表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

少女たちの帰り道

作者: 魁星

なんとなく書いたはいいものの電子の海に流すのはなんかもったいない気がしたのでただの供養。



えーっと、これは私の友達から聞いた話なんだけどね。


ある1人の女子高生が、塾の帰りに電車に乗ったんだって。なんでも、遅くまで授業あったから人はほとんど居なかったらしいの。確か10時か10時半くらいって言ってたかなぁ? ごめんね、あんま覚えてないや。


で、人少ないし席空いてたから座ったんだって。家の最寄り駅までそこそこ時間かかるからって言ってた。当然なのかは知らないけど英単語帳出してたらしいよ。おんなじ塾帰りなのに私たちとは全然違うねw ……え、いっしょにすんなって? ああ、そういえば今もちゃんと勉強してるね、じゃあ不真面目なのは私だけかぁw


んんっ…それでね、確か2駅くらい前で、他の乗客がみんな降りちゃって1人だけになったんだって。そしたらその人のお母さんだったかな、まあ家族から電話がかかってきたの。


ラインでいいじゃんって思ったけど、周り誰もいないし、大丈夫かなって思ってその場で出たんだって。そしたら、電話口からなんかザザザって砂嵐っぽい音が聞こえて、お母さんの声が薄く入ってきたの。確か、『…逃げて………来ちゃダメ…………』だったかな?


どう考えても様子が変だから、何度か声かけたんだって。そしたらなんか壊れる音が聞こえて、すぐに切れちゃったの。


どうにも不安になって、思わず立ち上がってドアまで近づいたの。1つ前の駅はホームの構造的に開くドアが逆で、ちょうど駅に着いた時開いたドアには背を向けてた。しかも連絡きたらすぐ対応出来るようにスマホ見てたから、何か入ってきたことに気づかなかったの。


早く帰って家族の無事を確認したくても電車は時間通りにしか走らない。焦りながら駅に着くのを待ってたら、ドアの窓に、自分の背後に立つ影が映ってたんだ。なんか黒いもやみたいで、輪郭ははっきりしてなかった。夜の窓って結構反射すると思ってたんだけどね。


まあ当然びっくりしてね、思わず振り返っちゃったの。そしたら何もいなくて、見間違いかもってまたドアの方に向き直ったら、刃物のようなものを振り上げる影が見えてーーー




……あ、私この駅だから降りるね。じゃあまたね。


あ、そうそう、その女の子の降りる駅って『波鹿毛(はかげ)駅』って言うんだけど、ここの2駅先も同じ名前ってすごい偶然だよね〜w
















最後になんてことを言い残すんだろう……多分怖がらせる為にわざとやったんだろうけど、わざわざ私の降りる駅を題材にすることはないだろうに……


そういえば、最後に見えたあの子の口元、ひどく歪んで……ってあの子はそんな子じゃないし、ただの見間違いか。


……私以外にもう乗客いない……まあ時間も遅いしここ田舎だし仕方ないか。


あれ? お母さんから電話だ。なんだろ、普通にラインしてくれればいいのに。まあいっか、どうせ私しかいないし。


……あ、もしもしお母さん? どうしたの? ーーーーえ?



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ