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第53話 闇に紛れて-2

《クモ、とりあえずそこで待機してろ。何か状況の変化があれば連絡しろよ。》


思念「了解しました! どうぞ!」


思念「主様、こちらへ。」


 私をコンが呼ぶのでそちらへ向かう。


思念「この薬の成分がわかりました。結論から言うとやはり、魔物に幻覚作用を働かせて、それを利用して操る薬のようです。厄介なことにこの薬剤は霧状になって初めて効果を発揮するものみたいで、液体の状態では人間でも魔物でも、水と変わりないくらいに飲んでも全くの無害です。」


――なんて厄介な薬なんだろう。見た目は普通の水なのに、霧化した瞬間魔物に幻覚作用を与えてしまうなんて……。


《それを無効化できるようなものはないのか?》


思念「今のところありません。このサンプルを持ち帰ってウチが専念して作っても1ヶ月程度はかかるでしょう。」


――いや出来んの?! それも凄いけど、確かに今はそんな時間もない。とりあえずこの施設とカプセル作ってるところ壊す?


《待て、まだ機械人化計画の全容がわからん。今迂闊に動くのは良くないだろ。》


――だね。でもこれで魔物の操り方については大体わかったね。後はマヌケ達次第だけど……。


*****


 アタシは空を飛びながら王都を中心にその周辺の監視をしている。


 アンブと離れ離れなのが凄く寂しいんだけど、少しだけ我慢しなきゃね。もしかしたら関係のない一般人が実験道具にされようとしているんだもん。


――そんなの見過ごせないよ!でもスマコちゃんってば、あんなに怒ることないのに……。


 そんなことを考えながらもアタシはレーダーに集中する。アタシのレーダーは魔物や機械人には反応するんだけど、人間には全く反応しない。だから、この暗闇の中に人間がいたとしてもアタシでは見つけることが出来ないのだけれど、人間の拉致は必ず機械人が行うはずだから、その一瞬を絶対に逃さないように出来るだけ広範囲に飛び回りながら警戒している。


 するとアタシが付けていたイヤホンという小型の機械からデスくんの声が聞こえた。


 実は、アンブからヘタレのポーチの中身のことを聞いた時に、耳に付けているだけで音を聞いたり、会話したりすることが出来る物っていうことを聞いて、それ便利だなぁ~とか思ってイメージで具現化してみたの。今そのイヤホンを皆に渡しており、アタシ達地上の捜索隊はこれで連絡を取り合っている。


 アンブの花びらの機械は、アンブが近くにいないと他の皆と会話することが出来ないの。アタシが具現化した機械がこんなに早く役に立ってくれるとは思わなかったけど、作っておいて良かったと思った。


「マヌケ様、こちらデス、ワレは一番デス。只今、人里離れた森の中で人間1人が野宿をしております。馬車があることから商人かと思われますが、警戒しておきます。」


「了解。攫うなら足が付きにくい1人を狙う可能性が高いってスマコちゃんも言ってたから、その人は要注意だね! デスくん、任せたよ!」


「承知しました!」


「マヌケ様。こちらインコだ、今港町の上空なんだが、不審な動きをしている人間が2人いる。1人は明らかに周りを警戒しながら海の方へ向かっているのと、もう1人はだいぶ怯えているようだ……監視した方がいいか?」


「港町で?! その人達は監視しよう。港町で夜中に出歩く人はそういないはずだから、何かあったら連絡して!」


「了解だ。」


「こちらポチだよ。王都周辺は今のところ異常なしかなぁ~。魔物や機械人の匂いや痕跡も今のところないよぉ~。」


「ポチくん了解だよ! 引き続きお願いね!」


「オッケ~。任せてぇ~!」


それからしばらくして再度デスくんから連絡が入る。


「マヌケ様、こちらデス! 大変です、たった今監視していた者が襲われました! 襲った者は同じ人間に見えますが、身のこなしからして機械人と思われます!」


「了解! デスくんはバレないようにその機械人の後を追って! おそらくこの王都に向かってくるはずだから!」


「わかりました。」


「マヌケ様、こちらインコ! こっちも大変だ! 怯えていた側の1人が連れ去られたようだ。海に機械人が待ち構えていた! おそらくあの人間が誘い込んだようだぞ。>


「なんてことを! インコくん、アンブにもらっておいた予備の花びらをその人間に付けておいて! そして可能なら人を攫った機械人を追って!」


「了解だ! あの機械人は船で拉致ったようだから、追い付ける!」


 アタシは念のためにアンブから予備の花びらの機械を貰っておいた。攫われそうな人間に付けておくことも出来るし、何かあった時の為に位置や音声が分かった方がいいかもしれないと思ったからだ。それに、アンブの花びらはアタシのレーダーとイヤホンにも反応するようにしておいた。


 とりあえず、そのイヤホンを人間に付けておけば後からでもなんとか出来る! 今は攫われた人が優先だ!


「デスくん、その経路は王都へ向かってないね。」


「そうなんです。どうやら王都へは行かずに迷宮へ向かっているようなんデス!」


「迷宮?! その先に迷宮への入り口があるの?!」


「ワレワレしか知らないはずの出入り口があります。しかし、迷宮内に入ればワレらのテリトリーですので見失うこともないかと思います。」


「了解。インコくん、そっちも行先は迷宮方みたいだね。」


「そうだな。このまま行くと迷宮への入り口だ。」


「やっぱりそうなんだ。とりあえず2人とも気付かれないようにお願いね?」


「了解!」


「ポチくん、王都の方はポチ君に任せるね。アタシは迷宮に向かうから!」


「了解だよ~。気を付けてねぇ~。」


 アタシは迷宮へ向かって最速スピードで飛び出す。


――それにしても何で迷宮の中なんだろう……。てっきり王都のあの地下に連れて行かれるんだと思っていたのに。


――研究室は王都には無いの?でもあの地下で実際に実験を行っていたのをアタシたちは知っている。だとしたら迷宮からあの地下に通じる場所がある? そういえば……魔物のエサが出来たってあの研究施設の人間が言っていたね。おそらく実験に失敗して亡くなってた人間を証拠隠滅の為に魔物に処理させていたのかなぁ。もしそうだとしたら……許さないよ。

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