表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
77/118

第72話 宇宙ってなんぞや?

――神成カミナリモード70%……いや、75%!


 私は神成モードを今の出力可能範囲のギリギリいっぱいである70%よりも、更に限界を超えて75%まで出力を引き上げた。

 神成の力の根源である稲妻が緑色から青色へと変化する。ビキビキと身体中から痛みを感じながらも、カスに向けて最後のとどめを刺そうと動き出す。


「忍殺拳が最終奥義、卍雷爆傑ばんらいばっけつ


 卍雷爆傑とは、入り乱れる稲妻の如しその爆発的な力を瞬間的に拳に乗せて相手へ放ち、確実にその相手を死に追いやる突きだ。

 これは、龍雷拳の回転、桜雷拳の内部破壊、蹴雷拳の捻り、槍雷拳の超加速、それら全ての忍殺拳の技術を融合させている私オリジナルの最終奥義である。


――こいつは生かしておくことはできない。誰かが、また危険な目に合う。


 私はそう思って、今の全力全開で最終奥義を動かないカスへ向けて放った。


 私の拳がカスに届こうとしているその刹那、私の拳の前にとても硬い壁が何層も現れた。私の混信の拳はそれを突き破りながらもカスに向っていた。

 しかし、その壁のおかげで威力が激減されていく。それでもこの拳を当てることが出来れば今の弱っているカスは死を免れないだろう。

 やがて最後の壁1枚を突き破ることに成功したが、両腕に光の壁を携えた見知らぬ者の手によって私の拳は止められた。


「むぅ~、俺が力を開放しているのにこの威力か。これじゃあカスがやられても仕方がないな。」


「……」


「久しいな、アンブ、そしてマヌケよ」


「……オス」


 そう、天使族の力を開放していて見た目の武装が全く違うが、この男はカスと同様に私とマヌケを騙していたオスだ。


 私は先ほどから頭をフル回転している。この奥義を放った後は身体が一時的に動かなくなってしまうのだ。しかも神成モードも限界を超えた出力を出してしまったため正直立っているのがやっとで、とても闘うことが出来る状態では無かったからだ。


「まぁ、そんなに心配をするな。今の俺は戦うつもりはない。今回はこいつが、自らのイキ過ぎた感情だけで動いていただけにすぎん。いずれまた会おうぞ。」


 オスはそういうとカスを肩に担いで、地面に置いた丸い機械を起動してその中に入った。すると、カオスとその機械諸共、その光の中に消えてしまった。


 アイレンズで見てみても近くに気配は全く感じないので、瞬間的に何処かへ移動したのだろう。

 私はそれを確認すると、緊張の糸が解けたように膝から崩れ落ちるように倒れてしまった。


「アンブ?!」


 私はすぐに駆け付けたマヌケに抱き抱えられながら完全に身体を預けた。腕や足が痙攣しており、今はそれらを動かすことが出来ないようだ。


「クモちゃん……大丈夫かな。」


思念「スマコ、クモの容体は?」


《……》


――スマコ?


《……わかった……主とマヌケ様に伝えるぞ?》


私、マヌケ「えッ?! 何?!」


《クモがな……その……し……》


――そ、そんな?! 嘘でしょ?! クモ!


 突然、異空間が開いた。


「主様ぁ! マヌケ様ぁ! 会いたかったよぉ~! お2人もなの?! きゃははは勝手に嬉しいなぁ! あははは! ていうか、死ぬかと思ったよぉ、マジで! でもね、でもね! コンが全力で救ってくれたの! おかげでアタシは助かったけど、今度はコンたちが力を使い果たして倒れちゃったのよぉ! どうしたらいいと思う?! とりあえずベッドに寝かせてあげてんだけどさ、アタシが添い寝してあげた方がいいかな?! あははは! 本当に皆に感謝してるんだぁ! アタシは幸せ者なんだ……◎△$♪×¥●&%#?!」


私、マヌケ「……へっ?」


 包帯グルグル巻きの状態で私達の前に急に現れたそのミイラ怪人は、一目散に喋り出した。


《クモがその……し、喋りたいっていうからよ……そんなこと出来る状態でもねぇくせに。》


――紛らわしいわ! ……でも、本当に良かった。いつもならすぐ抱き着いて来るくせに、多分身体が痛いんだろうね。でも私達に心配かけないように気丈に明るく振舞っているんだね。


 尚もあぁだこうだとペチャクチャ喋り続けているクモに近づき、プルプルと震えている手で頭をそっと抱き寄せて優しく撫でた。その後ろから私までを包み込む形でマヌケが抱き着く。


「あ、あれ?! 主様?! 元に戻ってるの?!」


――あぁ……まだクモは私の意識がないと思ってたのか。


 私は頭を撫でながら、首をコクンと縦に振った。すると、喋っていたクモの目からはポロポロと大粒の涙がこぼれ出した。


「あるじざまぁ~。グスン、よがっだよぉお……」


――よしよし。本当にこの子は……。


「クモちゃん……アタシ……」


「マヌケ様……本当にありがとね!」


「……え?」


思念「あの時に主様の命を1番に考えてくれたんでしょ? 実はそれが1番嬉しかったんだよ? それにマヌケ様が1番アタシを助けたがっていたことを皆に聞いちゃったの! にゃはは!」


思念「クモちゃん……」


――あれぇ~?! 私何も聞こえないんだけど?! なんか2人だけで絶対話してるよね?!


 2人が何を話しているのかは分からないが、とても穏やかな表情をしている。2人だけのいろいろな積もる話があるのだろう。


――そういえばスマコ、あの450号とか言う勇者候補って私の異空間に入ってたよね? 今どうなってんの?


《あれはコンがかなりビビらせて漏らし……気絶していたが、もう起きてるな。最初はわちゃわちゃ騒いでいたけど、今はコンらの看病してるぞ? ある程度はあいつらから話を聞いてるしな。》


――漏らしたの? まぁいいや、あの子もまぁ被害者側だしね。コンらの看病してくれてんなら後でお礼言わなきゃね。


《い、いや……もう少しそのままでもいいんじゃないか? どうせ今のアイツに居場所はないんだしよ! そ、それに主喋らねぇじゃんよ!》


――なんでそんなに必死なの? まぁ確かに私喋んないけどさ。


「え?! スマコちゃん、まさかあの記憶は渡してないの?」


《い、いやぁあれはちょっとやめた方がいいだろ?》


――何何何ッ?! まだ私の知らない記憶があんの?! スマコ、渡しなさい!


《すまん主、それはいくら主でも……な?! マヌケ様!》


「え“っ?! ア、アタシに振らないで?! ねぇ、クモちゃん?!」


「ひゃッ?! もう宇宙は嫌だよぉ……ウォンウォンウォン……。」


――全く意味が分かん。


 いつの間にか話に入ってきたクモとマヌケ。まぁ確かにスマコに渡された記憶の一部が途切れている箇所はあった。一体その途切れた時間には何が起こっていたのだろうか。今はまだその事実を知ることは無かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ