケヴィンにもう一度目をやると、怯えた目で見られた。


あ、意識戻ったのね。


ケヴィンを安心させるように親指を立てて見せたけど、首ががくっと落ちちゃった。


なんでかしら?




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[一言] 「お菓子あげないわよ!!」 それは伝説の……三つ児の姉の最強呪文…!! あ、あれはおやつか()
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